ヘッジファンドのセンベスト、79%リターンの秘訣は振り子理論

リチャード・マシャール氏とブライ アン・ゴニック氏は両氏のヘッジファンド、センベスト・パートナーズ に大胆な目標を設定している。1-3年内に株価が2倍か3倍になる銘 柄に投資するというものだ。

2013年にはこの戦略が奏功し、ファンドの上位20保有銘柄中7銘柄 が100%以上の値上がりとなった。ブルームバーグ・マーケッツ誌5月 号が報じている。これらの銘柄のおかげで、この5億5000万ドル (約570億円)規模のロング・ショート戦略ファンドは13年にプラ ス79.4%の成績を残し、ブルームバーグ・マーケッツの中規模ファンド 番付でトップになった。

センベストのデータによれば同ファンドは設定以来13年12月まで の17年間、平均でプラス20.6%の年間リターンを挙げている。上は09年 のプラス229%、下は08年のマイナス54%と浮き沈みはあった。

今日のセベンストは逆転劇を見せてくれる銘柄を発掘するのが仕事 だが、その原点は万引き防止のための技術にさかのぼる。米センサーマ ティック・エレクトロニクスが1960年代半ばに小売業者のために開発し た電子式の商品盗難防止タグ。このカナダでのライセンスをマシャール 氏の父のビクター・マシャール氏が取得。同氏は1972年に持ち株会社の センベスト・キャピタル(モントリオール)の株式を公開した。

センベストはその後センサーマティックのライセンスを同社に売り 戻したが、20年にわたってプライベートエクイティ(PE、未公開株) 投資を続けた。1989年に入社した2代目マシャール氏は軸足を公開株に 移した。

振り子の原理

マシャール氏(48)によれば、その理由は公開株は流動性が高く割 安だからだ。未公開株は入札で価格がつり上がり、割高になりやすい。 一方、公開株は人気の低下や誤解、不十分な情報浸透などで実際よりも 割安になることがある。

そこでマシャール氏は1997年にセンベスト・パートナーズを設立し た。「ファンド設定の当初から、とにかく自分たちの金でやっているの だというのが大前提だった」と同氏は話す。ファンドのゼネラルパート ナーであるリマ・センベスト・マネジメント(ニューヨーク)とその系 列会社は合わせて10億ドルを運用しているが、その約60%はマシャール 一族の資金だ。

センベストの運用者らはマシャール氏が「振り子」になぞらえる動 きに注目する。優良企業が何らかの理由で投資家の人気を失っても、 1、2年の間に株価は回復する。「100%回復しなくてもいい。中立の ところまで回復しただけで、ファンドとしては十分に利益が出る」と同 氏は話した。

金融危機は好機

2008年の金融危機を抜け出たセンベストは、底値に近い企業を探し た。「金融サービスと不動産と保険」の不況であることは明らかだった ので、「これらの分野で投資先を探した」とマシャール氏は言う。早い 時期にはバンク・オブ・アメリカ(BOA)やシティグループの関連企 業が発行するトラスト型優先証券に注目したという。その後市場が回復 するに伴い、住宅市況の回復で利益の出る銘柄を探した。住宅建築株は 業績の先を行く値上がりとなっていたため、住宅ローン保証会社に目を 付けたという。

センベストは住宅ローン保証会社のラディアン・グループ株を購 入。ゴニック氏によれば最も安い取得価額は2ドルだった。同社株は13 年に131%上昇し12月31日は14.12ドルで終了した。

原題:Senvest Partners Hedge Fund Gains 79% With Wagers on Comebacks(抜粋)

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