東京証券取引所に23日株式上場する 西武ホールディングス(HD)は14日、公開価格が1株当たり1600円に 決まったと発表した。仮条件(1600~1800円)の下限。株式市場の厳し い環境を反映した価格決定となった。

東証は同日、1部市場への所属が決定したと発表した。西武HDの 前身となる西武鉄道が2004年12月に有価証券報告書の虚偽記載で上場廃 止となって以来ほぼ10年での市場復帰となる。

売り出し株式数は2782万6000株で全体の約8%。株数に変更はない が、ブックビルディングの状況を反映する形で、国内売り出しを仮条件 から約1808万株に増やし、海外は約973万株に減らした。売り出しの比 率は国内市場が約65%、海外市場が約35%となった。市場からの吸収資 金は445億円が見込まれる。

株式を売り出すのは4法人で、国内向けに日本政策投資銀行と農林 中央金庫、国内、海外の双方を売り出すのは、UBS証券とシティグル ープ・キャピタルパートナーズ。今回の株式公開では公募増資による売 り出しは行わず、既存株式の売り出しのみ。当初売り出しを予定してい た筆頭株主の米投資ファンドのサーベラス・グループが計画を中止した ため、売り出し株数は当初予定のほぼ3分の1と大幅に減少した。

ただ、9日に訂正された有価証券報告書によると、サーベラスは株 式の経営介入や買い増しの意向はなく、事業計画を支持することを表明 している。このことから昨年のような経営方針などを巡り株式公開買い 付けなどの対立に発展する可能性はないもよう。

外部環境が最大要因

公開価格が1600円と当初の想定より大幅に減額されたことについ て、サンライズ・ブローカーズのアジア株の責任者を務める香港在住の ベンジャミン・コレット氏は「日本の新規株式公開(IPO)市場のセ ンチメントを反映したもの」と指摘。その上で、「低い価格での値付け を強いられた格好だが、逆に上場日には株価が上昇する可能性がある」 との見方を示した。

「外部環境は今年最悪とも言える中での条件決定になった」という のは個人投資家の動向に詳しいバリューサーチ投資顧問の松野実社長。 ただ、「西武ブランドは日本では浸透しており、信用度も高いことから 国内向けを増やしたことは正しい判断だ」とし、個人投資家の一定の買 いは織り込まれていると指摘した。

一方、IPOの動向に詳しいフィスコの小川佳紀株式アナリストは 「株式相場全体の地合いが厳しさを増すなか想定通りでサプライズはな い」という。ジャパンディスプレイや日立マクセルのIPOが公募価格 割れした影響はあると述べた。

公開価格で計算した同社の時価総額は約5474億円。14日の終値ベー スの時価総額で、私鉄事業者としては東武鉄道の5227億円を若干上回 る。私鉄事業トップの東京急行電鉄は7606億円。

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