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ドル・円は102円前半、米雇用統計控え値動き限定-株高が支え

東京外国為替市場では、ドル・円相 場が1ドル=102円台前半で推移。あす発表される雇用統計で米景気動 向を見極めたいとの姿勢から値動きは限定的で、日本株の上昇がドルの 支えとなった。

午後3時37分現在のドル・円相場は102円24銭付近。円は102円13銭 を上値に、正午すぎに一時102円31銭まで水準を切り下げた。この日は 中国、香港など一部のアジアの国に加えて、ドイツやフランスなど欧州 も祝日の国が多い中、同時刻現在までの値幅は18銭にとどまっている。

IG証券の石川順一マーケットアナリストは、米長期金利が2.6% から2.8%のレンジの下限に近く、ドルの下押し圧力が強いと説明。た だ、日米の株価堅調を背景に「基本的に株高イコール円売り」の面もあ ると言い、さらに「米国の雇用統計が良ければ、株高維持、米金利の低 下圧力の後退によって、ドルが買い戻される展開も見込まれる」として いる。

前日の米株式相場はダウ工業株30種平均が終値で過去最高値を付け た。この日の東京株式相場は日経平均株価が午後の取引で上昇幅を拡大 し、5営業日ぶりの高値で引けた。

ユーロ・ドル相場は午後の取引終盤でユーロ買いが進み、一時は1 ユーロ=1.3888ドルと、4月11日以来の高値を付けた。ユーロ・円相場 は午前に付けた1ユーロ=141円68銭から、午後に一時142円01銭までユ ーロが値を戻している。

米雇用統計

4月の米雇用統計は2日に発表される。ブルームバーグ・ニュース がまとめた市場予想の中央値では、非農業部門の雇用者数が前月比21 万5000人の増加と、前月の19万2000人増を上回る伸びが見込まれてい る。

給与明細書作成代行会社のADPリサーチ・インスティテュートが 4月30日に発表した給与名簿に基づく集計調査によると、4月の米民間 部門雇用者数は前月比22万人増と、5カ月で最大の伸びとなった。

ユニオン・バンクのトレーダー、白井万雄氏(ロサンゼルス在勤) は、雇用者の伸びが10万人といったサプライズがない限りは、ドル が101円台半ばを割り込む展開は想定しにくいとし、ADPの統計を見 る限り、「それはなさそうだ」と指摘。「米連邦公開市場委員会 (FOMC)の声明を見ても、雇用が大きく落ち込んでいるようなこと はなさそう」とも言い、「雇用統計は順調な数字が出てくるのではない か」とみる。

一方、米商務省が同日発表した第1四半期の実質国内総生産 (GDP、季節調整済み、年率)速報値は前期比0.1%増加と、市場予 想の中央値1.2%増を下回った。白井氏は、GDPの結果に対する失望 も海外市場でドル売りを誘ったと説明している。主要6通貨に対するイ ンターコンチネンタル取引所(ICE)のドル指数はこの日の東京市場 で一時79.436と、4月11日以来の水準に低下している。

米金利低下

FOMCは4月29、30日に開催した定例会合で、資産購入額を 月450億ドルに減らす方針を決めた。4会合連続で100億ドルずつ縮小し ており、このペースでいくと、量的緩和プログラムは年内にも終了する 見通し。今後の縮小については、「慎重なペース」になる可能性が高い と繰り返した。

会合後に発表された声明では、「資産購入プログラムが終了した後 も相当な期間、フェデラルファンド(FF)誘導目標を現在のレンジで 据え置くことが適切」と指摘。これを受けて、米国債相場は続伸し、10 年債の利回りは一時2.64%と、4月17日以来の低水準を付けた。

この日の米国時間には、米連邦準備制度理事会(FRB)のイエレ ン議長の講演が予定されている。また、米供給管理協会(ISM)が4 月の製造業景況指数を発表するほか、新規失業保険申請件数などの経済 指標が発表される。

IG証の石川氏は、FOMC声明で「相当な期間」の低金利継続が あらためて示されたが、同時に経済については、徐々に回復基調に乗っ ているといった点でやや上方修正された文言もあったと説明。「今後の 経済指標次第というのはやはりFRBも市場も共通した認識」だと言 い、「一つ一つの経済指標を見ながら、中長期的には米金利に上昇圧力 がかかることによって、ドル高・円安方向に振れる」とみている。

--取材協力:大塚美佳.

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