【今週の債券】長期金利0.6%台上限探る、20年入札警戒-リスクオフも

今週の債券市場で長期金利は0.6% 台で上昇余地を探る展開が予想されている。超長期債の需給悪化懸念を 背景に今週実施の20年債入札への警戒感が出ているためだ。半面、ウク ライナ情勢が一段と緊迫化すれば金利が切り下がるとの見方もある。

長期金利の指標となる新発10年物国債利回りについて、ブルームバ ーグ・ニュースが14日に市場参加者3人から聞いた今週の予想レンジは 全体で0.59%-0.67%となった。前週末終値は0.62%だった。

前週の長期金利は一時0.645%と1月29日以来の高水準に達した。 日本銀行が13日実施した長期国債買い入れオペで、残存期間が10年超の 債券購入を減らしたことで、長いゾーンの需給悪化懸念が強まった。週 末には16日のウクライナ南部クリミア自治共和国でロシア編入の是非を 問う住民投票を控えてリスクオフ(回避)の動きから円高・株安が進行 し、金利水準が切り下がった。

16日実施のクリミア住民投票の暫定開票の結果、ロシア編入への賛 成は95.5%となったことが明らかになった。ロシアのプーチン大統領は 週内にも編入か、実効支配か決断する見込み。

野村証券の松沢中チーフストラテジストは、リスクオフの流れに戻 る気配としながらも、「日本国債市場では独自の需給要因から金利低下 が阻まれそう」と言う。2月以降の超長期債入札が不調で20年債入札を 前に金利水準の調整が足りないとの不安が広がっていることに加え、日 銀による超長期債の買い入れ減少や4月からの30年債増発などを背景に 利回り曲線はスティープ(傾斜)化したと指摘。「下手をすると4月前 半までこれらが相場の足を引っ張りそうだ」とみる。

20年債入札

18日に20年利付国債(3月発行)の価格競争入札が実施される。発 行額は前回債と同額の1兆2000億円程度。14日の入札前取引で20年物 は1.51%程度で推移しており、表面利率(クーポン)は前回より0.1ポ イント低い1.5%となる見込み。

財務省は20日に国債投資家懇談会、国債市場特別参加者(プライマ リーディーラー)会合をそれぞれ開催する。投資家からの需要が強い既 発国債を追加発行する「流動性供給入札」について、プライマリーディ ーラー各社に4月から応札義務を付けることなどについて協議する見込 みだ。

前週末に集計した市場参加者の今週の予想レンジは以下の通り。先 物は6月物、10年国債利回りは333回債。

◎クレディ・スイス証券の宮坂知宏債券調査部長

先物6月物144円50銭-145円00銭

10年国債利回り=0.60%-0.65%

「10年債は利回り水準が低く、リスクオフで株価が大きく下げる場 面でも投資家は積極的に買いづらいだろう。期末が近づいて流動性が低 い中、0.6%台半ばでの買い待ちだ。超長期ゾーンは20年債入札に向け て調整する可能性がある。10年超の国債買いオペ減額の影響が懸念され ている上、生保も負債コストと比べて今の利回り水準を買っていくイン センティブはあまりない」

◎DIAMアセットマネジメントの山崎信人上席ファンドマネジャー

先物6月物144円45銭-144円95銭

10年国債利回り=0.60%-0.65%

「クリミアではロシア編入の是非を問う住民投票が行われ、一方で 米欧各国がロシアに圧力をかける公算が大きいため、リスク回避の傾向 が強まりそう。内外の株式相場の先高期待が大きく後退することが国内 債をサポートする。18日の20年債入札では、期末接近に伴う投資家不在 には警戒が必要だが、入札をこなせば供給圧力が弱まって需給は徐々に 正常化に向かう。4月以降は新たな投資資金の流入も期待できる」

◎JPモルガン・アセット・マネジメントの塚谷厳治債券運用部長

先物6月物144円20銭-145円00銭

10年国債利回り=0.59%-0.67%

「米連邦公開市場委員会(FOMC)では今まで通りのペースで量 的緩和縮小を行う見通し。クリミア以外のウクライナ内部ではロシア派 と非ロシア派に分かれており、内戦状態になると話がややこしくな る。20年債入札については、足元で利回り曲線が傾斜化したので投資家 は買いやすくなっている。最近の円高・株安の動きもあって無難な結果 になるのではないかとみている」

--取材協力:赤間信行、池田祐美、船曳三郎

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE