FRB議長の利上げ判断、QE終了後6カ月よりインフレが鍵

イエレン連邦準備制度理事会 (FRB)議長が19日に初回利上げの時期を示唆したことに市場は驚い たが同時に、投資家は議長が述べた重大な警告を見逃した可能性があ る。つまり利上げはインフレ次第ということだ。

イエレン議長は、就任後初となった米連邦公開市場委員会 (FOMC)後の記者会見で、量的緩和(QE)と利上げ開始まで「6 カ月程度」との見通しを述べた。これに反応し、19日の米国債利回りは 急伸した。ただし議長は同時に、利上げの決定は「状況次第だ」と注意 を促した。

ジョンズ・ホプキンス大学のジョナサン・ライト教授(経済学) は、「市場参加者は条件部分について十分に留意していない」と述べ、 「インフレが当局の予想通りに上昇しなければ、利上げは先送りされる 根拠となるだろう」と続けた。

FOMCが発表した予測(中央値)によると、政策決定の議論に参 加した金融当局者はフェデラルファンド(FF)金利誘導目標を2015年 末時点で1%と見込んでいることが分かった。これは昨年12月時点の予 想から上方修正された。

金利見通しの変動に敏感な2年債利回りは19日に最大10ベーシスポ イント(bp、1bp=0.01%)急伸した。

イエレン議長は記者会見でFOMC予測の深読みをけん制した上 で、インフレ見通しが政策金利の決定に影響すると言明した。

低金利を維持する根拠

議長は「インフレ目標に比べ実際の数値が下方に著しくかい離した り、あるいは長期にわたって目標を下回る水準で推移する場合には、政 策金利をより長期にわたって据え置く十分な根拠となる」と発言した。

個人消費支出(PCE)価格指数は1月に前年同月比で1.2%上 昇。2012年3月以降、同指数が当局の目標値である2%を超えたことは ない。FOMC予測(中央傾向)によると、今年末のPCE価格指数 は1.5-1.6%上昇、来年末が1.5-2%上昇となっている。

ニューヨーク大学のマーク・ガートラー教授(経済学)は、米当局 の金利見通しは「経済統計の内容次第だ」と指摘、「当局が入手する経 済統計が政策金利決定に影響を及ぼす可能性がある。イエレン議長はイ ンフレ低下は予測していない。むしろ経済に関する新たな情報が当局の 計画をどのように左右し得るかを述べている」と続けた。

原題:Low Inflation Gives Yellen Room to Retreat From Key Rate Outlook(抜粋)

--取材協力:Joseph Ciolli、Liz Capo McCormick.

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