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金持ち外国人向け高級住宅もうたくさん-ロンドン市民が怒り

シェリル・コインさんは今週、他の ロンドン市民らとともに市庁舎の前で「大金持ちのための家はもういら ない!」のシュプレヒコールを繰り返した。市庁舎の中ではボリス・ジ ョンソン市長が、香港企業ハチソン・ワンポアが最大3500戸の住宅を建 設する許可を出そうとしていた。その建設予定地の周辺住民が、海賊の 格好をして抗議に繰り出した。

教師として半分引退しているコインさん(63)は「建設されるのは 地元の人が決して買えない値段の住宅だ」と指摘。しま模様のシャツの 襟元にどくろマークのスカーフを巻いたいでたちで、「住宅を必要とし ている人が何千人も地区内にいるのに、超が付く金持ちのための家を建 てようとしている」と怒りをぶつけた。

金持ち外国人の住宅投資先として人気のロンドン。おかげで、市内 の多くの地域では住宅価格が大半の市民の手の届かない水準に高騰して しまった。今や、外国人投資家への対応に忙しくて地元を置き去りにし ているわけではないと住民に納得してもらうのが、政治家や不動産開発 会社の課題になっている。

昨年6月までの2年間にロンドン中心部で新築住宅を購入した人 の69%が外国生まれだった。28%は英国内に居住してもいない。仲介業 者のナイト・フランクが同年10月にリポートを発表した。ネーションワ イド・ビルディング・ソサエティの2日の発表によれば、ロンドンの住 宅価格は今年1-3月(第1四半期)に前年同期比で18%上昇し、2003 年以来の大幅値上がりとなった。

ロンドン市議会の住宅委員会を率いるダレン・ジョンソン議員は電 話で「あからさまに不公平なこの状況を目にしている人々の怒りが沸騰 しつつある。彼らは断固とした措置を求めている」と語った。「こうし た投機はさらに価格をつり上げるだけで、ロンドン市民に全く何の恩恵 ももたらさない」と付け加えた。

門戸閉ざさず

一部の物件を海外でだけマーケティングしていた開発会社は批判に さらされ、ロンドンでの売り込み活動に再び注力し始めた。しかし海外 投資家に対して門戸を閉ざしたわけではない。

今ロンドンで最も大規模かつ話題を呼んでいる物件の一つは、テム ズ川の南岸に建つれんが造りの元発電所「バタシー・パワー・ステーシ ョン」を再利用した集合住宅だ。ここは英ロックバンド、ピンク・フロ イドのアルバム「アニマルズ」のカバーデザインに採用されたことで知 られる。マレーシア国籍のオーナーが第1期分の866戸を1月に売り出 すと3日で完売。買い手の半分以上が外国人だった。第2期分の200戸 超は5月1日に販売開始。

開発会社バタシー・パワー・ステーション・デベロップメントのロ ブ・ティンクネル最高経営責任者(CEO)はインタビューで、全3500 戸の同プロジェクトの住宅を購入するため登録した1万3000人全員に同 社社員が電話をかけたとし、居住目的で購入する人に優先的に販売する つもりだと語った。

ハチソンの物件「コンボイズ・ワーフ」は英国王ヘンリー8世 が1514年に造船所として開発した周辺地域にある。ロンドン市当局への 届け出によれば、全体の15%に相当する525戸は市民の手の届く価格の 物件になるという。議会は50%を求めていた。

原題:Londoners Priced Out of Housing Blame Foreigners: Real Estate(抜粋)

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