中国アリババが米国でのIPO手続き開始、香港は選択せず

更新日時

中国最大の電子商取引運営会社アリ ババ・グループ・ホールディングは新規株式公開(IPO)手続きを開 始した。米国でのIPOの規模としては、2012年のフェイスブック以来 で最大となる見込み。香港の証券当局に自社の企業統治制度を認めさせ ることが難航したことから、米国上場を選択した。

事情に詳しい複数の関係者によると、アリババはクレディ・スイ ス・グループ、ドイツ銀行、ゴールドマン・サックス・グループ、JP モルガン・チェース、モルガン・スタンレー、シティグループとともに IPO手続きを進める計画だ。

投資銀行は元英語教師のジャック・マ(馬雲)会長が創業したアリ ババの企業価値を最大2000億ドル(約20兆2800億円)と試算しており、 インターネット企業としては時価総額で米グーグルに次ぐ2位となる見 通し。

テクノロジー企業に助言する企業BDAチャイナのダンカン・クラ ーク会長は「資本蓄積と投資家の洗練度で米国は明らかに有利だった」 と指摘。「馬雲会長と経営陣は企業統治をめぐり、香港市場が適応でき ないと判断したようだ」と述べた。

アリババは16日の発表資料で、「将来状況が許せば」中国での将来 の上場を検討する可能性があると説明した。日本のソフトバンクはアリ ババ株の約37%を保有している。

同関係者によると、アリバパは米国のどの市場で株式を公開するか や資金調達規模、放出する株式数をまだ決めておらず銀行団との正式契 約に至っていない。ゴールドマンとJPモルガン、クレディ・スイス、 ドイツ銀、シティの各担当者はコメントを避けた。モルガン・スタンレ ーの広報担当にもコメントを求めたが、現在のところ返答はない。

4月にも目論見書

事情に詳しい関係者によると、アリババIPOの目論見書は4月に も公表される可能性がある。関係者2人によると、IPO申請に際し て、ニューヨークの法律事務所シンプソン・サッチャー・アンド・バー トレットを起用した。

アーンスト・アンド・ヤングは昨年6月28日、アリババがIPOに よって1000億香港ドル(約1兆3000億円)前後を調達可能との試算を示 している。この水準なら12年5月のフェイスブックIPO(160億ド ル)以来の大型上場となる。

17日のソフトバンク株価は、アリババのIPO関連の報道を受けて 反発し、一時前営業日比6.6%高と昨年8月1日以来、約7カ月半ぶり の日中上昇率となった。午前10時56分現在は同5.2%高となる8134円。

SMBC日興証券の菊池悟アナリストは、アリババの時価総額が15 兆-20兆円になればソフトバンク株価に上昇余地が出てくると指摘。孫 正義社長はアリババのIPOで生み出された投資余力を「ITやインタ ーネット関連の合併・買収(M&A)に使っていく」と予測した。

岩井コスモ証券の川崎朝映アナリストは、アリババのIPOはソフ トバンクが検討する米携帯電話4位、TモバイルUSの買収について も、資金面でプラスになると話した。

原題:Alibaba Starting U.S. IPO Process as Hong Kong Proposal Falters(抜粋)

--取材協力:Zijing Wu、Fox Hu、Jonathan Browning、天野高志.

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE