プーチン大統領:クリミアはロシア-ウクライナ分割望まない

ロシアのプーチン大統領は18日、隣 国ウクライナのさらなる分割を目指してはいないと言明した。同国南部 クリミアをロシアに併合せざるを得ないよう仕向けたのは、米欧の侵害 が理由だと論じた。

同大統領はウクライナからロシアへの帰属替えを選択した16日のク リミア住民投票を受け、クリミアがロシアに編入する条約の批准を自国 に求めた。議員や地方の指導者に向けた18日の演説で、クリミアは「分 かつことのできない」ロシアの一部だと明言。ソ連崩壊後にクリミアが ウクライナにとどまったことを、ロシアは「奪われた」と感じていたと 説明した。

プーチン大統領は拍手喝采をもって迎えられた演説で、「クリミア の次は他の地方が併合されると叫び、ロシアを恐ろしい国として扱う人 々を信じてはならない」とし、「クリミアはわれわれの歴史的遺産だ。 クリミアは強力で安定した主権国家の一部であるべきで、今現在それは ロシアでしかあり得ない」と語った。

米国と欧州連合(EU)はプーチン大統領にクリミア併合を思いと どまらせようと17日に制裁を発動したが、奏功しなかった。プーチン大 統領はまた、ウクライナ東部のロシア系住民をロシアが保護する権利も 主張した。ウクライナのヤツェニュク首相は東部のロシア系住民による 激しい抗議行動の背後にはロシアがいると訴えている。これら住民も、 クリミアに続きウクライナからの分離を望んでいる。

プーチン大統領は演説後に、クリミアおよびロシアの黒海艦隊の基 地がある港湾都市セバストポリをロシアに編入させる条約に署名。これ を議会が批准すれば、来年1月1日までにクリミアを正式に併合する手 順が整えられた。

現政権を認めず

ヤツェニュク首相が率いるウクライナ政府についてプーチン大統領 は「何もコントロールできていない」とし、国家主義者と反ユダヤ主義 者、ロシア嫌いの「急進主義者」が率いていると断じた。

ブリュッセルにあるシンクタンクの欧州国際政治経済研究所 (ECIPE)のディレクター、フレデリック・エリクソン氏はプーチ ン大統領の演説について、ロシアと欧米の対立が近く解消される見通し は全く立たず、ロシアによるウクライナ侵攻が進まない根拠にもならな いと指摘。「プーチン大統領は昔からたびたび国境を侵してきたので、 これ以上ウクライナの領土を奪わないと話しても私は信じない」と述べ た。「ロシアはウクライナ東部ばかりか、キエフと西部についても野心 を持っている。ロシアはこれら全てを母なるロシアの一部と見なしてい る」と付け加えた。

緊張が高まる中、バイデン米副大統領は北大西洋条約機構 (NATO)加盟の東欧諸国を訪れるためポーランド入りした。同副大 統領はロシアは「厚顔無恥な軍事侵略と性急で違法なクリミア住民投 票」について「追加制裁を受けるだろう」と言明した。

プーチン大統領は、米国とNATO加盟国がロシアが利害を持つ地 域に侵入し「ロシア囲い込み」の政策を取っていると非難。「何事にも 限界がある。ウクライナで米欧は一線を越え、非礼かつ無責任、大人げ ない行動を取った」と論じた。

ヘイグ英外相は18日下院で、「プーチン大統領が孤立への道を選ん だことは遺憾だ」とし、「いかなるごまかしも、民主主義の道理に反し た手続きも、ゆがんだ歴史認識も、これが主権国家への侵略でありその 領土の乗っ取りである事実を変えない」と糾弾した。

オバマ米大統領は主要7カ国(G7)首脳が来週にオランダのハー グに集まる機会にウクライナ問題を協議しようと、G7首脳らを招いた と米国家安全保障会議(NSC)のヘイデン報道官が明らかにした。

原題:Putin Says Russia Doesn’t Want Ukraine Split After Crimea

--取材協力:Henry Meyer、Margaret Talev、Thomas Penny、Alessandra Migliaccio.

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