ドルは101円前半、ウクライナ情勢めぐる不透明感でリスク回避

東京外国為替市場でドル・円相場は 1ドル=101円台半ば。ウクライナ情勢を背景としたリスク回避がやや 落ち着きを見せる中、米国での連邦公開市場委員会(FOMC)の結果 発表を控え、値動きは限定的だった。

午後3時48分現在のドル・円相場は101円50銭付近。円は午前の取 引で101円30銭を付けたあとに伸び悩みとなり、午後は日本株がプラス 圏に浮上して上げ幅を拡大する局面で、101円64銭まで円安に振れる場 面も見られた。

三菱UFJモルガン・スタンレー証券の植野大作チーフ為替ストラ テジストは、ウクライナ問題をめぐって、マーケット心理が右往左往し ているが、現段階の対ロシア制裁を見ると、「経済的に実害のあるよう なところは避けるのではないか」という見方が株の買い戻しや円の売り につながっている感があると説明。ただ、「万が一、経済制裁合戦のよ うな形になってきてしまったら、リスクオフムードに転換しなくてはな らない」という警戒感も根強く残ると言う。

米国ではこの日、2日間の日程で開かれたFOMCの結果が発表さ れる。ブルームバーグ・ニュースがまとめたエコノミスト調査によると 月額の債券購入額を650億ドルから550億ドルに減らし、金利見通しのガ イダンスを改めると見込まれている。

植野氏は、本来であれば、「量的緩和の卒業計画を着実に進めてい く米国と、そうじゃない日本」という構図がFOMCで確認されると、 基本的に「円安・ドル高要因」になると指摘。ただ、足元では市場の目 線は今後のロシアと欧米間の「経済制裁合戦」がどこまで激化するのか ということに向きやすいとし、「今回のFOMCでは大きく方向感を作 りこんでいきにくい」面があるとみる。

ウクライナ懸念

ロシアのプーチン大統領は18日の演説で、クリミアは「分かつこと のできない」ロシアの一部だと明言。ソ連崩壊後にクリミアがウクライ ナにとどまったことを、ロシアは「奪われた」と感じていたと説明し た。クリミアは16日の住民投票でウクライナからロシアへの帰属替えを 選択した。また、同大統領は、ウクライナ分割は目指していないとも発 言している。

三井住友銀行市場営業部ニューヨークトレーディンググループの柳 谷政人グループ長(ニューヨーク在勤)は、「マーケットとしてはあま り気分は晴れない。何かのショックでリスクオフサイドに向かいやすく アンワインドのような状態にはなりやすい」と指摘。ウクライナの問題 がリスクオフの材料になる可能性が残るとして、「円高方向になりやす い」と言う。

米国家安全保障会議(NSC)のヘイデン報道官によると、オバマ 大統領は主要7カ国(G7)首脳が来週にオランダのハーグに集まる機 会にウクライナ問題を協議しようと、G7首脳らを招いた。バイデン米 副大統領は18日、訪問先のワルシャワで、ロシアのクリミアに対する行 動について「領土強奪以外の何物でもない」と言明。世界中が非難して おり、結果としてロシアの孤立を招くだろうと述べた。

外為オンライン情報サービス室の佐藤正和顧問は、ドル・円相場に ついて、ウクライナ情勢で上値が重いものの、101円20銭付近では底堅 いと指摘。「ドル売りにも慎重なところがある」と言い、「101円を割 るというような意識にもなかなかなりにくい」としている。

--取材協力:大塚美佳.

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