ゴールドマン、クレムリンとの約束と成長見通しの間で板挟み

ゴールドマン・サックス・グループ が、ロシアによるクリミア侵攻で困った立場に立たされた。同社は1年 前にロシアの魅力を投資家に対して高める業務をクレムリンから請け負 っているのだが、同社エコノミストらは13日、ウクライナ危機で企業が 投資を手控えるとの見通しを示しロシアの成長率予想を引き下げた。

同エコノミストらは2014年のロシア経済成長率予想を1%と、従来 の3%から引き下げた。シティグループとバンク・オブ・アメリカ (BOA)も、ロシア成長率の見通しを引き下げている。ゴールドマン の下方修正はロシア株の売り加速の一因となった。株安は、同国のプー チン大統領がウクライナ南部のクリミア半島に軍を送り込み緊張が高ま ったことで始まった。最も頻繁に取引される銘柄で構成するブルームバ ーグのロシア株の指数は13日に3%下落。月初来の下落率は13%に達し た。

ゴールドマンはロシアが外資を呼び込むための手助け役として3年 契約を結んだが、投資家は逆にロシア金融市場から逃げ出しつつある。 通貨ルーブルは10%下落して過去最低となり、国債利回りは105ベーシ スポイント(bp、1bp=0.01%)上昇した。同社は13日、ウクライ ナ危機によるロシア経済への「直接的な影響」は限定的である公算が大 きいものの、紛争はロシアに対する企業経営者らの信頼を失わせ、成長 の足かせとなるだろうと指摘した。

ソラリス・アセット・マネジメント(ニューヨーク)のティモシ ー・グリスキー最高投資責任者は「ゴールドマンは一方でロシアのプロ モーションをしながら、他方で成長予想を引き下げている。ゴールドマ ンのような大きな投資銀行の中には異なる業務を手掛ける部門を隔てる 壁がある」と解説し、同じ会社の異なる部門が別々の意見を持つのは、 偏りのない意見に触れたい投資家にとってプラスだと話した。

ゴールドマンのモスクワ在勤の広報担当者、トム・ブラックウェル 氏は13日の電話でコメントを控えた。

ゴールドマンはロシア経済発展省及び政府系ファンドのロシア直接 投資基金(RDIF)との間で、投資家とのコミュニケーションや会議 の設定について助言する契約を結んだと、ゴールドマン投資銀行部門の モスクワ在勤マネジングディレクター、セルゲイ・アルセニエフ氏が昨 年2月に明らかにしていた。

原題:Goldman’s Kremlin Job Undermined as Russian Stock Rout Deepens(抜粋)

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