ドル・円相場は101円台後半、ウクライナとFOMCにらみ

東京外国為替市場ではドル・円相場 が1ドル=101円台後半を中心に推移した。世界的に株価が反発するな どリスク回避の流れが一服する中、円売りが先行。欧州市場に向けて は、ウクライナ情勢に対する警戒感から、円を買う動きが強まった。

この日は、ロシアへの帰属替えを選んだクリミアの住民投票結果が 直ちに域内の混乱悪化にはつながらないとの見方から、リスク選好的な 円売りが進んだ海外市場の流れを引き継いで始まった。ドル・円は一 時、101円94銭まで円売りが進行。その後は101円80銭前後で一進一退の 展開となったが、午後3時半すぎに「クリミアのロシア編入は妥当」と のプーチン露大統領のコメントが伝わると円買いが優勢となり、一 時101円53銭を付けた。

みずほ証券の鈴木健吾チーフFXストラテジストは、目先は「プー チン露大統領の演説が鍵」だとし、「先週は軍事衝突も選択肢に入れた 中でのリスク回避だったので、あまり強硬なことを言わなければ、ある 程度ショートカバー(ドル買い・円売り)を呼びやすい状況になる」と 指摘。「プーチン大統領の演説を通じて、少し落ち着いてくれば、 FOMC(米連邦公開市場委員会)の方に注目も移るだろう」と語っ た。

米国ではきょうから2日間の日程でFOMCが始まる。ブルームバ ーグ・ニュースがまとめたエコノミスト調査によると、今回のFOMC では資産購入が100億ドル縮小される見通しとなっている。

ユーロ・円相場は一時1ユーロ=141円96銭まで円が弱含み、前日 の海外市場で付けた円安値にあと2銭と迫ったが、その後もみ合いとな り、午後には141円32銭まで値を戻した。ユーロ・ドル相場は1ユーロ =1.39ドル台前半で小動き。

ロシアの出方見極めで神経質

欧州連合(EU)外相会議は17日、ロシアとクリミア、元ウクライ ナ当局者ら21人を対象に資産凍結と査証発給禁止の措置を決めた。米国 は副首相を含めたロシア当局者7人やヤヌコビッチ前大統領を含むウク ライナ当局者4人に制裁を科した。これに対し、ロシアのプーチン大統 領はクリミアを独立国家として承認する大統領令に署名した。

米欧の指導者らは制裁強化に含みを持たせているものの、プーチン 大統領の出方を見極めるまでは、より懲罰的な措置を温存する姿勢。17 日の海外市場では、制裁の度合いが懸念されたほど厳しくないとの見方 から、欧米株やロシア株、ロシア通貨が上昇した。

上田ハーロー外貨保証金事業部の片桐友仁氏は、「米欧の追加制裁 が今のところ軽い範囲でとどまっている」ことが欧米やロシア株の反発 につながったが、ロシアはクリミア半島の実効支配への姿勢を崩してお らず、結果的に制裁が強化される可能性があることから「引き続き神経 質な展開が続く」と指摘。ドル・円も「102円レベルでは上値が抑えら れる可能性が高い」とみていた。

プーチン大統領は18日、モスクワでの議員などへの演説で、クリミ 併合に関する自身の計画を説明する可能性がある。バイデン米副大統領 は17日夜、欧州に向け出発。ロシアに接する北大西洋条約機構 (NATO)加盟国であるポーランドとエストニナ、ラトビア、リトア ニアの首脳と2日間にわたり協議する。

18日の東京株式相場は5日ぶりに反発。日経平均株価は朝方に一 時255円高まで上昇し、前日比133円60銭(0.9%)高の1万4411円27銭 で引けた。

FOMC

ブルームバーグ・ニュースがまとめたエコノミスト調査によると、 イエレン米連邦準備制度理事会(FRB)議長就任後初となる今回の FOMCでは、利上げ判断の基準について、これまで目安としていた失 業率6.5%に替えて、より質的なガイダンスを示すとみられている。

17日発表された2月の米鉱工業生産は6カ月ぶりの大幅な伸びとな った。一方、3月のニューヨーク連銀製造業景況指数と米住宅市場指数 は市場予想を下回った。

みずほ証の鈴木氏は、FOMCについて、「新体制になったことで 市場との対話方法などで何か変更があるか、フォワードガイダンスも含 めて政策そのものに変更があるか、FRBの現状の景気認識と今後の予 測で金融政策の方向性をどう予測しているかの3点が注目だ」と指摘。 その上で、引き続きウクライナ情勢次第ではあるものの、日本では消費 増税後の追加緩和期待が高まりやすく、量的緩和縮小を進める米国との 金融政策の違いを考えれば「円安・ドル高に行きそうだ」と話した。

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE