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【今週の債券】長期金利0.6%台割れか、世界的株安で緩和圧力との見方

今週の債券市場で長期金利は約3週 間ぶりに0.6%割れを試すと予想されている。世界的な株安を受けて日 本銀行に対する追加緩和観測が強まるとの見方が背景にある。

長期金利の指標となる新発10年物国債利回りについて、ブルームバ ーグ・ニュースが11日に市場参加者3人から聞いた今週の予想レンジは 全体で0.57%-0.63%となった。0.6%割れとなれば3月24日以来とな る。前週末終値は0.605%。

前週の長期金利は終盤に水準を切り下げ、11日には一時0.60%ちょ うどまで低下した。日経平均株価が半年ぶりに1万4000円割れとなる 中、外国為替市場で円高が進んだことなどが買い手掛かり。前週末の米 国市場では株価の大幅続落を背景に、米10年国債利回りは2.60%と約1 カ月ぶり低水準まで達する場面があった。

野村証券の松沢中チーフストラテジストは、前週の市場のリスクオ フ(回避)度合いを踏まえれば、国債相場はもっと上昇して不思議では なかったと指摘。日銀が目先の追加緩和に距離を置いていることが理由 だとし、「株式相場の地合いだけが悪化する展開になりやすい。日銀よ りも政治が、株安に対する耐性は低いと思われ、政策対応に関する論議 の口火を切ると思われる」と言う。

ブルームバーグ・ニュースが エコノミスト36人を対象に行った調 査によると、日銀が7月に追加緩和に踏み切るとの予想が16人と最も多 かった。4人は次回の4月30日の日銀決定会合を予想した。

5年債と20年債の入札

15日に5年利付国債の入札が実施される。新発5年債利回りは前週 末に0.19%で取引を終えており、表面利率(クーポン)は0.2%に据え 置かれる見込み。発行額は前回債と同額の2兆7000億円程度。

17日には20年利付国債の入札が行われる。148回債と銘柄統合する リオープン発行となり、クーポンは1.5%となる見込み。発行額は前回 債と同額の1兆2000億円程度となる。

前週末に集計した市場参加者の今週の予想レンジは以下の通り。先 物は6月物、10年国債利回りは333回債。

◎JPモルガン・アセット・マネジメントの塚谷厳治債券運用部長

先物6月物144円70銭-145円40銭

10年国債利回り=0.57%-0.63%

「米国株安につれて日本株も下がりやすい。日銀に追加緩和方向へ 圧力が掛かるだろう。日銀金融政策については、当面は追加緩和を行わ ない姿勢を維持している。米国の景気が堅調ならば心配する必要はない が、最近の米企業決算の数字はそれほど強くないし、足元で株価は下落 している。5年債と20年債の入札は、現行の利回り水準であれば無難に 消化されると思う」

◎DIAMアセットマネジメントの山崎信人上席ファンドマネジャー

先物6月物144円75銭-145円25銭

10年国債利回り=0.58%-0.63%

「足元では世界的な株安が債券相場をサポートしている。新年度入 りに伴って、投資家から一定の需要も見込まれる。10年債利回り の0.5%台では戻り売りが膨らむものの、年度初めの買いが金利高を抑 制する可能性が高い。米国で景気の先行き懸念が広がっているわけでな いため、米国株が一段と下落する展開までは想定しづらい。内外で株価 がリバウンドすると、国内債は超長期ゾーン中心に売りが出てこよう」

◎クレディ・スイス証券の宮坂知宏債券調査部長

先物6月物144円75銭-145円15銭

10年国債利回り=0.59%-0.63%

「10年債利回りが0.60%を割り込む場面もありそうだ。グローバル な景気動向に株式相場が過剰反応して調整している。ただ、先行きの米 国景気を含めて悲観的になる必要はないとみている。20年債利回 り1.5%割れの水準は、生命保険の負債コストに見合わず買いづらいた め、入札に向けて調整売りが出る可能性はある。先週の30年債入札が順 調だったように、利回り水準が調整されれば投資家の買い意欲は高ま る」

--取材協力:赤間信行、池田祐美、船曳三郎 Editors: 崎浜秀磨, 山中 英典

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