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GPIFの国内株スマートベータ、他の年金が追随可能性も-S&P

世界最大の年金基金、年金積立金管 理運用独立行政法人(GPIF)が国内株式のアクティブ運用で新たに 採用した「スマートベータ」型のファンドは、他の年金基金にも広がる 可能性があると、S&Pダウ・ジョーンズ・インデックス社はみている 。

国内株22.1兆円を抱えるGPIFは国内株運用の委託先を7年ぶり に見直し、超過収益を獲得できる特定の運用指標に基づき中長期的に効 率的な利益確保を目指すスマートベータ型3ファンドを、従来型のアク ティブ運用とは別枠で取り入れた。うち、ゴールドマン・サックス・ア セット・マネジメントはS&Pダウ・ジョーンズ・インデックスが提供 する「S&P GIVI ジャパン」を用いて運用する。

S&Pダウ・ジョーンズ・インデックスの日本オフィス統括責任者 、牧野義之氏は9日のインタビューで、GPIFが4日に採用を発表し て以降、年金基金や信託銀行、投資銀行からの問い合わせが「非常に多 い」と発言。長期運用の投資家向けに自己資本利益率(ROE)など企 業価値を映す「クオリティ」に焦点を当てた新指数の開発を検討中だと 語った。

牧野氏はまた、「公的年金が一義的にやらなくてはならないのは分 散投資であり、幅広い銘柄のカバーが必要だ」と指摘。GPIFは「様 々な運用指標を組み合わせて最も目的に適した運用ができるかというチ ャレンジを始めた」と話した。一段の改革を進めるには、まず今回始め た投資手法が「今後1-2年で結果を生む必要がある」と言う。

ボラティリティを抑制

S&P GIVI ジャパンを構成する株式は約1400銘柄。東京証券 取引所1部上場の全銘柄からなるTOPIXと比べ、時価総額や売買代 金が小さい銘柄を対象外とする一方、J-REIT(不動産投資信託) を含むのが特徴だ。牧野氏は、同指数はTOPIXの「大きな問題点で ある非流動性、取引の非効率性をなくそうとしている」と説明。ウェブ サイトでは、従来の株式時価総額に代えて、企業が持つ本源的株式価値 に基づき指数の構成比率を決めるとしている。

同指数は昨年54%上昇した後、今年は3月末にかけて4.4%下落。 TOPIXは同51%上がった後に7.6%下げた。牧野氏は、ボラティリ ティ(変動率)の高い銘柄を除外するなどした結果、時価総額加重型イ ンデックスと比べ、「騰落をある程度軽減する効果を持つ」と説明。年 金の資産運用は「一定の予定利率を達成できれば、それ以上のリスクは 取る必要がない」と指摘した。

厚生年金と国民年金の積立金128.6兆円を抱えるGPIFの資産構 成比率を定めた基本ポートフォリオでは、国内債が60%、国内株が12% などとなっている。昨年末の構成比率は国内債が55.22%と06年度の設 立以降で最低となる一方、国内株は17.22%と07年12月末以来の高水準 を記録した。GPIFが注視する年金特別会計分も含めた比率では、国 内債が53.40%、国内株が16.66%だ。

スマートベータ型の委託先はゴールドマンを含む3社。野村ファン ド・リサーチ・アンド・テクノロジーは運用指標に「MSCIジャパン Small」を、野村アセットマネジメントは「野村RAFI基準イン デックス」をそれぞれ採用する。従来型アクティブ運用の運用指標はこ れまで通りで、TOPIXか「ラッセル野村」の各種指数だ。一方、T OPIXだけだったパッシブ運用では、ROEを重視したJPX日経イ ンデックス400など3指数を新たに採用した。

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