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FRB議長:労働市場のたるみ、刺激策継続の必要性示す

イエレン米連邦準備制度理事会 (FRB)議長は、金融当局の景気刺激策が「当面」必要になるだろう と述べた。従来の予想より利上げ時期が早まるのではないかとする投資 家の懸念を和らげた。

イエレン議長は31日、シカゴで講演。米当局が政策金利を5年以上 にわたって事実上ゼロで据え置き、債券購入策を通じFRBのバランス シートを4兆2300億ドル(約436兆円)規模に拡大させたものの、失業 対策はまだ十分でないとの認識を示した。

議長は「異例のコミットメントはまだ必要であり、この先も当面必 要だろう。これは他の米金融当局者と広く共有している見解だと確信し ている」と発言。「グレート・リセッション(大不況)の傷痕がまだ残 っており、目標達成には時間がかかるだろう」と述べ、職探しに苦戦す る労働者の具体例を挙げながら、緩和策の継続を表明した。

議長発言は米景気を促進して1050万人の失業者の就労を支援する FRBの方針を強調するものだと市場で受け止められ、株式相場は上昇 した。3月19日の記者会見では、債券購入プログラムの終了から半年程 度で利上げに踏み切る可能性を示唆したのが嫌気され、株価は下落して いた。議長はこの日の講演では利上げ時期について言及しなかった。

ジェフリーズのチーフ・ファイナンシャル・エコノミスト、ウォー ド・マッカーシー氏は「間接的な抵抗だ」と分析。「イエレン議長は前 回金融政策会合後の記者会見で述べた内容に反する発言は直接できない だろう。従って次善の策として、当局が非常に長期にわたって緩和策を 継続するという見通しを描いた」と述べた。

相当のたるみ

イエレン議長は、フルタイムではなくパートタイムの職に甘んじる 労働者が多いほか、伸び悩む賃金や低い労働参加率、失業期間の長期化 について、「経済や労働市場に依然として相当のたるみがある」ことを 示していると指摘した。

スタンダードチャータードのエコノミスト、トーマス・コスターグ 氏は31日の講演について、イエレン議長が労働市場のたるみに焦点を絞 り、経済成長や記録的緩和に伴うリスクなど「タカ派の話題」に言及し なかったため、雇用押し上げに向けて緩和策を推進する意向が明らかに なったと指摘。6カ月発言をはっきりと撤回したり失言だったとは明言 せずに、緩和策が当面必要である点を強調したと分析した。

米連邦公開市場委員会(FOMC)は過去3回の会合で月間の資産 購入額を縮小し、現在は550億ドルとしている。当初は850億ドルだっ た。

イエレン議長は「新規証券購入のペース減速という最近の当局の措 置は、コミットメントの低下ではない。最近の労働市場の改善を考慮 し、景気回復支援を早急に拡大させる必要がないと判断したにすぎな い」と言明した。

原題:Yellen Says Job-Market Slack Shows Need for Further Fed Support(抜粋)

--取材協力:Kim Chipman、Peter Cook.

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