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鉱工業生産は一転上昇、輸送機械伸び3月-増税影響ゆるやかの声

3月の鉱工業生産指数(速報値) は、市場予想通り上昇に転じた。低下していた輸送機械工業がプラスに 転じたことなどが寄与した。

生産指数は前月比0.3%上昇と2カ月ぶりのプラス。普通乗用車を はじめとする輸送機械工業や電子部品・デバイス工業が伸びた。ブルー ムバーグ・ニュースの予想中央値は0.5%上昇。大雪で自動車工場の操 業が停止した2月が予想外の低下で、その反動が出た形にもなる。

生産予測は消費税率が上がった4月が1.4%低下。電子部品・デバイ ス工業が押し下げ方向に働く。5月は0.1%上昇。指標を発表した経済 産業省は「総じてみれば生産は持ち直しの動きで推移している」との評 価を変えなかった。

SMBC日興証券の宮前耕也シニアエコノミストは、統計を受けた リポートで生産動向について、これまでの自社予想と比べて「1-3月 期の山がやや低く、4-6期の谷がやや浅い」とした上で「おおむね想 定内の数字」と述べた。

1-3月の鉱工業生産指数は前期比2.8%の上昇と5四半期連続の プラスになった。前期(2014年3月期)は前の期に比べて3.2%上昇 で、3年ぶりにプラスに転じた。生産の季節調整済み指数は3月 が101.8、2月は101.5、1月は103.9、昨年12月は100だった。

輸出が鍵

農林中金総合研究所の南武志主席研究員もリポートで、生産現場で は増税前後の駆け込みと反動減を平滑化する努力をしていたものと思わ れるとして「生産予測指数からも大幅減産という姿は見えてこない」と 語った。同時に輸出が鈍いままであれば、需要水準が元に戻らないとし て「徐々に景況感が悪化していくものと思われる」とも予想した。

増税前の駆け込み需要の反動による生産への影響については、経産 省の石塚康志経済解析室室長も2月の指数が発表された段階で、前回消 費税上げ時の97年3月から4月への落ち込み幅に比べて「比較的小さい 落ち込み幅にとどまっている」と述べていた。

ゴールドマン・サックス証券の馬場直彦チーフエコノミストは統計 を受けたリポートで「消費増税後の調整は想定内」とした上で「輸出数 量回復の遅れが最大のリスク」と予想した。輸出向け生産の伸び悩みな どで3月が市場予想や前月段階での見通しを下回った、4月も見通しを 下回る可能性が高いなどとしている。

--取材協力:氏兼敬子、日高正裕、赤間信行、下土井京子、淡路毅.

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