【今週の債券】長期金利0.5%台の下限探る、年度末最後の買いとの声

今週の債券市場で長期金利は0.5% 台で低下余地を探る展開が予想されている。主要な国債入札がないこと で需給が引き締まり、金利低下圧力が掛かりやすいためだ。金利先安感 を背景に2013年度末最後の買いが入るとの声も聞かれている。

長期金利の指標となる新発10年物国債利回りについて、ブルームバ ーグ・ニュースが20日に市場参加者3人から聞いた今週の予想レンジは 全体で0.57%-0.63%となった。前週は0.595%で取引を終えた。

前週の長期金利は終盤に0.6%台割れまで水準を切り下げた。日本 銀行が19日実施した長期国債買い入れオペで超長期ゾーンの需給改善が 示されると0.605%まで低下。20日には需給の良さに加えて、国内株価 の下落などを受けて0.595%と4日以来の低水準に達した。前週末の米 国債市場で10年国債利回りは2.7%台後半から同前半に下げており、週 初の国内債相場のサポート要因となる見込み。

みずほ銀行資金証券部の新井厚志次長は、米国の利上げ前倒し観測 で海外市場は不安定な状況が続く可能性があるとしながらも、「円債に 関しては売り材料より買い材料に反応しやすい状況。投資家の動きが残 っているとすれば益出しの売りより残高を積み上げる買い」だと言う。

今週は25日に既発国債を追加発行する流動性供給入札が予定されて いる。今回の対象は10年物と20年物。発行額は前回と同額の3000億円程 度。4月からは1回の入札当たりの発行額が3500億円に増額される。

27日には2年利付国債の入札(4月発行)が実施される。表面利率 (クーポン)は前回債と横ばいの0.1%となる見込み。4月債となるた め、発行額は財務省が昨年末に発表した2014年度の国債発行計画に伴 い、従来より2000億円減額の2兆7000億円程度となる。

デリバティブ市場の統合

日本取引所グループは24日に日経平均先物や長期国債先物、オプシ ョンなどのデリバティブ(金融派生商品)市場を統合する。これまで東 京証券取引所と大阪証券取引所にあったデリバティブの取引を大証に集 約。これに伴い、午後11時半までだった国債先物の夜間取引の終了時間 は翌日の午前3時まで延長される。4月7日からは2002年9月に休止し た超長期国債(20年物)の先物取引が再開する予定だ。

前週20日に集計した市場参加者の今週の予想レンジは以下の通り。 先物は6月物、10年国債利回りは333回債。

◎パインブリッジ・インベストメンツの松川忠債券運用部長

先物6月物144円75銭-145円20銭

10年国債利回り=0.57%-0.62%

「景気見通しが良くないため金利は上昇しない。中国の成長鈍化や 需要減少から商品市況はインフレからデフレに転じつつある。欧米もイ ンフレ率が低下する状況。日銀の長期国債買い入れオペで超長期ゾーン の減額があるかが焦点。1700億円のままなら月末に向けて金利低下方 向、減少となれば超長期債への不安が出てくる。今週は流動性供給と2 年債の入札しかなく、供給面でネガティブな材料はない」

◎みずほ銀行資金証券部の新井厚志次長

先物6月物144円70銭-145円30銭

10年国債利回り=0.57%-0.63%

「超長期ゾーンを中心に期末に向けた最後の買いが優勢になりそう だ。米10年金利は昨年3%まで上昇した時に比べると織り込みは緩やか で、実際に量的緩和が終了してみれば半年後の利上げは妥当な距離感に なっている可能性もある。それも米国経済が3%近い成長率で初めて描 けるパス。足元の景気減速が本当に天候要因だけなのか、一番の懸念材 料である中国経済の影響も含めて確認していく必要がある」

◎みずほ信託銀行の吉野剛仁チーフファンドマネジャー

先物6月物144円80銭-145円20銭

10年国債利回り=0.59%-0.63%

「外部環境面からは売りづらさが残るものの、金利水準を考えると 買いも限定される可能性が高い。日本では4月の消費増税に伴い駆け込 み需要の反動が予想されるほか、ベアについては一部の大企業が中心で あるため、今後の実質購買力にネガティブな状況。また、中国では今後 の成長率鈍化の懸念がくすぶり、理財商品のデフォルト(債務不履行) リスクも意識されそう」

--取材協力:赤間信行、池田祐美、船曳三郎

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