ドル・円は102円台前半、日米金融政策の方向性の違いで底堅い

東京外国為替市場では、ドル・円相 場が1ドル=102円台前半を中心に底堅く推移。米国が量的緩和からの 出口政策を進めている一方、日本は消費増税後の景気減速懸念を背景に 追加緩和観測が根強く、ドル買い・円売り圧力がかかりやすくなってい る。

ドル・円相場は早朝に102円09銭を付けた後に下げ渋り、一時は102 円57銭と、19日以来の高値を付けた。午後3時35分現在は102円45銭付 近で取引されている。

大和証券の亀岡裕次チーフ為替ストラテジストは、米国の指標が堅 調で、米連邦公開市場委員会(FOMC)後に金利が上昇する一方、 「日本銀行は金融緩和を続けていくという見通しが支配的」だとし、 「米国側の要因でドルが上昇している」と説明している。

日銀の岩田規久男副総裁はこの日の午後、北九州市で講演し、日本 経済の最大の問題はデフレだとした上で、デフレは円高要因になるとの 見方を示した。21日には、黒田東彦総裁がロンドンで講演し、日本経済 が活力を取り戻し、持続的な成長を遂げるために、2%のインフレ目標 を達成する必要があるとの考えを示していた。

ウエストパック銀行のシニア通貨ストラテジスト、ショーン・キャ ロー氏は、日銀による追加緩和は確実と言う見方で市場は一致している と指摘。その上で、ドル・円相場については、基本的に数週間ベースで 「押し目買い」のスタンスに傾いていると言う。

ウクライナ情勢

ロシアのプーチン大統領は21日、黒海沿岸のクリミアとセバストポ リをウクライナからロシアに編入させる手続きを完了させる法に署名し た。ウクライナのトゥルチノフ大統領代行は同日、クリミアのロシア編 入を認めず、ウクライナ本土におけるロシア軍展開も許さないと強調し ている。

これに対し、ブリュッセルでは、欧州連合(EU)がウクライナと の関係強化に向け連合協定の政治協力に関する部分に署名。EUはロシ ア制裁も強化し、冷戦終結以降で最悪のロシアと西側諸国との対立がさ らに先鋭化している。そうした中、オランダのハーグで24日から開かれ る主要7カ国(G7)「核セキュリティサミット」では、ウクライナ問 題も協議される見通しとなっている。

大和証の亀岡氏は、ロシアに対する欧米側の制裁は、「世界経済に 強く影響の出るような措置は控えると考えられる」と指摘。ただ、追加 制裁が限定的という見方が多い中で、可能性は低いものの、制裁内容で サプライズが出れば、ドル・円相場が102円を割り込む可能性も残ると 見る。

この日の米国時間には、英マークイット・エコノミクスが3月の米 製造業景気指数を発表する。ブルームバーグ・ニュースがまとめた市場 予想によると、56.5と、前月の57.1から低下が見込まれている。

みずほ銀行国際為替部の唐鎌大輔マーケット・エコノミストは、先 週のイエレン米連邦準備制度理事会(FRB)議長のタカ派発言がある 以上、「どうしてもドル・円には先高観がある」としている。

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