三菱地所:南青山の高級物件を建て替えへ-費用は鹿島が負担

三菱地所が東京・南青山に建設中の 高級マンションの工事に不具合が生じていた問題で、建て替えを決定し たことが17日までに明らかになった。取り壊しと新たな建設費用は施工 業者である鹿島建設が負担する。

三菱地所の渡辺昌之広報担当によれば、15、16の両日に都内で契約 者向けに説明会を開き、こうした方針を伝えた。説明会には両日で7割 以上の契約者が出席した。建て替えには3-4年かかる見通しで、建て 替え完了後には現契約者は希望すれば優先的に入居のための再契約がで きるという。

鹿島の株価は一時前週末比12円高(3.3%)まで上昇していたが、 こうした報道が伝わると下落に転じ、終値は6円安(1.7%)の353円。 三菱地所は一時同2.8%、関電工は同2.9%まで下落し、それぞれ45円安 (1.9%)の2376円、12円安(2.3%)の507円で取引を終えた。

三菱地所は2012年に着工した同物件について、6月をめどに準備が 整い次第取り壊しなど建て替えに着手するとしている。鹿島への求償額 と内容についてはこれから検討するとしている。鹿島の横手誠一郎広報 担当によれば、機械設備協力会社の関電工とも費用負担などについて今 後協議していく。

高級物件

三菱地所レジデンスが販売していた「ザ・パークハウス グラン南 青山高樹町」は南青山7丁目に位置する全86戸。価格帯は1億4000万円 台が中心で最高は3億5000万円と高級物件だった。工事の不具合が昨 年12月に見つかり、契約者への引き渡しを断念し販売を中止していた。 当初の引き渡し予定日は3月20日だった。

鹿島の広報部は「施工不具合により事業主や購入者に多大な迷惑を 掛けており、深くお詫びする」などとコメント。また、「建て替えによ り顧客に満足いただける建物を完成させることが施工主としての責務で あると判断した」としている。

三菱地所は今年に入り契約者に対し合意解約を要請、協議を進めて きた。これまでの調査の結果、壁や床の配管用貫通孔が施工されていな かったり、位置が間違っていたりする欠陥が判明。新たに梁にも問題が 見つかった。是正には長期間を要すると判断したため、契約をいったん 解除し、問題箇所の是正工事を行うか全てを建て替えるかなどの選択肢 を検討していた。

建て替えコスト100億円の見方も

ブルームバーグ・ニュースが取材した複数のアナリストは、建て替 えに必要な費用について、今後の資材価格の変化などにもよるが、取り 壊しも含めて約60億円から100億円に上ると予測している。

三菱地所の渡辺氏は今回の建て替えについて、同じ場所に住みたい など契約者の多くが建て替えを希望したことから実施することを決定し たと述べた。建て替えの費用についてはコメントしなかった。

六本木通りに近い南青山7丁目の建築現場は、周囲に住居や商業施 設が立ち並ぶ。新たな工事にはあらためて近隣の協力も必要となる。三 菱地所によれば、工事は地中の基礎は残したまま、地下の駐車場や地上 の建物を解体して建て替える予定。

関電工の野本隆史広報担当は、今後の賠償や新たな負担については 鹿島と「今後協議していく」とコメントしている。

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