日本株は5日ぶり反発、ウクライナ懸念後退と円高一服を好感

東京株式相場は5営業日ぶりに反 発。ウクライナ情勢に対する懸念が和らぎ、為替の円高一服も追い風に なった。電機など輸出関連、ガラスや非鉄金属といった素材関連、情 報・通信や医薬品株など幅広く買われ、東証1部33業種は全て高い。

TOPIXの終値は前日比11.01ポイント(1%)高の1165.94、日 経平均株価は133円60銭(0.9%)高の1万4411円27銭。

ちばぎんアセットマネジメントの奥村義弘調査部長は、「日本株は ファンダメンタルズからはリスク回避による売られ過ぎ感があった」と 指摘。ウクライナ問題や新興国など「リスク要因を消化していけば、金 融政策を背景とした株高シナリオは変わらない」との見方を示した。

ロシアへの帰属を選んだウクライナ・クリミア自治共和国の住民投 票を受け、ロシアのプーチン大統領はクリミアを独立国家として承認す る大統領令に署名した。米国は副首相を含むロシア当局者7人とウクラ イナ当局者4人に制裁を科し、欧州連合(EU)はロシアとクリミア、 元ウクライナ当局者ら21人を対象に資産凍結と査証(ビザ)発給禁止の 措置を決めた。

ロシアによるウクライナ侵攻、ロシアと欧米経済への打撃を避けよ うと、欧米はより懲罰的な措置を温存したことで、17日のロシア株は反 発、通貨ルーブルや国債も上げた。米国株のボラティリティ指標である シカゴ・オプション取引所のボラティリティ指数(VIX)は2月6日 以来の大幅低下となった。リスク回避が後退したきょうの為替市場で は、一時1ドル=101円90銭台ときのうの東京株式市場の終値時点101 円54銭に比べ円安方向に振れた。

SMBCフレンド証券投資情報部の松野利彦チーフストラテジスト は、「ロシアによる天然ガスの輸出制限などが出され、欧州とロシア双 方とも深刻に困る可能性はあった。欧州経済の腰を折り、明るさがなく なっている世界経済の状況に拍車をかける不安があった」と言う。

終盤伸び悩み、米金融政策待ち

この日の日本株は、海外市場の落ち着きと前週以降の続落の反動か ら、幅広い業種で買いが先行。朝方に日経平均は一時255円高まで上げ 幅を広げた。ただ、前引けにかけ失速、午後前半は持ち直したが、大引 けにかけ再度伸び悩んだ。

売買代金も低調で、ちばぎんアセットの奥村氏は「米欧とロシアど ちらも納得できる状況にはなく、にらみ合い状況は続く」と予測。売ら れ過ぎが修正された後の当面のマーケットは、「リスク回避状況から米 金融政策待ちの状況に移りつつある」と話していた。

米国では連邦公開市場委員会(FOMC)がきょう、あすと開かれ る。FOMCは、昨年12月に850億ドルだった月間の債券購入額を650億 ドルまで縮小。景気が悪化しない限り、毎回の会合で100億ドルずつ縮 小する方針を示唆している。SBI証券の鈴木英之投資調査部長は、フ ォワード・ガイダンスの「6.5%の失業率と2.5%の消費者物価上昇率と いうのは非現実的になりつつある。再構築の必要はある」と指摘。市場 は量的緩和の縮小はもう織り込んでいるが、低金利が今後も続くという 期待が高まれば、「米国株にはプラスになる」と読む。

東証33業種の上昇率上位はガラス・土石製品、サービス、情報・通 信、医薬品、非鉄、建設、卸売、繊維、倉庫・運輸、パルプ・紙など。 東証1部の売買代金上位ではソフトバンク、日産自動車、マツダ、ケネ ディクス、日本冶金工業、NEC、日本電産、武田薬品工業、三菱電機 が高い。任天堂、千代田化工建設、クボタは下げた。きょう東証1部に 新規上場した日立マクセルは、公開価格の2070円に対し、4.8%安で初 値を形成した。終値は1790円。

東証1部の売買高は17億1862万株、売買代金は1兆6765億円。値上 がり銘柄数は1582、値下がりは155。

--取材協力:竹生悠子

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