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修学旅行が暗転、大学受験前の楽しみが悪夢に-韓国船沈没

ソウル近郊にある檀園(ダンウォ ン)高校の325人の生徒にとって、修学旅行は10代最後の思い出の一つ になるはずだった。来年度には厳しいことで有名な韓国の大学入試に備 えるための受験勉強という現実が待ち受けていた。

4日間の済州島への修学旅行はそうした厳しい現実を一時忘れさせ てくれるはずだった。生徒は5階建ての旅客船「セウォル号」に乗船し たが、乗客の3分の2以上が同校の生徒や教員だったため、高揚感はさ らに増した。

コ・ヒョンソクさん(16)は旅行前の数日間、済州島で着るための 洋服を買った。コさんの母親によると、友人と行く初めての旅行という ことで、コさんも同級生も興奮が高まっていたという。

ただ、ダンウォン高校の全生徒が修学旅行に乗り気というわけでは なかった。パク・チユンさんはフェリーに乗りたくなかったが、家族に 行かないと後悔すると説得されてようやく参加を決めたと、チユンさん の祖母が語った。

セウォル号は16日、転覆・沈没した。海は入水後1、2時間以内に 意識を失うほとの低温だった。乗客の死者・不明者はチユンさんを含 め302人に上る。

朴槿恵(パククネ)大統領は、錯綜する情報にいら立つ生徒の親か ら不満や怒りの声を浴びた。韓国の海難事故としては、1970年に323人 が死亡したフェリー事故以降で最悪となった。

教頭の死

生徒の1人、アン・ミンスさんは、船が傾き始めた時、甲板で友人 と遊んでいた。母親が安山の自宅からの電話で明らかにした。

アンさんは手すりにつかまったが、近くにいた教員が救命胴衣を着 て海に飛び込むよう指示したため、それに従ったと、母親に話したとい う。海に入って5分ぐらい経った後、救命ボートに救出された。

修学旅行の責任者であるカン・ミンギュ教頭や、生徒のコ・ヒョン ソクさんも救出された。生存者174人全員が沿岸部から救助に来た船に 助けられた。海洋警察はセウォル号に装着されていたはずの救命ボー ト46隻のうち、実際にどれぐらいが使用されたのか調査を続けている。

カン教頭は17日、体育館で他の教員とともに生徒の家族の前で土下 座した。その翌日、同教頭は体育館の裏で首をつっているのが発見され た。警察が同教頭の財布の中に発見した遺書には、「200人余りの生徒 が行方不明なのに自分だけ生きているのは耐えられない」と書かれてい た。

原題:Two Hours Turn Class Trip Into Shipwreck Horror for South Korea(抜粋)

--取材協力:Jungah Lee、Sharon Cho、Eunkyung Seo、Seonjin Cha、Shinhye Kang、Seyoon Kim、Rose Kim.

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