トヨタ:3600億円上限に自己株取得へ、消却も-希薄化を回避

業績好調のトヨタ自動車は3600億円 を上限に自己株を取得すると26日に発表した。自己株を提供して財団を 設立することに伴う株式価値の希薄化を回避し、機動的な資本政策を実 行するため。また、自己株の消却も実施する。アナリストからは、株主 還元策として評価する声が出ている。

発表資料によると、トヨタは設立する財団に対し、活動原資に活用 するため、3000万株の自己株を提供する。一方、自己株を6000万株、発 行済み株総数(自己株を除く)の1.89%を上限に取得する。また、株式 価値の希薄化の懸念を軽減するため、3000万株の自己株を消却する(消 却前の発行済み株総数の0.87%)。これら自己株の処分は株主総会の承 認が条件となっている。

トヨタの自己株処分について、クレディ・スイス証券の秋田昌洋ア ナリストらはリポートで、今期(14年3月期)予想の配当支払い額6017 億円(配当性向30%)と合わせ株主還元性向は40%に相当するとし、中 長期的にも株価を押し上げる材料になるとの見方を示した。メリルリン チ日本証券の二本柳慶アナリストはリポートで、自己株消却の株価への 直接的な影響は軽微としながらも、株主還元策を強化するというメッセ ージが込められていると評価した。

トヨタが設立するのは一般財団法人「トヨタ・モビリティ基金」。 より良いモビリティ社会構築に向けた民間非営利団体(NPO)や研究 機関などの取り組みを助成する。助成規模は年間30億-45億円程度を想 定し、8月末の登記を目指して設立準備を開始する。代表理事にはトヨ タの豊田章男社長が就任する。

財団の運営資金については、トヨタが保有自己株の一部を提供し、 その株式配当を活動原資とすることで、株主総会に諮る。一方、自己株 の取得期間は6月開催予定の株主総会終了後から2015年3月26日まで。 自己株の消却予定日は6月30日。

拡大する手元資金

トヨタの今期純利益は前期比でほぼ倍増の1兆9000億円の予想で、 過去最高となる見通し。2月4日の決算発表では、円安進行などを受け て今期業績予想を上方修正した。昨年末時点の流動資産で、現金と同等 物、定期預金は計2兆520億円、有価証券も加えると3兆5731億円にな る。好調な業績を背景に、これらの総額は昨年3月末に比べ、3000億円 余り増えている。

トヨタ株は27日、前日比0.7%高の5660円で取引を開始した。その 後は前日終値を挟んだ動きとなっている。

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