3月17日の海外株式・債券・為替・商品市場

欧米市場の株式、債券、為替、商品相場は次 の通り。

◎NY外為:円下落、リスク志向の高まりで-ルーブル高い

ニューヨーク外国為替市場では、円が6日ぶりに対ドルで下落。ロ シア株とルーブルの上昇で、クリミアでの住民投票の結果が直ちに域内 の混乱悪化につながるとの懸念が後退した。

中国人民元はドルに対して11カ月ぶりの安値に下落。中国人民銀行 (中央銀行)が元の許容変動幅を従来の2倍に拡大した。ユーロは対ド ルで下げを埋める展開。米国と欧州連合(EU)はロシアの当局者らに 対する制裁を発動した。

野村ホールディングスの外国為替ストラテジスト、チャールズ・サ ンタルノー氏(ニューヨーク在勤)は電話インタビューで、「ウクライ ナ、西側諸国、ロシアの緊張に目立った悪化は見られないようだ。かな りリスクオンの日だった」と述べ、「先週はネガティブな要素がかなり 相場に織り込まれていたため、今のところは安心感が広がっている。多 くの投資家はずっと悪い展開を予想していた」と続けた。

ニューヨーク時間午後5時現在、円は主要16通貨のうち15通貨に対 して下落。対ドルでは0.4%下げて1ドル=101円77銭。円は対ユーロ で0.5%下げて1ユーロ=141円68銭。ユーロは対ドルで0.1%未満上昇 の1ユーロ=1.3922ドル。

G7ボラティリティー指数

JPモルガンG7ボラティリティー指数は13ベーシスポイント(b p、1bp=0.01%)低下して7.47%。年初来の平均は7.88%となって いる。

ルーブルは主要31通貨すべてに対して上昇した。中銀の通貨バスケ ットに対し0.8%高の42.7310ルーブル。

英銀HSBCホールディングスのグローバル通貨戦略責任者、デー ビッド・ブルーム氏(ロンドン在勤)は、「市場は非常に落ち着いてい るようだ」と述べ、「市場は点と点を結びつけて世界全体の問題にする ことは避けている。地域特有の問題だと受け止めている」と続けた。

クリミア自治共和国がウクライナからロシアへの帰属替えを選んだ 住民投票結果について、欧米は違法であるとの見解を示している。ロシ アはウクライナとの国境に約6万人の兵力を展開している。

朝方に米連邦準備制度理事会(FRB)が2月の鉱工業生産指数 (製造業、鉱業、公益事業の生産を対象、季節調整値)を発表した。製 造業の生産指数は前月比0.8%上昇した。前月は0.9%低下だった。同統 計発表後、ドルは対円で堅調を維持した。

円の下落

米10年債利回りの上昇に伴い、円は下げた。ドル建て資産の投資妙 味が高まったことが背景。ロイヤル・バンク・オブ・スコットランド・ グループが日本銀行はハト派的なレトリックを使い始めた可能性がある と指摘したことも、円下落につながった。

日本銀行の黒田東彦総裁は参院財政金融委での答弁で、見通しに変 化が生じ、必要となれば適切な調整をすると述べた。

先進10カ国の通貨で構成されるブルームバーグ相関加重通貨指数に よると、円は年初から2.7%上昇。ドルは1.2%下落、ユーロは0.3%上 昇した。

原題:Yen Weakens as Risk Appetite Increases; Russian Currency Climbs(抜粋)

◎米国株:反発、鉱工業生産指数上昇で景気楽観-ウクライナを注視

米株式市場ではS&P500種株価指数が反発。鉱工業生産指数の上 昇で景気に対する楽観が強まった。ウクライナ情勢も注目材料。

ヤフーは4%高。中国最大の電子商取引運営会社アリババ・グルー プ・ホールディングが新規株式公開(IPO)手続きを開始したことを 好感した。レンタカー会社ハーツ・グローバル・ホールディングス は4.8%上昇。同社がレンタル機器部門のスピンオフ(事業の分離・独 立)を実施するとの報道が手掛かり。RBCキャピタル・マーケッツが 目標株価を引き上げたデザインソフト最大手のアドビ・システムズ は1.5%高。一方、カウエンが投資判断を引き下げたベリサインは5.8% 安。

S&P500種株価指数は前週末比1.0%上昇の1858.83で終了。ダウ 工業株30種平均は181.55ドル(1.1%)高い16247.22ドルで終えた。

ジャニー・モンゴメリー・スコットのチーフ投資ストラテジスト、 マーク・ルッシニ氏は「これまでの弱い指標の一部は天候が明らかに影 響したとの見方を、鉱工業生産指数は後押しした」と指摘。天候の影響 を受けた「トレンドは後退し、もっと良い経済指標がこれから発表され る可能性がある」と述べた。

2月の米鉱工業生産は製造業の生産指数が6カ月ぶりの大幅な伸び となった。厳冬の影響から持ち直し始めたことを示唆した。米連邦準備 制度理事会(FRB)が発表した2月の鉱工業生産指数(製造業、鉱 業、公益事業の生産を対象、季節調整値)によると、全体の75%を占め る製造業の生産指数は前月比0.8%上昇した。前月は0.9%低下(速 報0.8%低下)と2009年5月以来の大幅なマイナスとなっていた。

ニューヨーク連銀が発表した3月の同地区の製造業景況指数は5.6 と、前月の4.5から上昇した。ブルームバーグ・ニュースがまとめたエ コノミスト予想の中央値は6.5だった。

FOMC

連邦公開市場委員会(FOMC)が18日から2日間の日程で始ま る。FOMCは昨年12月に850億ドルだった月間の債券購入額を650億ド ルに縮小している。景気が軟化しない限り、毎回の会合で100億ドルず つ縮小する方針を示唆している。

ウクライナからロシアへの帰属替えを選んだクリミア自治共和国の 住民投票結果を受け、米国と欧州連合(EU)はロシアやクリミアの当 局者らに対する制裁を発動した。投票結果はロシアによるクリミア併合 への道を開いた。

EU外相会議は17日、ロシアとクリミア、元ウクライナ当局者ら21 人を対象に資産凍結と査証発給禁止の措置を決めた。米国の制裁はクリ ミアにおけるロシア支持者らの資産などを標的にすると、ホワイトハウ スが同日発表した。米欧の指導者らは制裁強化に含みを持たせているも のの、ロシアのプーチン大統領の出方を見極めるまでは、より懲罰的な 措置を温存する考えだ。

ボラティリティ低下

シェーファーズ・インベストメント・リサーチのシニア株式アナリ スト、ジョー・ベル氏は「市場は週末の投票を受けたボラティリティ上 昇に備えていた。現在はその持ち高の解消が大量に起こっている」と述 べた。

シカゴ・オプション取引所(CBOE)のボラティリティ指数 (VIX)は12%低下し15.64。年初からは14%上昇している。

S&P500種のセクター別では10セクター全てが上昇した。工業株 とハイテク株の上げが目立った。IBMは2%、3Mは1.9%それぞれ 上昇し、ダウ平均の構成銘柄で上昇率上位となった。

原題:U.S. Stocks Rise From Three-Week Low as Factory Output Advances(抜粋)

◎米国債:10年債が続落-FOMCは債券購入縮小すると市場は予想

米国債市場では10年債が下落。米連邦公開市場委員会(FOMC) が今週の会合で債券購入プログラムの規模をさらに縮小させると、アナ リストらは予想している。10年債は先週、週間ベースで2カ月ぶりの大 幅上昇となっていた。

10年債利回りは2営業日連続での上昇となった。クリミア自治共和 国がウクライナからロシアへの帰属を選んだ住民投票結果を受け、米国 と欧州連合(EU)はロシアやクリミアの当局者らに対する制裁を発動 した。FOMCは19日、毎月の債券購入額を550億ドルに減らし、政策 金利引き上げの見通しに関してガイダンスを改めると予想されている。 この日発表の経済指標では、ニューヨーク地区の製造業景況指数が上昇 し、米鉱工業生産指数では製造業の生産指数が6カ月ぶりの大幅な伸び となった。

グッゲンハイム・パートナーズ(ニューヨーク)の米政府債トレー ディング担当マネジングディレクター、ジェーソン・ローガン氏「週末 に戦争が勃発しなかったことから、これまで見られた質への逃避が落ち 着いたようだ」と分析。また米量的緩和については「FOMCがさら に100億ドル縮小しない理由はないように思われる」と述べた。

ブルームバーグ・ボンド・トレーダーによると、ニューヨーク時間 午後5時現在、10年債利回りは前週末比4ベーシスポイント(bp、1 bp=0.01%)上昇の2.69%。同年債(表面利率2.75%、2024年2月償 還)価格は10/32下げて100 1/2。

10年債利回りは先週13bp低下と、1月10日終了週以降で最大の下 げとなった。

10年債利回り予想

ブルームバーグ・ニュースの調査では、エコノミストやストラテジ ストは年末時点での10年債利回りの上昇予想を下方修正している。3月 7-12日に実施した調査では、10-12月(第4四半期)に3.35%に上昇 すると予想。前月の調査では3.40%と見込んでいた。

米商品先物取引委員会(CFTC)の週間建玉報告によると、ヘッ ジファンドなど大口投機家による10年債先物の持ち高は11日終了週にネ ットショートが拡大した。ショート(売り持ち)はロング(買い持ち) を11万8210枚上回った。

FOMC会合

FOMCはイエレン議長の下で初となる定例会合を今週開催する。 1月の会合では毎月の債券購入額を650億ドルに縮小。発表された声明 では「雇用市場の指標はまちまちだったが、ならして見るとさらなる改 善が示された」と記された。

また政策金利に関しては、失業率が6.5%を下回った後も「しばら くは」ゼロ付近に据え置く方針を維持した。

ジェフリーズの政府債エコノミスト、トーマス・サイモンズ氏は 「550億ドルに縮小するだろう。より重要なのは政策金利のフォワード ガイダンスだ」と指摘。「製造業は過去数カ月に弱さが見られるが、大 半は天候が原因だ。安定化の兆しが出始めている」と続けた。

ニューヨーク連銀が発表した3月の同地区の製造業景況指数は5.6 と、前月の4.5から上昇した。ブルームバーグ・ニュースがまとめたエ コノミスト予想の中央値は6.5だった。同指数はゼロが景況の拡大と縮 小の境目を示す。

米連邦準備制度理事会(FRB)が発表した2月の鉱工業生産指数 (製造業、鉱業、公益事業の生産を対象、季節調整値)によると、全体 の75%を占める製造業の生産指数は前月比0.8%上昇した。前月は0.9% 低下(速報0.8%低下)と2009年5月以来の大幅なマイナスとなってい た。ブルームバーグがまとめたエコノミスト予想の中央値は0.3%上 昇。2月の全体の鉱工業生産指数は0.6%上昇した。

原題:Treasuries Decline a Second Day Before Fed Amid Crimea Sanctions(抜粋)

◎NY金:反落、6カ月ぶり高値から下げる-米鉱工業生産で株価上昇

ニューヨーク金先物相場は反落。一時は6カ月ぶりの高値を付けた が、下げに転じた。米鉱工業生産指数が市場予想を上回る伸びとなった ことを背景に、代替投資の買いが減退した。2月の米鉱工業生産は製造 業の生産指数が昨年8月以来の大幅な伸びとなり、市場予想も上回っ た。S&P500種株価指数は一時1%上昇した。

ビジョン・ファイナンシャル・マーケッツ(シカゴ)の金属取引担 当ディレクター、デービッド・メーガー氏は電話インタビューで、「米 経済指標の強さを受けて、金の魅力がやや後退しており、連邦公開市場 委員会(FOMC)会合が再び焦点になっている」と指摘。「クリミア の情勢不安や暴力の兆し、ロシアに対する経済制裁があれば、金は再び 買われるだろう」と述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)COMEX部門の金先物4 月限は前週末比0.4%安の1オンス=1372.90ドルで終了。一時 は1392.60ドルと、中心限月としては昨年9月9日以来の高値をつけ た。

原題:Gold Falls From Six-Month High as Equities Gain on Factory Data(抜粋)

◎NY原油:5週ぶり安値、対ロシア制裁でも混乱なしとの見方

ニューヨーク原油先物相場は一時5週間ぶり安値に下落。またロン ドン市場の北海ブレント原油も5週ぶり安値で取引を終了した。米国と 欧州連合(EU)がロシアへの追加制裁に動いたものの、原油の供給に 支障が生じる可能性は低いとの見方が広がった。

エネルギー関連の商品に重点を置くヘッジファンド、アゲイン・キ ャピタル(ニューヨーク)のパートナー、ジョン・キルダフ氏は「初期 の制裁では原油の流れに影響は出ない」とした上で、「ロシア経済を減 速させる可能性はある」と加えた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物4月限は前週末 比81セント(0.8%)安の1バレル=98.08ドルで終了。一時97.37ドル と、日中ベースでは2月7日以来の安値を付けた。

ロンドンのICEフューチャーズ・ヨーロッパで取引されるブレン ト先物5月限は1.97ドル下げて1バレル=106.24ドル。終値としては2 月4日以来の安値。

原題:WTI Falls, Brent Drops to Five-Week Low as Russia Sanctions Set(抜粋)

◎欧州株:反発、RWEやボーダフォンが高い-M&A活発化で

17日の欧州株式相場は反発。指標のストックス欧州600指数は先 週、週間ベースで1月以来の大幅下落となっていた。この日は企業の合 併・買収(M&A)の動きが再び活発化したことを背景に、ドイツの公 益事業会社RWEや英携帯電話サービスのボーダフォン・グループが買 われた。

RWEは1.3%上昇。子会社RWE・Deaを51億ユーロでレター ワン(L1)エナジーに売却することが決まった。ボーダフォン は1.7%高。同社はスペインのケーブルテレビ(CATV)運営事業者 グルポ・コルポラティボOnoの買収で合意した。ドイツの保険会社ア リアンツは2カ月ぶりの大幅高。イタリアのウニポル・グルッポ・フィ ナンツィアリオからの資産購入で合意に至った。

ストックス欧州600指数は前週末比1.1%高の325.83で終了。先週 は3.3%下げた。ウクライナ南部クリミアのロシアへの帰属替えを問 う16日の住民投票の結果が注目されていた。

クレアインベスト(ジュネーブ)の共同創業者、イオンマーク・バ ラフ氏は電子メールで、「投資家は地政学をめぐる問題からファンダメ ンタルズへと軸足を元に戻した」と指摘。さらに「M&A活動でセンチ メントが明るくなりつつある。これで向こう数カ月に良い経済データが 得られれば、株式相場は最近の調整から持ち直すと思う」と語った。

クリミアの住民投票では、96.8%がロシア編入を支持したと、住民 投票責任者が明らかにした。欧州連合(EU)は「住民投票は違法で正 当性がなく、結果は認識されない」との声明を出した。

17日の西欧市場ではアイスランドを除く17カ国で主要株価指数が上 昇。仏CAC40指数は1.3%、独DAX指数は1.4%それぞれ上げた。英 FTSE100指数は0.6%高。

原題:European Stocks Climb as RWE, Vodafone Advance on M&A Activity(抜粋)

◎欧州債:ポルトガルなど周辺国債上昇-クリミアの影響軽微との見方

17日の欧州債市場ではポルトガルなど周辺国債が上昇。ウクライナ からロシアへの帰属替えが支持されたクリミア住民投票の結果は深刻な 対立を引き起こさないとの見方が広がり、ユーロ圏の高利回り債を求め る動きが強まった。

米国と欧州連合(EU)は住民投票は違法と非難し制裁措置を決定 したが、イタリアとスペインの国債相場は上昇。ギリシャ国債も値上が りした。債権団との合意が近いと伝えられたことが買い材料。先週大き く上げたドイツ10年債はこの日は下げた。支援策脱却に近付きつつある ことも、ポルトガル国債の支援要因となった。

DZ銀行(フランクフルト)の調査アナリスト、フェリックス・ヘ ルマン氏は「住民投票の結果を西側諸国は受け入れていないものの深刻 な対立には向かっていない。これでリスク回避の動きが収まっている」 と発言。ポルトガル債については「スペインやアイルランドといった周 辺国に比べ、上昇が大きい」との見方で投資家に魅力的だとも語った。

ロンドン時間午後4時27分現在、ポルトガル10年債利回りは前週末 比7ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低下の4.53%。11日に は4.31%まで下げ、2010年4月以来の低水準を付けていた。同国債(表 面利率5.65%、表面利率5.65%、2024年2月償還)価格はこの日、0.58 上げ108.79となった。

ウクライナ政府やEU、米国が違法と見なすクリミアの住民投票で は、約97%の有権者がロシア編入を支持した。

イタリア10年債利回りは3bp低下の3.38%、同年限のスペイン国 債利回りは2bp下げ3.32%。ギリシャ10年債利回りは19bp低下 し7.04%となった。

ドイツ10年債利回りは2bp上昇の1.57%。先週は11bp低下と、 昨年9月27日終了週以来の大きな下げとなっていた。14日には同年7 月19日以来の低水準となる1.50%まで低下した。

原題:Portuguese Bonds Advance With Italy, Spain After Crimea’s Vote(抜粋)

--取材協力:.

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