クリミア情勢緊迫による商品相場の上昇、供給潤沢で緩和

ウクライナとロシアをめぐる緊張が 高まり金相場が上昇している。一方、欧州の天然ガス在庫が記録的高水 準にあり、穀物は世界的に豊作が予想されている上、ロシア産原油の禁 輸措置が導入されれば制裁を科す側の経済も打撃を受ける恐れがあるこ とから、商品相場の上昇は緩やかだ。

欧州の指標となる英国のガス価格は、ウクライナ危機が始まった2 月末以降5.1%上昇しているものの、この時期としては依然、2010年以 来の安値。北海ブレント原油相場は0.6%下落している。小麦は15%、 トウモロコシは4.7%、それぞれ上昇したが、ロシアとウクライナが輸 出を抑制した10年の高値をいずれも約25%下回る水準にある。安全資産 への需要が高まる中、金相場は今月14日に半年ぶりの高値に上昇した。

ロシアのクリミア自治共和国への介入による相場変動は、供給が潤 沢であるために限定的となっている。暫定的な結果によると、クリミア で16日に実施されたロシアへの編入の賛否を問う住民投票では賛成票が 過半数を占めた。欧州はガスの約3分の1をロシアから調達しており、 その約半分がウクライナ経由で輸送される。ロシアの経済成長は3年連 続で鈍化しており、輸出収入への依存度が高まっている。欧州で協議さ れているロシアへの制裁措置は、エネルギー関連よりも資産凍結と査証 (ビザ)発給停止に重点が置かれている。

シティグループのエネルギー調査担当責任者、セス・クラインマン 氏(ロンドン在勤)は「欧州はロシア産エネルギーを必要としている し、ロシアは欧州の資金を必要としている」と指摘した。

原題:Commodity Prices Cushioned From Crimea Vote by Ample Supply (2)(抜粋)

--取材協力:Anthony DiPaola、Maher Chmaytelli、Robert Tuttle、Nayla Razzouk.

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