しごきで悪名の学生団体、JPモルガンが取引断る-OBも心配

米銀JPモルガン・チェースは今 月、ある重要顧客の投資口座の管理を打ち切った。この顧客は米国で最 大のフラタニティ(男子学生社交クラブ)の一つであるシグマ・アルフ ァ・エプシロン(SAE)に属する慈善財団だ。

JPモルガンはSAEの悪評に懸念を抱いたと、同行で財団との取 引を担当してきたバイスプレジデントのアンソニー・アルベリコ氏が明 らかにした。SAEは2006年以降、暴飲や薬物、しごきによる死者10人 を出しており、これはどのフラタニティよりも多い。

卒業生で今はSAEを管理するトップのブラッドリー・コーエン氏 は、「JPモルガンがわれわれとの取引を断るなら、次は誰から断れる か分からない。大学もSAEを受け入れなくなったらどうすればよいの か」と話す。

JPモルガンの決定はコーエン氏(51)が既に出していた結論の正 しさを裏付けた。JPモルガが正式にSAEとの取引を打ち切ったのと 同じ日(今月7日)に、コーエン氏はSAEをSAEたらしめる伝統の 一つを廃止すると宣言した。「プレッジング(誓いの儀式)」と呼ばれ る新入メンバーの通過儀礼だ。これは数カ月にわたる激しい「しごき」 となる場合がある。この宣言はコーエン氏を全米で有名にした一方、著 名投資家のブーン・ピケンズ氏ら卒業生の批判を呼んだ。全米レベルの フラタニティは75あるが、プレッジングを廃止しているのはわずかだ。

「これ以上どれだけの間、重要なものを失い続けることができるの か。失われるのは命であり、入団しながら失望して去っていくメンバー からの信頼であり貴重なリソースであり、リーダーかつ真のジェントル マンとしてのわれわれの評判だ」とコーエン氏は今月、ラバーン大学で の講演でフラタニティの同胞たちに訴えた。

JPモルガンばかりでなく保険のロイズ・オブ・ロンドンも契約解 消をほのめかし、SAEに改善を迫っていた。しかし、9カ月前に SAEのナショナル・プレジデントに就任した同氏が重大な決断をした 背景には、家族への心配もあった。高校1年生の息子のデボン君は大学 生になったらSAEに入ろうと決めている。「しごきで心に傷を負って ほしくない。SAEに入りたい一心で先輩の言いなりに何でもしような どと思ってほしくない」と同氏は話した。

原題:Fraternity Chief Feared for Son as Hazings Spurred JPMorgan Snub(抜粋)

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