クリミア住民投票、ロシア編入承認が確実に-欧米は制裁強化へ

ウクライナ南部のクリミア自治共和 国で16日実施されたロシアへの編入の賛否を問う住民投票では、編入支 持が95.5%に上った。選挙管理委員会が暫定開票結果を発表した。米国 と欧州連合(EU)はロシアに対し、クリミアの編入を行わないよう警 告。冷戦終結後で最も緊迫した外交的にらみ合いが続く中、対ロシア追 加制裁の発動が近づいている。

選挙管理委によると、投票率は82.7%だった。ウクライナ政府と EU、米国はいずれも今回の住民投票は違法との認識を示している。

ロシアがクリミア編入を強行すれば制裁を行うと米国や欧州が警告 を発する中、キエフのウクライナ暫定政府によればロシアはウクライナ 国境付近に約6万の兵力を配備している。ウクライナはロシア国境を封 鎖。当局者が16日に明らかにしたところによれば、今後15日間で最大1 万5000人の志願兵動員が見込まれる。

ホワイトハウスはこの日、国際社会は「ロシア軍の介入による暴力 の脅しと威嚇の下で行われた住民投票の結果を認めないだろう」との声 明を発表。「ロシアの行動は情勢を不安定化させる危険なものだ。軍事 介入と国際法違反によりロシアが払う代価は一段と大きくなる」と表明 した。

ヘイグ英外相は電子メールで配布した声明で、クリミアの住民投票 は「法律と憲法に反し、正統性を欠く」と指摘。EUはロシアに対し 「断固たる協調対応」を講じる必要があると述べた。

EUは17日に外相理事会を開き、ロシアによるクリミア掌握に関わ った人物の資産凍結や査証(ビザ)発給禁止などの措置を決める見込 み。EU当局者が明らかにした。20-21日のEU首脳会議でさらなる措 置について協議する。

新たな冷戦時代も

ロンドンに本拠を置くソブリンリスクのコンサルティング会社スピ ロ・ソブリン・ストラテジーのマネジングディレクター、ニコラス・ス ピロ氏は電子メールで、「現在、市場のセンチメントを最も動かす要因 である中国とクリミア」によって「最も打撃を受ける」のがロシア資産 だと分析。「プーチン大統領のウクライナ介入によりロシア資産は足を すくわれた。ロシアの債券市場は通常安定しているが、日ごとに脆弱 (ぜいじゃく)になっている」と指摘した。

IHSグローバル・インサイトのロンドン在勤シニアエコノミス ト、リリット・ゲボーギアン氏は「為替・株式市場では既にロシアの通 貨と株式が売りたたかれており、EUによる制裁の憶測で資本を避難さ せる動きは加速するばかりだ」と説明した。

ウクライナ当局は15日、ロシア軍が既に掌握しているクリミア半島 からヘルソン州に侵入したと非難した。

欧州国際政治経済研究所(ECIPE)のディレクター、フレドリ ック・エリクソン氏は電話インタビューで、「われわれは新たな冷戦時 代の瀬戸際にある。欧州がロシアを経済・政治的に統合可能な無害な国 として見なすことができた時代は過去のものになろうとしている」と指 摘した。

ルーブルへ移行

クリミア自治共和国のアクショーノフ首相は記者団に対し、クリミ アとロシアの完全な統合には1年はかかるだろうが、来週にもロシアに 編入される可能性があると発言した。またロシア通信(RIA)によれ ば、クリミアのテミルガリエフ副首相は16日、通貨を4月1日にウクラ イナ・フリブナからロシア・ルーブルに移行すると述べた。

EUと米国がロシア制裁の強化を表明するなか、ロシアのプーチン 大統領はクリミア住民投票は合法だと言明。16日のメルケル独首相との 会談で、ロシアはクリミアの選択を尊重するだろうと述べた。

原題:West Warns Russia Not to Annex Crimea After Disputed Referendum(抜粋)

--取材協力:Scott Rose、Ksenia Galouchko、Vladimir Kuznetsov、Elena Mazneva、Patrick Donahue、Daryna Krasnolutska、Jake Rudnitsky、Ott Ummelas、Kateryna Choursina、Gopal Ratnam、Angela Greiling Keane、Andras Gergely、Thomas Penny、Lyubov Pronina、Catherine Dodge、Sangwon Yoon、Zulfugar Agayev.

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