コンテンツにスキップする

西武HD:サーベラスが保有株の放出中止、事業計画は支持

西武ホールディングス(HD)の東 京証券取引所への株式上場計画で、筆頭株主の米投資ファンド、サーベ ラス・グループは予定していた保有株の放出を中止した。これで売り出 しの総株数は8000万株余りから半分以下の2782万6000株となる。

西武HDが9日に金融庁に提出した訂正臨時報告書によると、上場 の仮条件は1600円から1800円に設定された。当初の想定株価は2300円だ った。訂正有価証券報告書によると、サーベラスは「当社に対する経営 関与や当社株式のさらなる買い増しを行う意向はなく、当社の事業計画 を支持」しているという。

上限価格で決まった場合の時価総額は約6158億円となり、国内鉄道 事業者としては小田急電鉄に次ぎ、東武鉄道を上回る規模となる計算。 西武HDの前身となる西武鉄道が2004年12月に有価証券報告書の虚偽記 載で上場廃止となって以来ほぼ10年ぶりの市場復帰となる。今回は公募 増資による資金調達は行わず、既存株式の売り出しのみ実施する。

サーベラスの放出中止について「価格に納得がいかないということ だろうが、同時に西武の上場を期待している側面」もあると、新規株式 公開(IPO)に詳しいフィスコの小川佳紀アナリストはいう。「最終 的には株価が納得のいく段階で売却するとの意図が訂正有価証券報告書 から読み取れる」と述べた。

サーベラスは06年に1000億円を投入して資本参加した。当初は友好 的な関係だったが12年、鉄道の一部路線廃止やプロ野球球団の売却など の検討を求めて対立。昨年3月にサーベラスが1株当たり1400円で株式 公開買い付け(TOB)を実施したが、約3%の追加取得に留まり、目 標に届かなかった

筆頭株主

西武HDが3月19日に東証に提出した資料によると、サーベラスは 保有分のうち、全体の15.5%にあたる約5300万株を放出する予定だっ た。売り出しを中止したことにより全体に対する保有比率は35.5%にと どまり、筆頭株主の立場は変わらない。日本政策投資銀行や農林中央金 庫など、当初放出を予定していたサーベラス以外の大株主はそのまま売 り出す。

小川アナリストはサーベラスの放出中止により、株式市場からの吸 収額が減ることは「ポジティブな側面」とみている。価格も売り出し株 数も下方修正されたことから、上場による市場吸収額は最大でも当初想 定の3分の1以下の約500億円に減る計算になる。

「ネガティブな側面では、サーベラスはファンドとして時期は未定 だが大量に売り出しする株式を保有することになる」と小川氏はいう。 「株式譲渡は市場外取引も想定されるが、いずれにせよ需給の悪化要因 が残る」と述べた。

仮条件の発表延期

サーベラスの日本拠点はブルームバーグ・ニュースの電話取材に対 し、匿名でコメントする権限を持っていないと述べた。米国の広報担当 への営業時間外の問い合わせは応答を得られていない。

西武HDは当初7日に仮条件を発表する予定だったが、9日に延 期。「昨今の市場環境ならびに諸般の事情を総合的に鑑み」変更したと している。今後、市場の需要動向を調べるブックビルディング期間を経 て14日に正式な売り出し価格が決まり、23日の上場を目指す。

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中 LEARN MORE