3月20日の海外株式・債券・為替・商品市場

欧米市場の株式、債券、為替、商品相場は 次の通り。

◎NY外為:ドルが対ユーロで2週ぶり高値、金利見通しで

20日のニューヨーク外国為替市場ではドルが対ユーロで2週間ぶり の高値に上昇。米金融当局が来年半ばまでに利上げに踏み切ると示唆し たことが影響した。

ドルは主要16通貨のうち14通貨に対して上昇。米連邦公開市場委員 会(FOMC)は政策金利見通しを上方修正。イエレン連邦準備制度理 事会(FRB)議長はFOMC会合後の記者会見で量的緩和(QE)と 利上げ開始まで「相当な期間」を予想していると述べ、この期間は「6 カ月程度の可能性がある」と述べた。この日の米2年債利回りは1月以 来の最高に上昇した。

BNPパリバの北米為替戦略責任者、ダニエル・カッツァイブ氏 は、「ドルはもっと底堅く推移する可能性が高い」と述べ、「今週の FOMC発表を受けて市場参加者は、初回利上げのタイミングについて 再考せざるを得なくなった。これが償還期限の短い国債の利回りを押し 上げ、ドルにとっての支援材料となった」と続けた。

ニューヨーク時間午後5時現在、ドルは対ユーロで0.4%高の1ユ ーロ=1.3779ドル。一時は1.3749ドルと、3月6日以来の高値をつけ た。前日は0.7%高だった。ドルは対円で0.1%上昇して1ドル=102 円39銭。円は対ユーロで0.3%上昇して1ユーロ=141円07銭。

ユーロ、円見通し

ブルームバーグがまとめたアナリスト予想によると、ユーロは対ド ルで年末までに1ユーロ=1.31ドルに下落する。円は対ドルで2008年8 月以来となる1ドル=110円が予想されている。

先進10カ国の通貨で構成されるブルームバーグ相関加重通貨指数に よると、ドルは過去6カ月間で0.8%上昇。円は2.5%安。一方、ユーロ は2.9%上昇した。

FOMCは18-19日に開催した定例会合後に声明を発表し、政策金 利を事実上のゼロから引き上げることを決定する際は幅広くデータを考 慮すると表明、失業率6.5%という利上げ検討の目安を撤廃した。

FOMCが発表した予測(中央値)によると、政策決定の議論に参 加した金融当局者はフェデラルファンド(FF)金利誘導目標を2015年 末時点で1%、16年末は2.25%と見込んでいることが分かった。昨年12 月時点のFOMC参加者の予測中央値によると、15年末時点のFF金利 は0.75%、16年末は1.75%だった。

FOMCは債券購入額を月550億ドルに減額し、「資産購入のペー スを慎重ながらも一段と落とすことを決定した」と発表した。FOMC 会合前にブルームバーグが実施したエコノミスト調査によると、資産購 入プログラムは10月に終了すると予想されている。

ブルームバーグ・ドル・スポット指数

ブルームバーグ・ドル・スポット指数は0.1%上昇して1021.54。一 時は2月13日以来の最高となる1023.65に上昇した。前日は昨年8月以 来で最大となる0.8%高となった。

シティグループの欧州G10通貨戦略責任者、ワレンチン・マリノフ 氏は「FOMCの声明と予測は予想外にタカ派的な要素が含まれてい た」と述べた。

ロシア・ルーブルは下落。米国による対ロシアの制裁強化が影響し た。ルーブルはロシア中央銀行の通貨バスケットに対し0.5%下落。

原題:Dollar Reaches Strongest in Two Weeks Against Euro; Real Climbs(抜粋)

◎米国株:反発、経済指標を好感-利上げ懸念を振り払う

米株式相場は反発。米景気先行指数やフィラデルフィア連銀製造業 景況指数をきっかけに景気への楽観が強まり、来年半ばに利上げが始ま るとの懸念を振り払った格好。

マイクロソフトは2.7%高。モルガン・スタンレーはマイクロソフ トがアップルのタブレット端末「iPad(アイパッド)」向けに「O ffice(オフィス)」ソフトウエアを投入することで年間12億ドル の売り上げ増につながる可能性を指摘した。AT&Tを筆頭に通信サー ビス株も値上がり。一方、衣料品メーカーのゲスは安い。同社が示した 通期の利益見通しはアナリスト予想に届かなかった。

S&P500種株価指数は前日比0.6%高の1872.01ポイント。ダウ工 業株30種平均は108.88ドル(0.7%)上昇の16331.05ドル。両指数とも に前日の下げをほぼ埋めた。

バンヤン・パートナーズのチーフ市場ストラテジスト、ロバート・ パブリク氏(ニューヨーク在勤)は「イエレン米連邦準備制度理事会 (FRB)議長の前日の記者会見での発言に対する解釈が深まり、市場 は冷静になっている」と指摘。「前日の市場の動きは過剰反応で、きょ うは基本的にきのうの下落分をすべて取り戻している。加えて、朝方の 経済指標には若干の改善が見られた」と述べた。

イエレン議長は債券購入プログラムは今秋にも終了する可能性があ り、その6カ月後にも政策金利を引き上げる可能性があるとの認識を示 した。

金利予測

FOMCが発表した予測(中央値)によると、フェデラルファンド (FF)金利誘導目標が2015年末時点で少なくとも1%、16年末 は2.25%に上昇すると予想する当局者が増えた。FOMCは月額の債券 購入を100億ドル縮小し、550億ドルとすることも決めた。

2月の米景気先行指標総合指数(LEI)は市場予想を上回る伸び となった。先週の米新規失業保険申請件数は約4カ月ぶりの低水準近く にとどまった。

フィラデルフィア連銀が発表した3月の同地区製造業景況指数は9 と、前月のマイナス6.3から上昇した。ブルームバーグ・ニュースがま とめたエコノミスト予想の中央値は3.2だった。一方、2月の米中古住 宅販売は前月から減少し、2012年7月以来の低水準となった。

S&P500種の業種別10指数中9指数が上昇。通信サービスや金融 株の上げが目立った。AT&Tは3.4%高と、昨年1月以来の大幅上 昇。

KBW銀行指数は2.2%高。引け後にFRBが公表したストレステ スト(健全性審査)の結果によると、対象となった大手30行のうち29行 が配当を続けながらも深刻なリセッション(景気後退)を乗り越えるだ けの資本を保有していると判断された。FRBが示した主要な自己資本 の目安の一つに達しなかったのは、ザイオンズ・バンコープだけだっ た。

JPモルガンやマイクロソフトが高い

JPモルガン・チェースは3.1%高の60.11ドルで通常取引を終了。 終値では2000年以来の高値となった。ザイオンズは引け後のニューヨー ク時間午後4時39分現在で0.8%安。

マイクロソフトは2.7%高。サトヤ・ナデラ最高経営責任者 (CEO)は来週のイベントで、アップルの「iPad(アイパッ ド)」に対応する事務用ソフトウエア「Office(オフィス)」の 新製品などを発表する見通し。

ゲスは3.4%安。同社は通期の利益について1株当たり1.40-1.60 ドルになるとの見通しを示した。アナリストの予想平均は同2.03ドルだ った。

原題:U.S. Stocks Gain as Economic Data Overshadow Rate-Rise Concerns(抜粋)

◎米国債:10年-30年債の利回り格差縮小、利上げ見通しで

米国債市場では10年債と30年債の利回り格差が2010年以降で最小と なった。経済の成長ペースが緩やかな一方で、金融当局が予想より速い ペースで政策金利を引き上げる可能性を示唆したことが背景にある。

10年債と10年物TIPSの利回り格差が1カ月で最小となる中、米 財務省が実施した10年物インフレ連動債(TIPS)の入札(発行 額130億ドル、銘柄統合)では需要が平均を下回った。2年債は続落。 前日は米連邦準備制度理事会(FRB)のイエレン議長が、来年半ばご ろに政策金利の引き上げを開始する可能性があると示唆したことを受け て大幅安となっていた。10年債は今週下げ、先週の上昇分をほぼ全て消 した。

大和証券キャピタル・マーケッツ・アメリカの債券部門責任者、レ イ・レミー氏(ニューヨーク在勤)は「インフレは低く、当局は市場の 予想よりも早期に利上げする可能性があると示唆している」とし、「こ れは全般的に見て30年債にはプラスだ。今回の声明が最初の利上げ時期 を早めたと考えるのであれば、30年債のパフォーマンスは10年債を上回 る」と続けた。

ブルームバーグ・ボンド・トレーダーによれば、ニューヨーク時間 午後5時現在、10年債利回りはほぼ変わらずの2.77%。前日は10ベーシ スポイント(bp、1bp=0.01%)上げていた。同年債(表面利 率2.75%、2024年2月償還)価格はこの日99 26/32。

利回り格差

30年債利回りは1bp上げて3.66%。2年債利回りはほぼ変わらず の0.42%。前日は7bp上昇と、11年以降で最大の上げとなっていた。 5年債利回りはほぼ変わらずの1.7%。前日は1.75%と、1月10日以来 の高水準を付けた。

10年債と30年債の利回り格差は一時85.6bpまで縮小。これは10年 5月以降で最小となる。

CIBCワールド・マーケッツのマネジングディレクター兼米国債 トレーディング責任者、トム・トゥッチ氏(ニューヨーク在勤)は「30 年債は金融政策に反応して動くことはない」とし、「30年債を動かすの はインフレや経済成長、需要だ。他の年限については、フェデラルファ ンド(FF)金利と当局の政策の複合的な材料に反応する。きのうの発 表は30年債よりも10年債に影響があった」と述べた。

当局が注目する前年同月比でのインフレ指標は2年近く目標である 2%を下回っている。1月は1.2%にとどまった。

経済情勢

連邦公開市場委員会(FOMC)は声明で、「経済活動はこの冬の 数カ月、悪天候の影響もあり減速したことが示唆された」とした上で、 「より広範な経済は労働市場での継続した状況改善を支えるのに十分な 底堅さを持ち合わせていると判断している」とも指摘した。

米労働省が発表した先週の新規失業保険申請件数(季節調整済み) は32万件と、前週から5000件増加した。ブルームバーグ・ニュースがま とめたエコノミスト予想の中央値は32万2000件だった。より変動の少な い4週移動平均は32万7000件で、昨年11月遅く以来の低水準だった。

FTNファイナンシャル(テネシー州メンフィス)の機関債調査責 任者、ジム・ボーゲル氏は「経済情勢の改善と金融当局による一層の引 き締めが予想される環境では、フラットニングが進む」と述べた。

原題:Treasury 10-to-30-Year Curve Narrowest Since 2010 on Fed Outlook(抜粋)

◎NY金:4日続落、FOMC受け米金利上昇の見通し強まる

ニューヨーク金先物相場は4日続落し、4日間の下げとしては昨 年11月以降で最大となった。前日の米連邦公開市場委員会(FOMC) を受けて、金利上昇見通しが強まった。イエレン連邦準備制度理事会 (FRB)議長は債券購入プログラムは今秋にも終了する可能性があ り、その6カ月後にも政策金利を引き上げる可能性があるとの認識を示 した。

アーチャー・フィナンシャル・サービシズのシニア市場ストラテジ スト、アダム・クロフェンシュタイン氏(シカゴ在勤)は電話インタビ ューで「金を保有する理由の見直しが進んでいる」と指摘。「金は安全 な逃避資産の資格をなくした」と述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)COMEX部門の金先物4 月限は前日比0.8%安の1オンス=1330.50ドルで終了した。ここ4日間 では3.5%安。4日続落は昨年11月以来の最長。

原題:Gold’s Biggest Slump in Four Months Underscores Goldman Forecast(抜粋)

◎NY原油:3日ぶり反落、ドル上昇や在庫増加に反応

ニューヨーク原油相場は反落。ドル上昇や米国での在庫が9週連続 で増加したことを手がかりに、3日ぶりに下げた。

トラディション・エナジー(コネティカット州スタンフォード)の アナリスト兼ブローカー、ジーン・マクギリアン氏は「ドルは連邦公開 市場委員会(FOMC)の声明に反応しており、ようやく原油に売り圧 力が及んでいる」と指摘。また「市場は有り余るほどの在庫が存在する という事実にあらためて注目しつつある」と加えた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物4月限は前日 比94セント(0.9%)安の1バレル=99.43ドルで終了した。4月限はこ の日が最終取引。事実上の中心限月である5月限は27セント下げて1バ レル=98.90ドル。

原題:WTI Crude Declines as Dollar Strengthens on Fed; Brent Advances(抜粋)

◎欧州株:総じて下落-イエレンFRB議長が来年半ばの利上げを示唆

20日の欧州株式相場は総じて下落。イエレン米連邦準備制度理事会 (FRB)議長が前日、債券購入プログラムを年末までに終了させてか ら「6カ月前後」で利上げを実施する可能性があるとの認識を示し、こ れが材料視された。

英製薬会社グラクソ・スミスクラインは1.6%安。同社の治験中の 肺がん治療薬が臨床研究で目標通りの効果を示さなかった。ドイツの防 衛関連企業ラインメタルは4カ月ぶりの大幅安。ウクライナ危機を理由 に、ロシアでの事業案件の執行をドイツ政府から止められた。一方、ミ ュンヘン再保険は1.3%上昇。自社株買い戻し計画が好感された。

ストックス欧州600指数は327.67で終了。前日比では0.1%未満の上 げとなった。騰落比率は約1対2。米緩和縮小の開始やウクライナをめ ぐるロシアと米国の対立を受け、同指数は年初来で0.2%下げている。 昨年までは年ベースで2年連続上昇していた。

バンクハウス・ランプの株式アナリスト、ライフ・ツィマーマン氏 は電子メールで、「市場にとって好ましくないサプライズは、米当局が 現時点で投資家よりタカ派的なことだ」とし、「投資家の現在の感覚や 期待以上に、米当局は利上げに前向きかつ積極的なようだ。この新たな 不透明感がボラティリティや相場の下押しリスクを生じさせる」と記述 した。

20日の西欧市場では18カ国中11カ国で主要株価指数が下落。独 DAX指数は0.2%、仏CAC40指数は0.5%それぞれ上げた。英 FTSE100指数は0.5%値下がり。

原題:Most European Stocks Drop on Yellen’s Remarks on Interest Rates(抜粋)

◎欧州債:総じて下落-FRB議長が来年半ばの利上げを示唆

20日の欧州債相場は総じて下落。イエレン米連邦準備制度理事会 (FRB)議長が来年半ばまでに利上げする可能性を示したことを背景 に、世界的な債券安となった。

ドイツ国債は5営業日続落。イエレン議長は19日、債券購入プログ ラムを年末までに終了させてから「6カ月前後」で利上げを実施する可 能性を示唆した。スペイン5年債入札では落札利回りが過去最低となっ たものの上昇要因とはならず、同国国債はイタリア国債とともに下げ た。フランス10年債利回りは1週間ぶりの高水準となった。同国は80億 ユーロ相当の国債入札を実施した。

ソシエテ・ジェネラルのグローバル金利・外為戦略責任者、バンサ ン・シェニョー氏(パリ在勤)は「米国債が相場を左右しており、こう した状態が続くだろう」と発言。「典型的な相関取引だが、かなり行き 過ぎている」とし、欧州債の利回り上昇は「かなり意外だ」と続けた。

ロンドン時間午後4時13分現在、ドイツ10年債利回りは前日比4ベ ーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇の1.64%と、先月28日以 来の大きな上げとなった。同国債(表面利率1.75%、2024年2月償還) 価格は0.395下げ100.975。5年債利回りは6bp上昇し0.70%。

英10年債利回りは7bp上げ2.77%。同年限のスペイン国債利回り は3bp上昇の3.37%、イタリア国債利回りは4bp上げて3.43%。

フランス10年債利回りは一時5bp上昇の2.22%と、11日以来の高 水準となった。

原題:European Bonds Decline With Global Peers on Yellen Rates Signal(抜粋)

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