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【日本株週間展望】日米金融政策見据え強含み、中国依存注意

4月5週(28日-5月2日)の日経 平均株価は、1万4000円台後半へ強含む展開となりそうだ。中央銀行の 会合で量的金融緩和策の出口を探る米国、異次元緩和を続ける日本の方 向性の違いが確認され、為替はドル高・円安方向に振れやすい。輸出関 連を中心とした国内企業の収益にはプラスに働く。

1万4000-5000円のレンジ上限突破へ「日本銀行の追加金融緩和、 1ドル=105円を抜ける円安」が必要と言うのは大和住銀投信投資顧問 のシニア・ファンドマネジャー、岩間星二氏だ。短期的に追加緩和 と105円以上の円安が進む状況にないが、日銀は「2%の物価上昇目標 が難しくなればいずれ動くとみられ、米国のテーパリング(量的緩和の 縮小)からも為替は円安になりやすい」と話す。

第4週の日経平均は、週間で0.6%安の1万4429円26銭と反落。日 米首脳会談や国内主要企業の決算発表を前に買いが見送られる中、2015 年3月期の業績計画を慎重に出した制御機器・ロボットメーカーの安川 電機が採用銘柄の下落率1位になった。環太平洋連携協定(TPP)の 日米協議が妥結に至らなかったことも売り材料だった。

第5週は米国で29、30日に連邦公開市場委員会(FOMC)、国内 では30日に日銀の金融政策決定会合が開かれる。米連邦準備制度理事会 (FRB)はことし1月から、量的緩和策での債券購入額を毎月100億 ドルずつ縮小、当初の850億ドルから3月時点で550億ドルに減らした。 寒波の影響で1-2月の米経済統計は低調だったが、FRBは粛々と減 額、3月以降の統計も立ち直りを見せており、今回のFOMCでもテー パリングの継続が予想されている。

米経済統計の実数値と事前予想の乖離(かいり)を示すシティグル ープ経済サプライズ指数は7日のマイナス45.9を底に反転、24日時点で マイナス27.1まで持ち直した。米国では30日に1-3月期の国内総生産 (GDP)、5月1日に4月の供給管理協会(ISM)製造業景況指 数、2日に雇用統計の発表がある。バリュエーション調整からハイテ ク、バイオテクノロジー株を中心に今月前半に下落傾向を強めた米国株 は、堅調な企業決算もあって落ち着きを取り戻している。

日銀展望リポート

日銀の政策決定会合では、消費税率の引き上げから間もないため、 マネタリーベースが年間で約60兆-70兆円に相当するペースで増えるよ うにする現状の量的・質的緩和策は維持されるとの見方が大勢だ。一 方、2%の物価上昇目標達成の有無を探る上で、同時に公表される「経 済・物価情勢の展望(展望リポート)」への注目は高まっている。

SMBC日興証券のシニアエコノミスト、宮前耕也氏は「成長率見 通しは13年度が下方修正、物価見通しはおおむね維持」と予測。日銀自 身が、高い物価見通しを維持することが期待インフレに影響すると考え ており、「物価見通しを大きく変更するインセンティブを持たない」と 指摘した。仮に14、15年度の物価見通しが下方修正されれば、目標期限 の「『2年』にこだわらない姿勢を示していると解釈でき、現行緩和策 を当面維持する可能性が高まろう」と言う。

国内では3月本決算企業の業績開示が本格化し、28日にパナソニッ ク、TDK、日本取引所グループ、中部電力、30日にユニ・チャーム、 JR東日本、野村ホールディングス、日東電工、商船三井、日本航空、 5月1日に住友商事などが予定している。

期初で企業が慎重な見通しを示す可能性が高く、「決算にサプライ ズはない」と大和住銀の岩間氏。業種、銘柄選別の必要性が高まる折、 昨年のパフォーマンス低調でバリュエーションに割安感がある自動車 株、賃料のボトムアウトや追加金融緩和期待から不動産株、好採算案件 の計上と労務費圧迫の一巡で利益率改善の局面に入ってきた建設株が注 目できる、と同氏は言う。

中国ビジネスにリスク表面化

一方、シティグループ証券副会長の藤田勉氏は、「日本企業の中国 ビジネスにリスクがある」とし、中国のエクスポージャーが高い企業へ の投資には慎重になるよう投資家に説明している。

中国経済の減速、シャドーバンキングや大気汚染問題の深刻化と現 地情勢への懸念が多い中、20日には商船三井の保有する鉄鉱石運搬船1 隻が浙江省の港で当局に差し押さえられた事実が判明。同国裁判所の上 海海事法院では、1930年代の契約をめぐる裁判で商船三井が賠償に応じ なかったための措置、と説明した。その後、商船三井が供託金およそ29 億円と裁判費用を支払い、鉄鉱石船は出港できたが、日中の政治的対立 が民間企業を巻き込む事態に発展している。

メリルリンチ日本証券が中国への輸出依存度の高さ、11-12年度に 中国への輸出が減少した際のデータから分析したところ、対中輸出の減 少時に悪影響が及びやすい業種は「一般機械」、鉄鋼や非鉄金属など 「原料別製品」、半導体電子部品や音響・映像機器など「電気機器」。 商船三井を含む中国との関連性が深い日経中国関連株50指数の採用銘柄 群も、他社との比較で中国リスクを背負っている。

シティG証の藤田氏は、米国は15年年央にも利上げすると読むが、 米国発でグローバル金融市場が混乱に陥るとは見ておらず、「リスクシ ナリオは中国にある」とした。

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