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商船三井の船舶差し押さえ-戦時中の損失賠償で中国裁判所

中国・上海の海事法院は、商船三井 が保有するばら積み船1隻の差し押さえ執行を命じた。日中戦争前に中 国企業が商船三井の前身企業に貸与した貨物船2隻の損失の賠償という 位置付けだ。

同海事法院がウェブサイトに掲載した資料によると、鉄鉱石を運ぶ 「バオスティール・エモーション」号(積載能力22万6434トン)が、19 日に浙江省の馬跡山港で差し押さえられた。ブルームバーグのデータに よると、2011年に建造されたこの船舶は同港に停泊していた。

今回の差し押さえ執行は、尖閣諸島をめぐる対立や日本の政治家に よる靖国神社参拝などを受けて、日中の緊張が高まっていることを映 す。3月には第2次世界大戦中の強制労働をめぐって中国人元労働者ら が日本企業2社を相手取って起こした訴えを中国の裁判所が受理するな ど、両国の緊張関係は徐々に司法の場にも広がっている。

菅義偉官房長官は21日の記者会見で、中国による船舶差し押さえ通 告は極めて遺憾だとし、商船三井とも連携して対策を検討していると述 べた。

商船三井の広報担当者、関篤氏は同日の電話取材に対して「現地か ら第一報は受けているが詳細について確認中であり、対応策についても 検討中としか現時点では言えない」と述べた。日本政府は1972年の日中 共同声明で中国が戦時賠償請求権を放棄したと主張している。

上海海事法院の発表資料によると、1988年に起こされた訴訟で法院 は2007年12月に損害賠償として約29億円の支払いを商船三井に命じた。

21日付の中国紙、環球時報によると、商船三井の前身企業は陳順通 氏という中国船主から2隻を用船したが、1937年に日中戦争が始まった 後に用船料支払いを停止し、2隻を返還しなかったという。国営新華社 通信によると、陳氏は1930年に上海で中威輪船という企業を創業、36年 に船舶をリースした。

原題:Chinese Court Seizes Japan Ore Carrier Over Ships Lost in 1930s(抜粋)

--取材協力:松田潔社.

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