世界経済に新たな脅威、ウクライナ危機で既知の未知が増殖

ラムズフェルド元米国防長官が「既 知の未知」と称した「知らないと分かっている問題」が増殖し、世界経 済成長に新たな脅威を突き付けている。

アリアンツのモハメド・エラリアン氏やデシジョン・エコノミクス のアレン・サイナイ氏、モルガン・スタンレーのヨアヒム・フェルズ氏 らエコノミストは今年の経済成長の加速を予想しているものの、ウクラ イナなどでの地政学的緊張を受けて見通しにより慎重になりつつある。

ニューヨークのコンサルティング会社デシジョン・エコノミクスの 最高経営責任者(CEO)を務めるサイナイ氏は「世界経済に相当のテ ールリスクが広がっている」と指摘。ウクライナをめぐるロシアと欧米 諸国との緊張の高まりが世界的なリセッション(景気後退)につながる 確率を10%と予想する。

金融市場が立ち向かわねばならない懸念はクリミア危機だけではな い。既知の未知の非常に長いリストには一部新興国での選挙があり、3 月30日のトルコ統一地方選挙から始まる。また、シリア内線やイランの 核問題をめぐる協議もあり、東欧をめぐる米ロの対立が複雑になる恐れ がある。

こうした中で世界の投資家は警戒態勢を敷く。バンク・オブ・アメ リカ(BOA)メリルリンチが今月7-13日にファンドマネジャー241 人を対象に実施した調査によると、ポートフォリオのキャッシュ比率 は2012年7月以来の高水準となっている。

国際秩序が試されているとのオバマ米大統領の発言を受け、ウクラ イナ情勢が悪化するとの懸念から米国株式相場は過去2日間、下落し た。各国の中央銀行総裁と財務相は4月11-13日にワシントンで開かれ る国際通貨基金(IMF)と世界銀行の春季会合で経済への影響を議論 する。

下振れリスク

アリアンツの主任経済顧問を務めるエラリアン氏は電子メールで、 世界経済が今年上向くとの見通しを堅持していると述べた上で、これま でとの変化は、成長が加速しない確率が高まった点だと説明した。

モルガン・スタンレーのフェルズ氏らは3月16日のリポートで、今 年の3.4%成長見通しに関するリスクは総じて下向きだと分析。こうし たリスクは新興国に集中しており、同社エコノミストらは新興国の今年 の成長率を5%から4.7%に下方修正した理由として選挙に伴う「不安 定感」を挙げている。

原題:Global Growth at Risk as Ukraine Strains Add to Known Unknowns(抜粋)

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