政策変更ないとのFRB議長発言、市場信ぜず-金利予想に着目

米連邦準備制度理事会(FRB)の イエレン議長は19日、主要政策金利であるフェデラルファンド(FF) 金利の変更を示唆する方法を今回見直しても、政策自体に変化はないと 述べたが、投資家はそれを信じようとはしなかった。

イエレン議長は、連邦公開市場委員会(FOMC)終了を受けて行 った就任後初の記者会見で、利上げ検討開始に絡んでFOMC声明に盛 り込まれたフォワードガイダンスから、失業率6.5%の目安を撤回した ことについて、「いかなる政策意図の変更を示すものではない」と強調 した。

投資家はこうした議長の主張には耳を傾けず、FOMC参加者の最 新の経済予測で政策金利見通しが上方にシフトしたことや、量的緩和の 終了後「6カ月程度」で利上げに着手する可能性があるとの議長発言に 飛び付いた。2年物米国債利回りは一時10ベーシスポイント(bp、1 bp=0.01%)上昇し、2011年6月以来の大幅な伸びとなった。

こうした市場の反応は、政策変更の指針としてこれまで明確な数字 による目安を使ってきた当局が、投資家にあいまいと受け止められる表 現に回帰したことで直面するリスクを浮き彫りにした。FOMC声明に 具体的な指針が欠けていたため、投資家は次善の策として、FF金利誘 導目標に関するFOMC参加者の予測に着目した。

バークレイズの米国担当チーフエコミスト、ディーン・マキ氏は 「定性的な指針にシフトしたことで、われわれが把握できる定量的な目 安はFOMC参加者のFF金利予想だけになった」と指摘。「声明やイ エレン議長の記者会見でほとんど変化はないと説明されたが、FOMC の経済予測には当局の見通しに顕著な変化があったことが示された」と 付け加えた。

幅広く検討

FOMCは声明で、政策金利と失業率の特定水準を関連付けるのを やめ、雇用情勢やインフレ、金融市場に関する指標を幅広く検討する方 針を示した。イエレン議長は記者会見で、「完全雇用に近いわけでも、 われわれの責務と合致する雇用水準に近いわけでもないことを認識して いる。インフレが重大な懸念事項にならない限り、FF金利の誘導目標 の引き上げを夢想することはないだろう」と話した。

FOMCが公表した最新の経済予測によると、現在はゼロ付近とし ている政策金利が15年末に少なくとも1%、16年末までに2.25%に上昇 するとの予想が増え、前回12月よりも当局者の政策金利見通しが上方に シフトしたことが分かった。

イエレン議長は各参加者の予測を点で示した分布図について、 FOMCによる政策説明の主要な方法として「点の分布を注目すべきで はない」と述べ、こうした予測よりもFOMC声明が優先されると強調 した。

FOMC声明では量的緩和の終了後も「相当な期間」にわたり金利 を低水準に維持すると表明した。議長は記者会見でどれほどの期間にな るのかを問われ、「定義するのが難しいが、恐らく6カ月前後を意味す る」と回答。この発言を受けて主要株価指数は下げ幅を拡大した。

S&P500種株価指数は前日比0.6%安の1860.77で終了。ニューヨ ーク時間午後4時15分(日本時間20日午前5時15分)現在、10年物米国 債利回りは10bp上昇し、2.77%。

原題:Yellen Retreat From Policy Thresholds Doubted as Yields Rise(抜粋)

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