【日本株週間展望】堅調、先進国最下位から再起-増税は警戒

4月1週(3月31日-4月4日)の 日経平均株価は、1万4000円台後半で堅調に推移しそうだ。期末特有の 需給悪化要因が消え、先進国市場の中で1-3月をワーストパフォーマ ーで終える日本株の割安性、企業業績モメンタムの優位性が見直され る。一方、消費税増税後の国内景気の減速には警戒感が強い。

証券ジャパンの調査情報部長、大谷正之氏は「ウクライナや中国の 問題は何ら解決していないが、日本株は相当の悪材料を織り込んだ」と 指摘。米国主導の景気改善が確認されてくれば、「落ち着いて上値を買 う動きが出てこよう。4月下旬には国内決算発表が始まり、業績期待も 高まる」と新年度入り後の相場を展望する。

3月最終週(24-28日)の日経平均は前の週に比べ3.3%高の1 万4696円3銭と3週ぶりに反発。19日の連邦公開市場委員会 (FOMC)をきっかけに米国の利上げ前倒し観測が広がった後も、米 長期金利や為替、新興国市場は安定推移した。市場参加者のリスク回避 姿勢が和らぎ、年度末を前にした国内外機関投資家の決算対策売りも一 巡するなど、需給環境は改善方向にある。

ブルームバーグ・データによると、28日時点の日経平均の年初来騰 落率はマイナス9.8%。米国や欧州主要国、香港、オーストラリアなど を含む先進国24市場の中で最も下落率が大きい。2013年のトップパフォ ーマーだった反動に加え、盛り上がったアベノミクスへの期待感も一巡 し、中国やアルゼンチンなど新興国経済への懸念、ウクライナの緊張な ど海外発の悪材料が重なる中、昨年1年間で日本株を過去最大の15兆円 強買い越した海外投資家は売り姿勢を強めた。1月から3月3週までの 海外勢の売越額は約2兆円に及ぶ。

預かり資産が4兆円を超すスイスのプライベートバンク、ロンバー オディエは「アベノミクス、本番はこれから」と題した投資戦略リポー トで、消費税率引き上げでアベノミクスがこれまでに達成した成果の盤 石さが試され、次の構造改革へと急いで駒を進める必要があることが明 らかになると分析。14年はアベノミクスの存在価値が最終的に試される とし、昨年よりも慎重な投資スタンスを推奨している。

17年ぶりの消費税増税

一方、年初来の調整で日経平均の予想PERは20日に14倍を割れ、 アベノミクス相場が始まる12年11月の水準にまで下がった。これまでの 円安、デフレ脱却期待の広がりで国内企業の収益は着実に改善し、日経 平均採用企業の向こう12カ月の1株利益成長率は12.4%。債務危機から の立ち直りで3割を超す英、独など欧州には届かないが、米S&P500 種株価指数の8.9%を上回る。その欧州はウクライナをめぐるロシアと の対立で、エネルギー調達面でリスクを抱えた。

国内では4月1日から17年ぶりに消費税率が変更され、8%に上が る。1-3月は百貨店、家電量販店が増税前の駆け込みでにぎわった半 面、4月以降の反動減は必至で、街角の景況感を示す景気ウオッチャー 調査の2月の期待指数は40と前月の49から悪化。下落幅は東日本大震災 時を除けば、2000年の調査開始以来で最大だった。第一生命経済研究所 の試算では、今回の税率引き上げの負担額は8兆円以上、4人家族の平 均的家計では年間およそ9万円の負担増になる。

三菱UFJモルガン・スタンレー証券のチーフストラテジスト、芳 賀沼千里氏は「4-5月には消費税引き上げが日本株の下押し要因とな るリスク」に言及。ただ、3%から5%に上がった前回1997年との投資 環境の比較では「違いが多い」としている。当時は景気回復が5年目に 入り、設備投資が循環的なピークに達していたほか、家計や事業会社の 過剰債務を背景に日本で金融危機が顕在化した。

しかし今回は、09年の世界的な景気後退や11年の震災などから慎重 だった企業の投資姿勢は回復途上にあり、「景気悪化が長期化する可能 性は低い」と芳賀沼氏はみる。消費税増税が14年度の日本経済の成長率 を1%押し下げるものの、経済対策と減税で0.7%押し上げられ、実際 の下押し分は0.3%程度というのが第一生命経研の予想だ。

日銀短観、米雇用統計

4月1週は、日米で重要な経済統計の発表が多い。1日には日本銀 行の企業短期経済観測調査(短観、3月調査)があり、米国で供給管理 協会(ISM)の製造業景況指数が予定されている。4日には、3月の 米雇用統計も控える。

バークレイズ証券では、大企業製造業の業況判断(DI)はプラ ス16と、昨年12月調査から横ばいを予想。先行きDIは大企業製造業、 非製造業ともにプラス9で、前回からそれぞれ7、11ポイントの悪化を 見込む。チーフエコノミストの森田京平氏は、「消費増税後の反動減が 反映されるだろう。その際、悪化度合いは小売などを含む非製造業で相 対的に大きくなる」とした。今回初めて示される14年度の設備投資計画 も、大企業・全産業ベースで前年度比マイナス0.5%を予測。ただ、昨 年3月調査のマイナス2%からは改善基調が示されるもようだ。

予想通り短観が低調な内容になった場合でも、次週7、8日に金融 政策決定会合を控え、「日銀がすぐに動くとは思えないが、追加緩和期 待が高まりやすい」と証券ジャパンの大谷氏は言う。

米雇用統計は、ブルームバーグがまとめた市場予想で非農業部門雇 用者数が前月比19万人増と、2月の17万5000人増から伸びがやや拡大す る見込み。豪AMPキャピタルの投資戦略ヘッド、シェーン・オリバー 氏は米国の早期利上げ観測の浮上に「それほど気をもんでいない」と し、米金利の上昇は来年以降と予測。「その頃までには投資家の状態も 良くなり、利上げに対し十分な心積りができている」とみる。

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