ヤフー:株価5カ月ぶり下落率、通信参入「割高感」懐疑的

国内ポータルサイト最大手のヤフー の株価が28日、一時昨年10月以来の下落率となった。同社は27日、通信 会社イー・アクセスの株式をソフトバンクから現金3240億円で取得、通 信事業への参入を発表したが、一部アナリストは収益性に懐疑的だ。

ヤフーは27日の発表資料によると、イー・アクセス株の99.68% (議決権比率33.29%)を6月2日に取得する。イー・アクセスは携帯 電話会社ウィルコムと合併予定で、ヤフー傘下に入った後、社名を「ワ イモバイル」とする。ヤフーはソフトバンクの子会社で、イー・アクセ スはソフトバンクの子会社から孫会社になる。ヤフー株は28日、一時前 日比11%安となり、昨年10月8日以来の日中下落率となったあと、 同6.4%安の514円で取引を終了した。

スマートフォン(スマホ)やタブレット端末の普及は、ソニーや任 天堂などさまざまな企業に戦略の対応を迫っている。ヤフーも2012年に 経営の執行体制を刷新し、同分野でのサービス拡充と収益の拡大に取り 組んでおり、昨年10月には電子商取引最大手の楽天に対抗するためスト ア出店無料化を打ち出すなどしている。

「スマホは潜在成長はあるが、ソフトバンク、KDDIなど強い競 合の中で高い利益を生み出せるか」は不透明だと、SMBC日興証券の 前田栄二アナリストは28日の電話インタビューで述べた。「ヤフーは既 存事業でも加速していて、ヤフーショッピングの無料化などで成長に乗 れるはず」という。

インターネットキャリア

ヤフーの宮坂学社長は27日の会見で「新会社はネットサービスが主 で、音声が従になる」として、新たな事業の形態を「インターネットキ ャリア」と紹介した。新会社の契約者数は現在の2倍の2000万人以上を 目指しているという。宮坂氏は新会社の社長になり、会長にはイー・ア クセス社長のエリック・ガン氏が就任予定。

宮坂氏は、1人あたりの所有端末が20年には6台以上になること や、携帯電話への支出が2000年から13年までに3倍以上に増加している データを紹介。新会社が販売する端末にアプリやサービスをあらかじめ 入れておくことで電子商取引の取り扱いを増やせるとした。

クレディ・スイスの中安祐貴アナリストは、新事業の有利子負 債2400億円を含めた買収価値は5600億円となり、EBITDA(利払 い・税金・減価償却・償却控除前利益)の800億円強からすると「割高 感は否めない」と28日付のリポートで述べた。通信キャリアの平均は EBITDAの4-6倍だという。ヤフー新事業のEBITDA倍率は 7倍の計算だ。また「ソフトバンクとの協業ではなく自社でインフラを 持つ正当な理由が現時点では見えない」と指摘した。

ヤフーの最高財務責任者、大矢俊樹氏は27日の会見で、新事業効果 で15年3月期に売上高で3200億円、営業利益で100億円の増加を見込む と述べた。

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