3月24日の海外株式・債券・為替・商品市場

欧米市場の株式、債券、為替、商品相場は次 の通り。

◎NY外為:ユーロが上昇、ウクライナの緊張は激化しないとの見方

ニューヨーク外国為替市場では、ユーロがドルに対し2週間余りで 最大の上げ。テクニカル要因からユーロ買いが発動したとみられてい る。またウクライナをめぐる緊張が軍事行動にエスカレートするとの懸 念が和らいだことも、ユーロの買いにつながった。

円はユーロに対して下落。消費税増税の影響を軽減するために日本 銀行が緩和策を拡大するとの見方が広がった。オーストラリア・ドルは 主要16通貨全て対して値上がり。ユーロはドルに対し一時2週ぶり安値 に近づく場面もあった。ドイツの製造業活動を示す指数の低下が手掛か りとなった。為替相場のボラティリティを測る指数は1年3カ月ぶり低 水準となった。

チャプデレーン(ニューヨーク)の為替責任者、ダグラス・ボース ウィック氏は「対ドルでのユーロ買いへの関心は続いている」とし、 「制裁発表は政治劇であり、実際の効力はあまりないという考えに市場 は慣れつつある。ロシアは軍事衝突なしにクリミアを併合するとの見方 が強まりつつある」と述べた。

ユーロは対ドルで一時前週末比0.6%高の1ユーロ=1.3876ドル と、日中ベースでは6日以来の大幅な上昇率となった。ニューヨーク時 間午後5時現在は0.3%高の1.3839ドル。この日は1.3760ドルまで下げ る場面もあった。

ユーロは対円では0.3%高の1ユーロ=141円48銭。円は対ドルでほ ぼ変わらずの1ドル=102円24銭。

ボラティリティ低下

主要9通貨の組み合わせの3カ月物インプライドボラティリティ (IV、予想変動率)に基づくドイツ銀行の通貨ボラティリティ指数 は11ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低下の7.02%と、2012 年12月17日以来の低水準。過去1年間の平均は8.58%。

マークイット・エコノミクスが発表した3月のドイツの製造業購買 担当者指数(PMI)は53.8と、前月の54.8から低下した。ブルームバ ーグがまとめたエコノミスト予想は54.5だった。これを手掛かりにユー ロは一時下落した。この日はまた、フランスの製造業活動を示す指数 が2011年6月以来の高水準に上昇したことに反応して、ユーロが上昇す る場面もあった。

マークイットによれば、ユーロ圏の3月の製造業景気指数は53.0と 前月の53.2から低下した。

ソシエテ・ジェネラルのシニア為替ストラテジスト、セバスチャ ン・ゲーリー氏(ニューヨーク在勤)は「ストップロス(損切り)の発 動が相次いだ」と述べた。

日銀政策と円

豪ドルは対米ドルで0.6%高の1豪ドル=0.9130米ドル。一 時0.9150米ドルと、昨年12月11日以来の高値を付けた。対円では0.5% 上げて93円37銭。一時93円56銭と、3月10日以来の高値を付けた。

円は豪ドルに対し一時2週間ぶり安値を付けた。日銀が消費税増税 の影響を軽減するため緩和策を拡大するとの見方が広がった。

日銀の岩田規久男副総裁は24日の講演で、日本経済の最大の問題は デフレだとし、デフレは円高要因になると述べた。また6日には参院予 算委員会での答弁で、2%物価目標の実現がダメになれば必ず調整する と語った。

原題:Euro Advances Amid Bets Ukraine Tension Contained; Aussie Climbs(抜粋)

◎米国株:下落、製造業景気指数の低下やロシアの懸念が手掛かり

24日の米国株は続落。米製造業景気指数が前月から低下したほか、 複数の金融機関がロシアはリセッション(景気後退)に突入するとの見 方を示したことが手掛かり。

医薬品開発の米アレクション・ファーマシューティカルズは6.3% 下落。ナスダック・バイオテクノロジー株指数は3%下げた。ナスダッ ク100指数で年初からの上昇率で上位の電気自動車のテスラ・モーター ズとソーシャル・ネットワーク・サービス(SNS)最大手フェイスブ ックは下落。同指数は2月以来の低水準となった。オンライン映像配信 を手掛けるネットフリックスも安い。アップルとコムキャストがストリ ーミングを活用したテレビサービスに向けて提携を協議中との報道が売 り材料となった。

S&P500種株価指数は前営業日比0.5%安の1857.44ポイント。ダ ウ工業株30種平均は26.08ドル(0.2%)下げて16276.69ドル。

ミューチュアル・ファンド・ストアのクリス・ボウファード最高投 資責任者(CIO)は、「予想通りの変動ではあるが、気がかりな展開 だ。堅調だった分野で突然の不信感が生じるとなおさらだ」と述べた。

米製造業景況指数

英マークイット・エコノミクスが発表した3月の米製造業景気指数 (速報値)は55.5と、前月の57.1から低下した。同指数は50が活動拡 大・縮小の分かれ目。3月の数字は2013年1月以降で2番目に高い水準 だった。

欧州連合(EU)と米国の制裁でロシアはリセッション(景気後 退)に追い込まれつつある。

国営VTBキャピタルなどの銀行によれば、ロシアによるクリミア 編入に対する制裁で市場は動揺、投資は抑制され、借り入れコストは上 昇しており、同国経済は少なくとも2四半期は縮小する見通し。対ロシ ア制裁はこれまでのところ個人の査証(ビザ)発給禁止や資産凍結に重 点が置かれているが、経済の特定分野を標的とする形で強化される可能 性がある。

主要7カ国(G7)首脳は24日、ウクライナ問題をめぐりオラン ダ・ハーグで緊急会議を開き、ロシアへの新たな制裁措置として、ロシ アのソチでの主要8カ国(G8)会議の代わりに6月にブリュッセルで G7サミットを開くことを決めた。ロシアがウクライナとの国境で軍備 を強化しつつあるとの懸念が高まっている。

シカゴ・オプション取引所(CBOE)のボラティリティ指数 (VIX)はこの日0.6%上昇して15.09。先週のVIXは16%低下と、 2月以来で最大の下げとなった。

ナスダック100指数

ナスダック100指数は1%下げて3617.39。2月10日以来の低水準だ った。テスラは3.8%下落。同社はナスダック100指数銘柄の中で年初来 から前週末までの株価パフォーマンスが52%高と最高だった。

フェイスブックは4.7%下落。年初から前営業日までの株価上昇率 は23%と、ナスダック100指数の中では7番目に高いパフォーマンスだ った。

ネットフリックスは6.7%下落。米紙ウォールストリート・ジャー ナル(WSJ)が事情に詳しい複数の匿名関係者の話として報じたとこ ろによると、コムキャストはアップルのセットトップボックスに送信さ れる動画コンテンツ向けのケーブルに対して優先アクセスを提供するこ とを協議した。アップルは1.2%上昇した。

原題:U.S. Stocks Drop on Slowing Factory Data as Biotech Shares Slump(抜粋)

◎米国債:5-30年債の利回り差、2009年以降で最小-早期利上げ観測

米国債市場では5年債と30年債の利回り差が2009年以降で最小とな った。景気回復につれ、連邦公開市場委員会(FOMC)が予想より早 く量的緩和を終了し利上げに踏み切るとの思惑が背景にある。

5年債利回りは1月以来の高水準に上昇した後、上昇幅を縮小し た。オバマ米大統領と西側諸国の首脳はクリミアを併合したロシアを主 要8カ国(G8)から除外することで一致した。朝方はシカゴ連銀の全 米活動指数が予想を上回ったため、米国債は下落した。財務省は今週、 総額1090億ドルの通常国債および変動利付国債を発行する。そのう ち、25日の2年債入札の規模は320億ドル。

CIBCワールド・マーケッツのマネジングディレクター兼米国債 トレーディング責任者、トム・トゥッチ氏(ニューヨーク在勤)は「利 回り曲線は2つの市場の話を反映している。短期債はFOMCの引き締 めを懸念しており、長期債は緩やかな成長とインフレなき状況に対応し ている。FOMCは市場に対し、次の行動は緩和ではなく引き締めだと 伝え、市場はこの新たな現実に向けて持ち高を修正している」と語っ た。

ブルームバーグ・ボンド・トレーダーによれば、ニューヨーク時間 午後5時現在、5年債利回りは前営業日比2ベーシスポイント(bp、 1bp=0.01%)上昇の1.73%。一時は1.77%と1月9日以来の高水準 を付けた。同年債(表面利率1.5%、2019年2月償還)価格は3/32下げ て98 29/32。

30年債利回りは5bp低下の3.56%。10年債利回りは1bp下げ て2.73%。

5-30年債の利回り差

5年債への30年債の上乗せ利回りは一時1.83ポイントと、09年10月 以来で最小に縮小した。過去5年の平均は2.23ポイント。

ブルームバーグ/EFFAS指数によると、残存期間が1年を超え る米国債の投資収益は今月に入ってマイナス0.5%と、26カ所のソブリ ン債市場で最悪となっている。

イエレン連邦準備制度理事会(FRB)議長が19日に債券購入の終 了後6カ月前後で利上げを始める可能性を示唆したため、米国債市場で は利回りが全て上昇。特に2年債利回りは8bpと、6月以来の大幅な 上昇となった。

GMPセキュリティーズのストラテジスト、エイドリアン・ミラー 氏は「予想よりも早い利上げを見込んだ取引が増えている。特に5年債 と30年債で利回り曲線が著しくフラット化している。FOMCのタカ派 色が強まっているとの見方が再び強まっていることを反映している」と 述べた。

利上げ確率高まる

先物取引の動向によると、FOMCが来年1月までに政策金利 を0.5%以上に引き上げる確率は約19%。1カ月前は11%だった。

2月のシカゴ連銀の全米活動指数は0.14に上昇。ブルームバーグが まとめた予想は0.1%だった。1月はマイナス0.45に修正された。

G7首脳はロシアへの新たな制裁措置として、ロシアのソチでのG 8会議の代わりに6月にブリュッセルでG7サミットを開くことを決め た。

RWプレスプリッチの政府債取引担当マネジングディレクター、ラ リー・ミルスタイン氏(ニューヨーク在勤)は「クリミアだけにとどま らなくなることが懸念される。安全な逃避先を求める買いが米国債相場 の支援材料となり、入札も後押しするだろう」と述べた。

原題:Treasury 5-to-30-Year Yield Curve Least Since 2009 on Rates View(抜粋)

◎NY金:反落、13週間ぶり大幅安-米金利上昇の見通しで

ニューヨーク金先物相場は反落。13週間ぶりの大幅安となった。米 金利上昇の見通しを背景に価値保存手段としての金買いが後退した。

ビジョン・ファイナンシャル・マーケッツ(シカゴ)の金属取引担 当ディレクター、デービッド・メーガー氏は電話インタビューで、「金 利上昇の環境下では、人々は金を選好しない」と指摘。「クリミアをめ ぐる懸念は残るものの、安全逃避先資産を買い求める理由になるような 衝突激化は起きていない」と述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)COMEX部門の金先物6 月限は前週末比1.9%安の1オンス=1311.10ドルで終了。昨年12月19日 以来の大幅下落となった。一時は1308.40ドルと、中心限月としては先 月20日以来の安値をつけた。

原題:Gold Falls Most in 13 Weeks as Palladium Rises to 31-Month High(抜粋)

◎NY原油:小幅続伸、ヒューストン運河閉鎖で生産障害を警戒

ニューヨーク原油相場は小幅続伸。ヒューストン運河の閉鎖に伴い メキシコ湾岸の製油所で操業に支障が生じる恐れがあるとの懸念から買 いが入った。同運河は22日の事故で燃料漏れが起こり、閉鎖されてい る。

エナジー・アナリティクス・グループのディレクター、トム・フィ ンロン氏は「閉鎖は湾岸の製油所への原油輸送に影響するだろう。原油 相場を押し上げ、クッシングの在庫はさらに減少するだろう」と述べ た。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物5月限は前営業 日比14セント上昇し1バレル=99.60ドル。

原題:WTI Crude Advances on Houston Ship Channel Closing; Brent Slips(抜粋)

◎欧州株:2週ぶり大幅安、ウクライナ情勢を警戒-製造業指数も注目

24日の欧州株式相場は下落。西側諸国の首脳らがロシア制裁を強化 すると表明したほか、中国やドイツ、米国の製造業活動を示す指標がい ずれも低下したことが手掛かり。指標のストックス欧州600指数は先 週、週ベースで約1カ月ぶりの大幅高となっていた。

オランダの電話会社ロイヤルKPNは4.2%安。同銘柄の投資判断 をシティグループが引き下げた。ドイツの製薬会社スタダ・アルツナイ ミッテルは15%の大幅安。2014年の業績見通しを下方修正した。一方、 チェコの公益事業会社CEZは5.1%上昇した。

ストックス欧州600指数は前週末比1.1%安の324.39で終了。これは 7日以来の大幅下落。ロシアのプーチン大統領がクリミア以外の地域を 編入させるつもりはないと発言したことを手掛かりに、同指数は前週 は1.8%上げていた。

スイス・ロック・アセット・マネジメント(チューリヒ)のファン ドマネジャー、マルティン・シュラッター氏は「クリミア危機に加え、 中国経済の問題顕在化で投資家らは神経質となっており、株式相場が上 昇し続けるには一段と力強い数字の発表が重要だった」と発言。「ロシ アと西側諸国の対立は全く望ましくない」とも語った。

英HSBCホールディングスとマークイット・エコノミクスがこの 日発表した3月の中国製造業購買担当者指数(PMI)速報値は48.1。 ブルームバーグ・ニュースがまとめた市場関係者22人の予想中央値 (48.7)を下回った。2月改定値は48.5。同指数は50を下回ると製造業 活動の縮小を示す。

ロシアがクリミア編入手続き完了後もウクライナとの国境付近で兵 力増強を進めていることへの警戒が強まる中、オバマ米大統領ら主要7 カ国(G7)首脳はこの日のハーグでの会議で、追加対応策を協議す る。ウクライナは同日、国境地帯への兵力配備を強化したと発表した。

24日の西欧市場ではアイスランドを除く17カ国で主要株価指数が下 落。仏CAC40指数は1.4%、独DAX指数は1.7%それぞれ下げた。英 FTSE100指数は0.6%安。

原題:European Stocks Fall Most in Two Weeks on Ukraine, Manufacturing(抜粋)

◎欧州債:ポルトガル債7日続伸、市場復帰の楽観で-ドイツ債も上昇

24日の欧州債市場ではポルトガル10年債が7営業日続伸。同国はあ と2カ月足らずで780億ユーロの救済下から脱却の公算で、調達市場へ のアクセスを完全に取り戻すとの楽観が高まっている。

10年債利回りは2010年以来の低水準まで下げた。この日発表された 経済指標でユーロ圏のサービス業と製造業を合わせた3月の経済活動 が11年以来の高水準近くとなったことを背景に、域内の景気回復が軌道 に乗っている兆候が強まった。これを受けてギリシャ債も買われた。フ ランスの製造業が予想に反して拡大に転じたこともこの日分かった。ド イツ国債も値上がりした。

DZ銀行(フランクフルト)のアナリスト、クリスティアン・レン ク氏は「ポルトガルの救済プログラム脱却公算日が近づくにつれ、この トレンドはしっかりしてくるだろう」とし、「10年債利回りが4%を下 回ることも十分見込める。朝方発表された景気指数はまちまちで、フラ ンスは予想を大きく上回った。これはユーロ圏にとっては良い兆候だ」 と語った。

ロンドン時間午後5時現在、ポルトガル10年債利回りは前週末比6 ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低下の4.21%。一時 は4.15%と、10年3月以来の低水準を付けた。同国債(表面利 率5.65%、2024年2月償還)価格は0.465上げ111.45。

ギリシャ10年債利回りは19bp下げ6.72%。6日には10年5月以降 で最低の6.62%まで下げた。

英マークイット・エコノミクスがこの日発表した3月のユーロ圏総 合景気指数(速報値)は53.2と、前月の53.3を若干下回った。ブルーム バーグがまとめたエコノミスト26人の予想中央値と一致した。フランス の製造業景気指数は51.9と、2月の49.7から上昇し、11年6月以来の高 水準に達した。両指数は50が活動拡大・縮小の分かれ目。

ドイツ10年債利回りは5bp低下し1.58%となった。

原題:Portuguese Bonds Rise Amid Debt-Market Optimism as Bunds Rally(抜粋)

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