ロシアと欧米間の緊張、冷戦ほどの深刻さない-ウクライナ問題

クリミア自治共和国への介入に動い たロシアと欧米諸国との緊張が高まっているが、半世紀近くにわたって 世界の政治を動かした冷戦ほど深刻な状況には陥っていない。

ロシアは多数の核兵器を保有しているものの、イデオロギーや通常 戦力、特に経済など支配力を測る他の大半の指標で見ると、影響力は冷 戦時代に及ばない。今のロシアは国際貿易や金融市場により一体化され ており、プーチン大統領の行動がビジネス上の関係悪化や経済制裁を通 じてロシアが代償を支払うことにつながる。

クリミアをウクライナからロシアに編入させるためのロシア政府の 挑戦的な行動に加え、ケリー米国務長官とラブロフ外相の協議が合意に 至らなかったことで、新たな冷戦との指摘が相次いでいる。ただ一部の ロシア専門家は、その呼び方を復活させることについては政治家などと 比べて積極的ではない。

1987-1991年に最後の駐ソ連米国大使を務めたジャック・マトロッ ク氏は14日付の米紙ワシントン・ポストへの寄稿で、「今の状況は冷戦 の再現ではないと考える」とし、「ロシアと欧米諸国の緊張はイデオロ ギーや国益の実際の衝突というよりも、誤解や不正確な説明、国内向け のスタンスがより影響している。こうした問題は冷戦時代にわれわれが 対処した問題よりも相当少なく、危険度もかなり低い」との見解を示し た。

デンバー大学ジョセフ・コーベル国際研究大学院のジョナサン・ア デルマン教授は「強大なソ連時代が終わったのはかなり前だ。プーチン 大統領もそれを承知している。これは冷戦でもナチス時代のドイツでも ない」と発言。プーチン氏の下でのロシア国民は「基本的に保守的なナ ショナリスト」であり、ロシアは宣伝するイデオロギーもなく、「単な る1つの国民国家だ」と語った。

原題:Cold War’s Tensions Unmatched in Putin’s Ukraine Fight With West(抜粋)

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