旧大和証券SMBC出身の杉山智行 氏(31)が設立した「クラウドクレジット」は4月にも、ペルーの不良 債権に投資するファンドを、インターネットを通じて募集販売する。日 本では超低金利で運用難が続く中、個人投資家向けに海外投資でより高 い利回りを目指す。

杉山代表がブルームバーグとのインタビューで明らかにした。同社 は今回のファンドを手始めに、その他新興国のローンなどに投資するフ ァンドでも資金を募り、1年で調達額50億円、5年で1000億円を目指す 考え。

投資対象は、ペルーの個人や零細事業主に対するローンのうち3カ 月以上延滞したもの。金融機関から債権を簿価の3%程度で買い取り、 債権回収会社を通じ買い取り額の2-3倍の資金を回収する。募集金額 は1500万円で、投資期間は3年。投資家が受け取るリターンは円建てで 内部収益率(IRR)11%、投資倍率1.2倍強を見込む。

杉山氏は投資先のペルーについて、「フジモリ政権以降の経済政策 や財政健全化で、透明性の高い投資環境が整っている」と話す。経済成 長率は南米トップクラスで、債務を大幅に減免すれば再建可能な零細業 者は多いという。ペルー関連では、これに続いて自動車ローンや不動産 担保ローンに投資するファンドも計画中だ。

同国の13年10-12月期GDP成長率は5.2%、14年1月末の外貨準 備高は650億ドルだった。

同氏は05年から旧大和証券SMBCで金利や為替の自己勘定取引に 従事した。その後、08年から12年まで英ロイズ銀行東京支店で運用を担 当。日本は資金はあるのに運用先がないのに対し、英国では逆に旺盛な 資金需要があるのに預金が集まらない状況を目の当たりにし、「運用難 の国と調達ニーズの強い国をつなぐことを思いついた」という。

ドイツでも展開検討

今回の不良債権ファンドは、弁護士資格のあるアナ・ヴェラ・タレ ド氏が経営するペルー第2位の債権回収業者と提携し、800人のオペレ ーターが延滞債権の回収に当たる。債務の大幅減免を通じて、借り手が 金融市場での資金調達に復帰できるようアドバイスもする。一方、貸し 手の金融機関は、不良債権の処理で新たな信用を創造できる。

今後も欧州や中南米諸国から、リスクに対するリターンが高く、緩 やかな外資規制や経済の安定した国を投資対象に選ぶ方針。販売先とし ては、今年中にも個人資産の豊富なドイツについて調査を開始する計画 だ。

同社は13年1月に設立。小口で不特定多数に販売が可能な第2種金 融商品取引業の登録申請中だ。登録が完了するまでは適格機関投資家等 特例業務で、一般投資家は49人以下に限定し、1口100万円で募集。1 本2000万円程度で毎月3本を試験募集する。

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