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金融政策の据え置き決定、物価目標実現へ道筋順調-日銀決定会合

日本銀行は30日の金融政策決定会合 で、政策方針の現状維持を全員一致で決めた。日本経済は2%の物価安 定目標の実現に向けた道筋を順調にたどっているとして、量的・質的金 融緩和を着実に進める。

政策運営ではマネタリーベースが年約60兆-70兆円に相当するペー スで増えるよう金融市場調節を行う方針を据え置いた。黒田東彦総裁は 8日の会見で、物価目標達成について「確信を持っている」、追加緩和 は「現時点では考えてない」と話した。エコノミスト35人のブルームバ ーグ・ニュースの調査では、34人が現状維持を予想していた。

消費税率が5%から8%に上がった4月の東京都区部の消費者物価 指数(生鮮食品を除くコアCPI中旬速報)は前年比で2.7%上 昇、1992年以来の上げになった。税上げは物価を1.7ポイント押し上げ ると日銀は試算しており、これを除くと4月の上昇率は3月と同じで、 増税分がほぼ価格に転嫁されたことが分かった。

三菱UFJモルガン・スタンレー証券景気循環研究所の宮嵜浩シニ アエコノミストは「5月には、消費税率変更分を大きく上回る電気・ガ ス料金の値上げが予定されている。また、多くの消費税非課税品目が4 月を境に大幅な値上げに踏み切った点は見逃せない」と述べた。

その上で「6月以降にもさらなる電気・ガス料金の値上げや自動車 保険料、航空運賃などの値上げが相次ぐ見通しだ。消費増税後のコア CPI前年比は『しばらくの間、1%台前半で推移する』という日銀の 見通しを上回って推移する可能性がある」としている。

7月予想が最多

ブルームバーグ調査では、追加緩和予想時期は7月が15人(43%) と前回(44%)に続き最多。バークレイズ証券の森田京平チーフエコノ ミストは「消費財の『川上物価』(企業物価指数)が早くも前年比ゼ ロ%近辺まで減速したことを重視、今後CPIは加速しにくい」として 7月14、15日の決定会合での追加緩和をメーンシナリオとして維持し た。

一方で、ブルームバーグ調査では、追加緩和なしとの回答が6人 (17%)と前回の4月1回目の会合前(11%)、前々回の3月会合前 (9%)に比べ、回を重ねるごとに増えつつある。BNPパリバ証券の 河野龍太郎チーフエコノミストは今夏までに金融緩和が実施されるとの 見方に対し、引き続き懐疑的だ。

河野氏はその理由として、①日銀自身が認めるように、日本経済に スラック(需給の緩み)はほとんど残っていない②マネタリーベースの 大幅引き上げは実現可能性の観点から難しい③消費増税と円安の影響で 家計部門の実質購買力が大幅に低下しており、世論はむしろ追加緩和に 対し否定的であると見られる-ことを挙げている。

日銀は30日午後3時、半年に一度の経済・物価情勢の展望(展望リ ポート)を公表し、2016年度までの経済・物価の見通しを示す。黒田総 裁は午後3時半に定例記者会見を行う。議事要旨は5月26日に公表され る。決定会合や金融経済月報などの予定は日銀がウェブサイトで公表し ている。

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