米国債:週間ベースで2カ月ぶりの大幅高-クリミア懸念で

米国債は週間ベースで2カ月ぶりの 大幅上昇。ウクライナ動乱を背景に、投資家は米国債に安全を求めて資 金を逃避させた。

10年債利回りは10日ぶり低水準をつけた。ケリー米国務長官とロシ アのラブロフ外相はロンドンで会談したがウクライナをめぐるこう着状 態の打開には至らなかった。エストニアの国防相はこの日、ロシアがウ クライナ東部に侵攻する準備を整えていると述べた。米連邦準備制度理 事会(FRB)が海外中央銀行などから預かっている債券残高(カスト ディ残高)は過去最大の落ち込みとなった。制裁の恐れがあることを背 景に、ロシアが保有資産を米国外に移管したとの観測が強まった。

ソシエテ・ジェネラルの米国債トレーディング責任者、ジェフリ ー・フェイゲンウィンター氏(ニューヨーク在勤)は「ウクライナ情勢 に対する不安感」を材料に米国債相場が動いていると述べ、「利回り水 準2.60%が強い抵抗線になっている。ロシアが実際に侵攻した場合、利 回りは下がる可能性があるが、この水準は守るだろう」と続けた。

ブルームバーグ・ボンド・トレーダーによると、ニューヨーク時間 午後5時現在、10年債利回りは前日比1ベーシスポイント(bp、1b p=0.01%)上昇の2.66%。一時は3月4日以来の低水準となる2.61% に下げた。週間ベースでは13bp低下と、1月10日終了週以来で最大の 落ち込みだった。同年債(表面利率2.75%、2024年4月償還)価格 は3/32下げて100 26/32。

ブルームバーグ米国債指数は月間ベースでほぼ変わらず。年初から 前日までに2.1%上昇した。

カストディ残高

FRBのデータによると、3月12日終了週にカストディ残高は1040 億ドル減少して2兆8600億ドル。12月時点でロシアの米国債保有残高 は1386億ドルと、世界で9番目に高い水準だった。

ケリー長官とラブロフ外相は6時間にわたり会談した。ケリー長官 が会談後の記者会見で述べたところによると、プーチン露大統領は「日 曜の住民投票が終了するまではウクライナについて何も決断を下さな い」。ラブロフ外相は危機解決について「共通のビジョンがない」と述 べた。

HSBCホールディングスの世界債券調査責任者、ショーン・メー ジャー氏は「誰もが分かり合えるシナリオは想像し難い。週明けに全て が解決しているという状況にはならないだろう。極めて最悪な状況か、 でなければ非常に悪い状況だろう」と続けた。

中国の動向

前日発表された中国の統計によると、1-2月の工業生産と小売売 上高の伸びは市場予想を下回った。

キャンター・フィッツジェラルドの金利トレーディング責任者、ブ ライアン・エドモンズ氏は「投資家はウクライナの情勢に若干神経質に なっており、中国の動向にも留意している」と述べた。「これらの要素 を組み合わせると、前日の30年債入札での旺盛な需要につながる。投資 家はデュレーション(平均残存期間)の長い債券を必要としている」と 続けた。

米労働省によると、生産者物価指数(PPI)最終需要は前月 比0.1%低下した。ブルームバーグ・ニュースがまとめたエコノミスト 予想の中央値は0.2%上昇だった。前年比では0.9%上昇だった。

原題:Treasuries Post Largest Weekly Gain in 2 Years on Crimea Turmoil(抜粋)

--取材協力:Wes Goodman.

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