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米利上げは遠い将来、イエレン議長注目の雇用指標が示す

米連邦準備制度理事会(FRB)の イエレン議長が「ダッシュボード」と呼ぶ指標整理表に並べる雇用関連 指標のうち、3分の2余りは依然としてリセッション(景気後退)前よ りも悪い数値を示している。これは金融当局による「異例の支援」が 「当面」必要との議長の考えを裏付けるものだ。

イエレン議長が注目する9つの指標のうち、非農業部門雇用者数の 伸びと解雇率の2つだけが、リセッション前の4年間の水準を回復。残 り7つの指標は失業率や労働参加率、経済悪化でパートタイム就労を余 儀なくされている労働者や職探しをあきらめた人などを含む広義の失業 率などで、2004-07年の平均にまだ戻っていない。

ドイチェ・バンク・セキュリティーズの米国担当チーフエコノミス ト、ジョセフ・ラボーニャ氏は、「失業率など多くの指標はFRBが必 要と見なす水準にはない」と指摘。政策当局は「利上げの可能性を検討 し始める前に労働市場が一段と持続可能な軌道に入ったという全般的な 認識が必要になろう」と付け加えた。ブルームバーグの集計データによ れば、ラボーニャ氏は過去2年間の失業率予測の精度が業界トップだっ た。

イエレン議長は「ダッシュボード」に並べた複数の雇用関連指標に 注目し、リセッション終了から5年近く経過しても労働市場に依然とし て相当のたるみがあると主張、金融緩和策を正当化している。議長は3 月31日のシカゴでの講演で、労働市場は不況の底当時よりもかなり改善 したものの、「健全さを取り戻していない」との認識を示していた。

長所と短所

回復が最も遅れているのは失業者に占める長期失業者の割合と労働 参加率だ。26週を超える長期失業者の割合は3分の1余りに上り、労働 参加率は約36年ぶりの低水準付近にある。

コーナーストーン・マクロのパートナー、ロベルト・ペルリ氏は 「指標はまちまちだ。このため当局は方針を堅持し」低金利を維持でき ると指摘した。

イエレン議長のダッシュボードには長所と短所がある。失業率だけ に集中せず労働市場に関するより幅広い視点をもたらす一方で、各指標 をどの程度重視するのかの重み付けを明確にしない形で新たな変数を導 入することになるため、当局の意図について投資家を惑わせる恐れもあ る。

また、これらの指標が労働市場のたるみの分量を過大評価し、金融 政策の変化に影響を受けにくい指標も含まれると懸念するミシェル・ジ ラード氏(RBSセキュリティーズ)のようなエコノミストらもいる。 3月7-12日実施のブルームバーグ調査によると、エコノミスト65人の 予想中央値で来年7-9月(第3四半期)の利上げ開始が見込まれてい る。

イエレン議長(67)は今月4日に発表される3月の米雇用統計で、 失業率と非農業部門雇用者数、広義の失業率、長期失業、労働参加率の 5つの指標の最新情報を入手する。残る4指標の入職率と解雇率、退職 率、求人率は8日発表予定の月次求人労働異動調査で判明する。

原題:Yellen Jobs Dashboard Shows Rate Rise Far on Horizon: Economy(抜粋)

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