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日本株続伸、米景気と割安-金融や電力、好業績の村田製高い

東京株式相場は続伸。景気の先行き 期待から再び過去最高値を更新した米国株に対し、日本株の割安さが見 直された。村田製作所や富士通など、今期の営業増益計画を示した好業 績銘柄を評価する買いも相場を押し上げ、業種別では証券や銀行など金 融株の強さが目立ち、電力や海運、不動産株も高い。

TOPIXの終値は前日比19.76ポイント(1.7%)高の1182.20、 日経平均株価は181円2銭(1.3%)高の1万4485円13銭。

東洋証券の大塚竜太ストラテジストは、前日に最高値を更新した米 国株に「先高観がある」と指摘。きょうの日本株は、先物主導の買いで 明確な理由はつかみにくいが、「売り飽き気分や先高観があるのではな いか」と話していた。日経平均で1万4500円を超えてくるには、「もっ と明確な材料が必要」と言う。

前日まで開かれた米連邦公開市場委員会(FOMC)は終了後の声 明で、景気が上向いているとの認識を示し、債券購入ペースの縮小継続 を決定。給与明細書作成代行会社のADPリサーチ・インスティテュー トの集計調査によると、4月の米民間部門の雇用者数は22万人増と5カ 月で最大の伸びだった。これを受けた4月30日の米国株は続伸し、ダウ 工業株30種平均は昨年末に付けた終値での過去最高値を更新した。

こうした流れを受けたきょうの日本株は、朝方から上昇。午前半ば に一時伸び悩んだが、前引けから午後にかけてTOPIX、日経平均と も再度上昇基調となった。SBI証券の藤本誠之シニア・マーケット・ アナリストは、米国経済は「基本堅調。だからテーパリング(量的金融 緩和の縮小)が続いている」とし、国内でもトヨタ自動車の決算に関す る一部報道を受け、「マーケット全体が安心した」と見ていた。

日銀総裁会見もフレンドリー

また、日本銀行の黒田東彦総裁は前日の会見で、金融政策について 一貫して「必要があれば、ちゅうちょなく調整をすると申し上げてい る」と述べた。前回会合後の会見(4月8日)では、追加緩和の可能性 について「現時点では考えていない」し、「必要だとは思っていない」 と発言。同9日の株価が大きく下げた経緯がある。

いちよしアセットマネジメントの秋野充成執行役員は、「日銀総裁 のコメントを見ていると、前回に比べマーケットフレンドリーになって おり、そこは評価される」としていた。

午後の相場が堅調さを増したのは、米国株に対する割安感も一因 だ。ブルームバーグ・データを見ると、米S&P500種株価指数の予想 PER16倍に対し、TOPIXは13倍。ストックス欧州600指数の14.9 倍よりも低い。年初来のパフォーマンスは、米S&P500の1.9%上昇に 対し、TOPIXはなお9%以上のマイナスとなっている。

CLSAの日本株担当ストラテジスト、ニコラス・スミス氏はこと しのTOPIXが30%上昇するとの予想を維持した。「バリュエーショ ンは低く、業績ベースの上昇が見込まれる」と指摘。東証1部上場企業 の2015年3月期の純利益は、市場予想の13%増に対し、20%増になろう とみている。

きょうのアジア市場は中国、香港が労働節、インド、インドネシア など各市場もメーデーの祝日で休場。東京市場だけが前日の米国株高を 織り込める状況で、買いが入りやすい需給事情もあった。

東証1部33業種は証券・商品先物取引、その他金融、電気・ガ ス、、海運、保険、不動産、鉱業、銀行、鉄鋼、パルプ・紙など32業種 が上昇。食料品の1業種のみ安い。売買代金上位では野村ホールディン グス、三井住友フィナンシャルグループ、セイコーエプソン、 KDDI、アイフル、富士通、村田製、大和証券グループ本社、日立製 作所、三菱地所が上昇。エプソンは、今期の営業利益計画が市場予想を 上回る上、JPモルガン証券が投資判断を上げる材料もあった。

半面、ファナック、信越化学工業、JT、コロプラ、大東建託、キ リンホールディングス、日野自動車、TOTOは下落。東証1部の売買 高は19億5552万株、売買代金は1兆8651億円。値上がり銘柄数は1506、 値下がりは225。

--取材協力:Tom Redmond.

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