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東京都区部は2.7%上昇、消費者物価4月分-消費税率引き上げで

4月の東京都区部の消費者物価指数 (生鮮食品を除くコアCPI中旬速報)は、前年比での伸び率が加速し た。消費税率引き上げの影響が出ており、価格転嫁がほぼスムーズに進 んでいることが示された。

消費税率が5%から8%に上がった4月の東京コアCPIは前年比 で2.7%上昇、1992年以来の上げになった。12カ月連続の上昇で3月 は1.0%だった。税上げは物価を1.7ポイント押し上げるとの日本銀行試 算が東京コアCPIに反映された、と統計をこの日発表した総務省は見 ている。これを除くと4月の上昇率は3月と同じだった。

日銀の追加緩和の有無や時期をめぐり、4月の東京コアCPIの数 値が1つの鍵になるとエコノミストやストラテジストは見ていた。ブル ームバーグ・ニュースがまとめた予想中央値は2.8%で、実績はこれを 下回った。

SMBC日興証券の宮前耕也シニアエコノミストは、消費税の影響 を除いた東京コアCPIから4月の全国コアCPIを1.3%上昇と予 想、「当面は1%台前半で推移する見込みで、1%割れするとしても早 くて8月頃だろう」と述べた。日銀については「物価実績が1%割れと なっても、実際に追加緩和に踏み切るかは不透明だ」と予想した。

その背景としては黒田東彦総裁が2%の物価達成時期について「期 限を抽象化しつつあるようにも受け取れる」と語った。ブルームバー グ・ニュースが4月7、8日の金融政策決定会合前にエコノミスト35人 を対象に実施した調査では、追加緩和予想は7-9月が17人と全体 の47%を占め、7月が16人だった。

市場の予想

東京コアCPIについて、総務省統計局の栗原直樹物価統計室長は 記者説明で「結果的に日銀が指摘する1.7ポイント上昇幅が3月分に上 乗せされた」と述べている。

三井住友アセットマネジメントの武藤弘明シニアエコノミストは統 計発表後のリポートで「東大日次物価指数や各種報道ベースから、4月 は消費税増税の影響以上に物価が跳ね上がる可能性が高いと予想してい たが、ヘッドラインの数字を見る限りそのような動きは観測されなかっ た」と述べた。

その上で日銀のコアCPI予想(14年度1.3%上昇、15年度1.9%上 昇)について「現時点ではやはり実現が難しく消費者物価予想は、早け れば7月あたりの時点で下方修正される可能性が高い」と話した。

同時に発表された3月の全国のコアCPIは前年比で1.3%上昇 と10カ月連続のプラスになった。2月も1.3%上昇だった。予想中央値 は1.4%上昇だった。消費税率引き上げを控えて、教養娯楽用耐久財の 値上がりが続いた。

30日に日銀会合

日本銀行は8日開いた金融政策決定会合で、コアCPIは消費税率 上げの影響を除いて「しばらくの間、1%台前半で推移する」との見通 しを示した。櫛田誠希大阪支店長は17日午後、本店で会見し、消費増税 後の個人消費について「地合いは良い状況が続いている」と語った。増 税後の物価動向についても「価格転嫁は順調に進んでいる」と述べた。

日銀の黒田東彦総裁は8日の会見で、コアCPIについて「2014年 度の終わりころから15年度にかけて『物価安定の目標』である2%程度 に達する可能性が高い」と指摘。「わが国経済は潜在成長率を上回る成 長を続けており、2%の『物価安定の目標』の実現に向けた道筋を順調 にたどっている」と述べた。

日銀は30日、金融政策決定会合を開き、半年に一度の経済・物価情 勢の展望(展望リポート)を策定。新たに2016年度までのコアCPIの 見通しを示す。1月の中間評価では、14年度と15年度のコアCPI(消 費増税の影響を除く)はそれぞれ1.3%上昇、1.9%上昇との見通し(委 員の中央値)を示していた。

--取材協力:青木 勝、赤間信行.

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