鉱工業生産は予想外の低下、大雪で2月-増税前後は「平準化」に

2月の鉱工業生産指数(速報値)は 事前予想に反して低下した。大雪による操業停止で自動車を含む輸送機 械工業の落ち込みが大きかった。

生産指数は前月比で2.3%低下と3カ月ぶりにマイナスに転じた。 輸送機械の5.8%減の影響が大きい。ブルームバーグ・ニュースの予想 中央値は0.3%上昇、1月は3.8%上昇だった。指標を発表した経済産業 省は「生産は持ち直しの動きで推移」との評価を維持している。

製造工業生産予測は消費増税直前の3月が0.9%上昇。1カ月前の 調査ではマイナスだったが、携帯電話やコンピュータを含む情報通信機 械工業が寄与してプラスに転じる。増税の反動が出てくる4月は0.6% 低下で、一転して情報通信機械が引き下げ方向に響く。

SMBC日興証券(金融経済調査部)の宮前耕也シニアエコノミス トは、生産のピークが1月に前倒しとなった点は想定外としながら「増 税後の落ち込みは現時点で緩やかだ」と述べた。2月の想定外の減産の 一部が3月に回り、増税後の大幅マイナスを警戒していた4月も小幅に とどまるとして「今のところ生産水準は平準化されている」と語った。

2月は東京でも14日に18センチ、15日に27センチの積雪があり、東 名高速道路や中央自動車道では雪の影響のため、一部区間で通行止めに なった。トヨタ自動車やホンダは部品の調達に影響が出たため、一部工 場で稼働を一時停止した。8日にも東京23区で13年ぶりに大雪警報が出 されていた。

早めの生産調整

日本政策投資銀行の田中賢治経済調査室長は2月の生産落ち込みに ついてリポートで、大雪の影響だけではないとして増税後の需要減を見 据えて「早めに生産調整開始という企業行動が透けて見える」と語っ た。その上で「消費税の影響で生産が乱高下しないように、早めの生産 調整が2月に既に始まったようだ」とも述べた。

増税前の駆け込み需要の反動による生産への影響について、経産省 の石塚康志経済解析室室長も、前回消費税上げ時の97年3月から4月へ の落ち込み幅に比べて今回の予測指数は「比較的小さい落ち込み幅にと どまっている」と述べた。

鉱工業生産発表を受けた午前の東京株式市場ではTOPIXが昨年 4月以来の6日続伸、日経平均も4日続伸した。米国の個人消費の改善 や為替の円安を受け、輸送用機器など輸出関連株の一角、保険や銀行な ど金融関連株や非鉄金属などの素材株を中心に幅広く上昇した。

モルガン・スタンレーMUFG証券の山口毅エコノミストは指標発 表前のリポートで2月の生産指数を0.9%上昇と予想、消費税上げ前の 駆け込み需要で押し上げられたとしながら「一部業種では既に駆け込み 対応の増産のピークが過ぎたことが示される見込み」と述べていた。

--取材協力:下土井京子、日高正裕.

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