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短観全産業DIバブル以来の水準、駆け込みで-先行き反動で悪化

日本銀行の企業短期経済観測調査 (短観3月調査)は、企業の景況感を示す業況判断指数(DI)が全産 業と非製造業でバブル期以来の水準に改善した。消費税率引き上げ前の 駆け込み需要が背景で、反動の懸念から先行きは予想以上に悪化した。

全規模・全産業と非製造業DIは昨年12月の前回からともに4ポイ ント改善のプラス12とプラス24、いずれも1991年11月以来の水準になっ た。日銀が1日発表した。大企業製造業DIはプラス17と1ポイント改 善。ブルームバーグ・ニュースの事前予想(プラス19)には届かない が、5期連続の上昇で2007年12月以来の水準になる。

消費税上げが反映される3カ月先のDIは大企業製造業がプラス 8、非製造業がプラス13。黒田東彦日銀総裁は先月の講演で日本経済は 税上げで一時的に落ち込むと語っており、景況感も悪化する。政府は経 済対策5.5兆円や予算前倒し執行で、増税後の経済を支える方針だ。

SMBC日興証券の宮前耕也シニアエコノミストは日銀短観につい てリポートで「駆け込み需要の後の反動減はやはり厳しいようだ」と述 べた。「市場予想対比で弱めの短観を受けて、財政や金融政策による対 策を求める声が強まりやすいだろう」と語っている。

先行きDIは大企業製造業・非製造業とも事前予想(プラス13とプ ラス15)以上の悪化。全規模・全産業も1に悪化する。日銀は、全国企 業1万社以上を対象にした短観を4半期に1度発表している。

2月の鉱工業生産は前月比で2.3%低下した。製造工業生産予測は 消費増税直前の3月が0.9%上昇。増税の反動が出てくる4月は0.6%の 低下。経済産業省は、前回消費税上げ時の97年3月から4月への落ち込 みに比べ今回は比較的低下が小さいと評価している。

中小企業

中小企業のDIは、製造業がプラス4と3ポイント改善し、07年6 月(プラス6)以来の水準。非製造業はプラス8と4ポイント改善 し、91年11月(プラス13)以来の高水準となった。DIは景気が「良 い」と答えた企業の割合から「悪い」と答えた割合を引いた数値。

ゴールドマン・サックス証券の馬場直彦チーフエコノミストは短観 について「消費増税の悪影響を測るうえで注目度の高かった6月先行き 見通しを中心に市場予測を上回る悪化」として「企業間で拡がりつつあ った、消費増税に関する楽観論が幾分後退した感がある」と述べた。

また特に先行きについて「利益マージンや設備投資計画などで、中 小企業は厳しい状況を想定していることが明らかとなった」と語った。 先行きDIは中小企業も製造業がマイナス6、非製造業がマイナス4に いずれも悪化する。

今回新たに集計された2014年度の大企業・全産業の設備投資計画は 前年度比0.1%増で、市場の事前予測(0.2%増)を下回った。14年度の 想定為替レートは1ドル=99.48円、上期99.38円で下期99.58円。

節目5月か

本田悦朗内閣官房参与は3月25日、ブルームバーグのインタビュー で、4月からの消費税率引き上げの影響に関して、予想インフレ率や短 観のDI、株価、為替などを見て、「ある程度先行性のある指標が落ち てきた場合は金融緩和が必要だと判断される可能性がある」と指摘。追 加緩和検討のタイミングとして「5月中下旬が節目になる」と述べた。

同じ内閣官房参与の浜田宏一米エール大名誉教授も3月14日のブル ームバーグ・ニュースのインタビューで、追加緩和のタイミングについ て「連休明けくらいでだいたい消費税率引き上げがどれくらい負担にな るかだんだんわかってくると思うので、それが深刻な場合は5月中にや らなければならない」と述べた。

今回の短観の回答期間は2月24日-3月31日。調査対象企業は1 万483社で回答率は99.1%。短観発表直後の円相場は1ドル=103円22銭 付近で取引されている。

日銀は今回の短観にあわせ、全国短観の全ての調査企業を対象に 「販売価格」(現在の水準と比べた変化率)と「物価全般」(前年比変 化率)について、「1年後」、「3年後」、「5年後」の3つの見通し 期間を対象とする調査を実施。その結果を2日午前8時50分に公表す る。

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