西武HD:上場の想定株価は2300円、1860億円調達へ

東京証券取引所に新規上場する西武 ホールディングス(HD)が、株式の想定売出価格を1株2300円に設定 したことが明らかになった。この価格を基に試算すると、株式を放出す る投資家は1860億円を市場から調達することになる。

この価格が投資家向けの目論見書に記載される。事情に詳しい関係 者2人が匿名を条件に明らかにした。東証は19日に西武HDの4月23日 付の上場を承認した。発表資料によると、売り出し株式数は8086万株 で、うち国内に4851万株を振り向ける。投資家の需要調査を経て、4 月14日に最終的な売り出し価格が決定する。

西武HDの前身となる西武鉄道が2004年12月に有価証券報告書の虚 偽記載で上場廃止となって以来の資本市場への復帰となる。05年5月に 株主のみずほコーポレート銀行(現・みずほ銀行)の副頭取、後藤高志 氏が社長に就任し、上場を経営の最重要課題として取り組んでいた。米 投資会社サーベラス・グループは06年に1000億円を出資した。この時点 で1株を900円強で取得した計算。

サーベラスは12年、鉄道の一部路線廃止、プロ野球球団の売却など の検討を西武HDに求めて対立し、昨年3月にサーベラスが1株当た り1400円で株式公開買い付け(TOB)を実施したが、約3%の追加取 得に留まり、目標に届かなかった。この時点でサーベラスの持ち分 は35.5%。今年に入り、サーベラスが上場を容認したことから1月15日 に東証への手続きを申請した。

時価総額

上場後の時価総額は、想定価格を基にすると7869億円となる。これ は国内鉄道事業者としては3位のJR西日本の19日終値ベースでの7976 億円に次ぐ4位の規模。JR3社を除くと最大の東京急行電鉄の7518億 円を上回る。

東証の資料によると、筆頭株主のサーベラスは上場時に約5300万株 を放出する予定で、昨年末時点の発行済み株式数の15%強にあたる。試 算によるとサーベラスは上場後も約20%の株式を保有し、筆頭株主にと どまる。サーベラス東京事務所は、西武HDの案件はニューヨーク本社 が決めているとして、コメントを控えた。有価証券報告書によると第2 位株主はコクドの持ち株会社NWコーポレーションで、15%を保有。

サーベラス以外に株式を放出するのは米シティグループの子会社、 UBS証券、農林中央金庫と日本政策投資銀行で、サーベラスとの合計 で発行済み株数の約24%を売り出す。西武HDは持ち分を売却せず、新 株も発行しない。

過去最高益

西武HDが2月13日に発表した13年4-12月期の連結決算は純利益 が前年同期比39%増の198億円だった。4-12月期としては、2年連続 で過去最高を更新。主力のホテル・レジャー事業が収益で大きく寄与し たほか、利益面では鉄道、不動産事業それぞれがプラスとなった。

西武HDは承認の発表を受けて「上場予定日へ向け、上場の制度・ 諸規則等に基づいて公正・適正に手続きを進めてまいります」とのコメ ントを電子メールで発表した。

太田昭宏国交相は20日、閣議後の会見で西武HDの4月の再上場は 承知しているとし「傘下に西武鉄道という公共性の高い事業体を有して おり注視していた。国交省としては安全で安定的、良質な鉄道サービス の確保という観点から引き続き今後の動向を注視してゆく」と述べた。

--取材協力:.

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