【日本株週間展望】堅調、米景気と円安期待-消費増税後重し

3月4週(24-28日)の日本株は、 堅調が予想される。米国の景気改善や為替の円安期待から、見直しの買 いが優勢となりそう。ただ、消費税増税の実施が間近に迫り、国内景気 の先行き不透明感や新興国情勢などは上値の抑制要因になる。

みずほ信託銀行の中野貴比呂シニアストラテジストは、「米国経済 の堅調で大崩れはないだろうが、消費税増税による景気への不安から一 本調子の上昇は想定しづらい」と予想。最近の日本株下落の要因は、 「外的要因だけではない」と見ている。

第3週の日経平均株価は前の週に比べ0.7%安の1万4224円23銭と 続落。ウクライナ情勢の落ち着きが当初好感されたものの、米金融政策 を受け米国やアジアの株式市場が不安定になったことが響いた。

米金融当局の利上げ見通しが前倒しされた。18-19日に開かれた連 邦公開市場委員会(FOMC)での予測(中央値)によると、政策決定 の議論に参加した当局者は、フェデラルファンド(FF)金利の誘導目 標を2015年末時点で1%、16年末は2.25%と予想。昨年12月時点 の0.75%、1.75%に比べそれぞれタカ派方向に修正された。FOMC参 加者16人のうち、13人が15年の初回利上げを予想。1人は14年中の利上 げを想定している。

米連邦準備制度理事会(FRB)のイエレン議長は会見で、債券購 入プログラムを今秋にも終了する可能性があり、その6カ月後にも政策 金利を引き上げる可能性があるとの認識を示した。同議長は、冬季とし て極めて厳しい天候状態が、ことし早い時期の米景気鈍化の大きな要因 になった、と述べた。

変わる米景気への目線

第3週に発表された2月の米経済指標は、鉱工業生産で製造業の生 産指数が6カ月ぶりの大幅な伸びとなり、住宅建設許可件数は前月 比7.7%増の102万件と、昨年10月以降で最大だった。第4週には、25日 に2月の新築住宅販売、3月のコンファレンス・ボードの2月の消費者 信頼感指数、26日は2月の耐久財受注、27日は昨年10-12月期の国内総 生産(GDP)確報値や2月の中古住宅販売などがある。

第4週は「あまり重要な経済指標はないが、米景気は横ばいから反 発方向にあると市場の目線が変わりつつある。住宅は悪化が止まった感 じがあり、生産も悪化の一途ではない」とニッセイアセットマネジメン トの久保功株式ストラテジスト。発表指標で「下げ止まりが見られれ ば、ポジティブ」との認識を示す。

FOMCを受けた19日の米国債市場では、2年債利回りが一時11年 以降で最大の上げを記録。1ドル=101円台前半と直近の円高水準に振 れていたドル・円相場は、102円台後半まで円が軟化した。米金利の上 昇が継続すれば、日米金利差拡大から円が売られやすくなる。

いちよしアセットマネジメントの秋野充成執行役員は米国株につい て、「金融緩和期待で行き過ぎた部分の調整から上値は重いが、景況感 の改善で下がらない」との見解だ。これまでは一極集中で米国株が上が っていたが、「一段と円安が進めば。割安の日本株は見直される可能性 がある」と言う。

日中景気になお警戒感

もっとも、国内景気や新興国に対する警戒はなおくすぶる見通し。 日本では4月1日から消費税率が5%から8%に引き上げられ、月内の 小売企業は駆け込み需要で活況だが、反動の度合いは不透明だ。10日に 発表された2月の景気ウオッチャー調査では、先行き判断DIが前月比 9ポイント低下の40.0と、2年10カ月ぶりの低水準となった。落ち込み 幅は、前回1月の5.7から一段と拡大した。

「先行きDIの下落幅が大きい点、小売のみならず、企業動向や雇 用関連も広範に悪化している点は消費税率引き上げ後の停滞感が強まる 可能性を示唆している」と、モルガン・スタンレーMUFG証券の山口 毅エコノミストは分析する。また、12日発表の2月の消費者態度指数 は2.2ポイント低下の38.3と3カ月連続で悪化し、2年5カ月ぶりの低 水準となった。

前回1997年4月に消費税率を3%から5%へ上げた際、鉱工業生産 は駆け込み需要で3月まで12カ月連続で前年比プラスだったが、4月 は2.6%減と2年3カ月ぶりの大幅下落を記録。その後も1年以上にわ たり、悪化傾向をたどった経緯がある。ちばぎんアセットマネジメント の奥村義弘調査部長は、「4-6月期の経済指標は低下するが、そこか らの立ち直りがどうなるのか。日本銀行のアクションがあるのかどうか で変わる」と話している。

新興国に対する不安も払しょくされていない。中国では24日に英 HSBCによる3月の製造業購買担当者指数(PMI)が公表予定。ブ ルームバーグがまとめた事前予想は48.7と、前回48.5から小幅の改善が 予想されている。最近の同指数は、「下げの引き金になっていることが 多い。1-2月の政府発表指標が軒並み振るわなかったことから、落ち 込むと中国懸念が強まる」とみずほ信託銀の中野氏は不安視する。

FOMC後の20日のアジア株市場では、米金利上昇によって新興国 に対する資金供給が巻き戻されるとの懸念が広がった。新興国株の不安 定さが長期化すれば、日本株にも悪影響を与える可能性がある。

このほか、第4週の投資材料は国内で28日に2月の家計調査や消費 者物価指数、労働力調査がある。24日は東京証券取引所のデリバティブ 市場が大阪証券取引所に統合され、大証は大阪取引所に社名変更する。

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