日本株は4日続落、ウクライナ情勢を警戒-不動産や金融中心

東京株式相場は4営業日続落。クリ ミアの住民投票実施後もウクライナ情勢をめぐる混乱は収束せず、世界 経済や金融市場の先行きを懸念する売りが続いた。不動産や金融株など 投資リスクに敏感なセクターのほか、建設、電機など東証1部33業種 中、32業種が安い。

TOPIXの終値は前週末比9.77ポイント(0.8%)安の1154.93、 日経平均株価は49円99銭(0.3%)安の1万4277円67銭。

ニッセイアセットマネジメントの久保功株式ストラテジストは、 「日本株は基本的に割安」としながらも、欧米とロシア双方が「原則論 を主張してウクライナ情勢に解決の方向が見出せないため、反発のきっ かけがつかみにくい」と言う。

ウクライナ南部のクリミア自治共和国は16日、ロシアへの帰属を問 う住民投票を実施。選挙管理委員会が発表した暫定開票結果によると、 ロシア編入への賛成が95.5%に達した。投票率は82.7%。クリミア自治 共和国のアクショーノフ首相は記者団に、来週にもクリミアはロシアに 編入される可能性があると発言した。

一方、米国ホワイトハウスは16日、国際社会は「ロシア軍の介入に よる暴力の脅しと威嚇の下で行われた住民投票の結果を認めないだろ う」との声明を発表。ロシアがクリミア編入を強行すれば、制裁を行う 考え。欧州連合(EU)は17日に外相理事会を開き、ロシアによるクリ ミア掌握に関わった人物の資産凍結や査証(ビザ)発給禁止などの措置 を決めるほか、20-21日のEU首脳会議でさらなる措置を協議する。

ロシア大統領府のウェブサイトの声明によると、プーチン大統領は オバマ米大統領と電話で会談し、クリミア住民投票は国連憲章に合致し ていると指摘した。

引けにかけ下げ渋り、代金2兆円割れ

きょうのドル・円相場は、ロシアと欧米の対応を見極めたいとの姿 勢からこう着感が強く、おおむね1ドル=101円30-50銭で推移した。 東京株式市場の14日終値時点は101円67銭だった。為替と同様、株式市 場も様子見ムードが強く、東証1部の売買代金は2兆円を割り込むなど 低水準だった。

「クリミアでの投票結果は予想通りだが、これを受けてロシアと欧 米との経済制裁の応酬になってくる可能性がある」と、みずほ証券の倉 持靖彦投資情報部長。米欧がロシアへ経済制裁すればロシア経済が痛手 を受けることで、ロシアを輸出相手とする欧州、欧州を輸出相手とする 中国に影響が出てくると同氏は分析。さらに、ロシアの通貨安や債券安 を通じ、欧州金融機関に対する懸念も生じやすいとしていた。

もっとも、海外に比べ前週の下げがきつかった日本株は、2月4日 の年初来安値に接近してきた事情もあり、取引終了にかけては下げ渋 り。先週の日経平均は週間で946円41銭下落、6.2%安と東日本大震災直 後の2011年3月3週以来の下落幅を記録していた。同期間のストックス 欧州600は3.3%安、米S&P500種株価指数は2%安にとどまる。三菱 UFJモルガン・スタンレー証券の藤戸則弘投資情報部長は、ウクライ ナリスクは「先週の日本株急落の過程で相当織り込んでいる」と見る。

東証1部33業種は不動産、建設、ガラス・土石製品、金属製品、証 券・商品先物取引、その他金融、卸売、サービス、電機など32業種が下 落。情報・通信の1業種のみ高い。売買代金上位ではNTT、日立製作 所、住友不動産、三井物産、オリックス、ソニー、コマツ、ニコンなど が下落。前2月期利益が計画比下振れたイオンも安い。これに対し、中 国のアリババの新規株式公開(IPO)手続き開始が好感されたソフバ ンクが急伸。クボタや日東電工は高い。

東証1部の売買高は19億9496万株、売買代金は1兆8681億円。値上 がり銘柄数は213、値下がりは1511。

--取材協力:竹生悠子

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