3月14日の海外株式・債券・為替・商品市場

欧米市場の株式、債券、為替、商品相場は 次の通り。

◎NY外為:円が対ドル5日続伸、ウクライナ情勢で逃避需要

ニューヨーク外国為替市場では円が対ドルで5日続伸。過去10カ月 で最長の上昇局面となった。クリミアのウクライナからの分離につなが り得る住民投票を16日を控え、円への逃避需要が高まった。

ロシア・ルーブルは主要31通貨の大半に対して下落した。ケリー米 国務長官とロシアのラブロフ外相はロンドンで6時間にわたり会談した が、ウクライナ問題のこう着打開には至らなかった。ユーロは対ドルで 一時0.5%上昇した。テクニカル要因から損失覚悟のドル売り注文が発 動したとみられている。

BNPパリバのディレクター、マサフミ・タカダ氏は「明らかに市 場はロシア、ウクライナ情勢、今週末のクリミア住民投票に対して非常 に神経質になっており、それは全てリスク回避の動きのつながってい る」と指摘した。

ニューヨーク時間午後5時現在、円はドルに対し前日比0.5%高の 1ドル=101円36銭。週間では1.9%上昇し、1月24日以来の大幅高とな った。5日続伸は昨年5月1日以来。対ユーロでは0.2%高の1ユーロ =141円03銭。ユーロは対ドルで0.3%高の1ユーロ=1.3914ドル。一時 は1.3937ドルまで上昇した。スイス・フランは対ドルで0.3%高の1ド ル=87.24サンチーム。

ロンドン&キャピタル・グループの資金運用グローバル責任者、ス ティーブン・コリンズ氏は「ユーロ・ドルのストップオーダーがいくつ かの水準で発動したようだ」と述べた。

ルーブル

ルーブルは対ドルで0.2%安の1ドル=36.6326ルーブル。一時 は36.7037ルーブルと、3日以来の低水準を付けた。

ケリー長官はラブロフ外相とロンドンで会談し、クリミア半島を併 合しないよう圧力を掛けた。ウクライナ南部のクリミア半島はロシアへ の帰属替えの賛否を問う住民投票を16日に予定している。

ケリー長官が会談後の記者会見で述べたところによると、ロシアの プーチン大統領は「日曜の住民投票が終了するまではウクライナについ て何も決断を下さない」。ラブロフ外相は別の記者会見で、ロシアは住 民投票で示される「クリミア住民の意思を尊重する」と言明した。危機 解決について「共通のビジョンがない」とも述べた。

米国防当局者が匿名を条件に述べたところによると、ウクライナは 米国に軍事援助と武器を要請した。国防総省の当局者らは現在は外交と 経済支援に注力すべきだとの見解を示唆している。

「さらに深刻化も」

シティグループの欧州G10通貨戦略責任者、ワレンチン・マリノフ 氏は「16日のクリミア住民投票を控え、市場は引き続き保守的にポジシ ョンを組むだろう。投資家は地政学リスクがさらに深刻化することを警 戒している」と指摘。「円やフランなど流動性が高く安全な逃避先が上 昇するはずだ。市場は主要通貨に対してドルの売り持ちに変化しつつあ る」と語った。

商品先物取引委員会(CFTC)によると、ヘッジファンドなど大 口投機家による対ドルのフランの買越幅は11日現在、8957枚と前週 の2168枚から増加した。円の売越幅は9万9356枚と、前週の7万9709枚 から増加した。

原題:Yen in Longest Stretch of Wins Since May on Ukraine; Ruble Drops(抜粋)

◎米国株:続落、米ロがウクライナめぐる対立打開できず

米国株式相場は続落。ウクライナ南部クリミアで16日に予定されて いるロシアへの帰属を問う住民投票をめぐり、米国がロシアとの協議で 対立を打開できなかたことが背景。S&P500種株価指数は前日に5週 間ぶりの大幅安となっていた。

バンク・オブ・アメリカ(BOA)は2.1%安。米連邦預金保険公 社(FDIC)は金利の不正操作に関与したとして同行など16行を提訴 した。衣料品小売りのエアロポステールは急落。同社は赤字見通しと投 資会社から融資を受けたと発表したことから、手元資金が尽きつつある との懸念が強まった。一方、ヤフーは6営業日ぶりに上昇した。

S&P500種株価指数は前日比0.3%下げて1841.13。週間ベースで は1月以来の大幅下落となった。7日には終値の最高値を更新してい た。ダウ工業株30種平均はこの日43.22ドル(0.3%)安の16065.67ド ル。

ファースト・アメリカン・トラスト(カリフォルニア州サンタア ナ)の最高投資責任者(CIO)、ジェリー・ブラークマン氏は電話イ ンタビューで「足元の不安的な値動きはある程度予想していたことだ」 と指摘。「世界中で実に多くの異質な動きが見られる」と述べた。

ケリー米国務長官とロシアのラブロフ外相は14日、ロンドンで6時 間にわたり会談したが、ウクライナをめぐる対立の打開には至らなかっ た。

クリミア住民投票

ケリー長官が会談後の記者会見で述べたところによると、プーチン 露大統領は「日曜の住民投票が終了するまではウクライナについて何も 決断を下さない」。ラブロフ外相は別の記者会見で、ロシアは住民投票 で示される「クリミア住民の意思を尊重する」と言明した。危機解決に ついて「共通のビジョンがない」とも述べた。

3月の米トムソン・ロイター/ミシガン大学消費者マインド指数 (速報値)は79.9と、前月の81.6から低下。市場の予想外に低下し、4 カ月ぶりの低水準となった。

2月の生産者物価指数(PPI)も市場予想に反して前月比で低下 した。特にサービスは1年ぶりの大幅な低下だった。

S&P500種の業種別10指数中4指数が下落。テクノロジーや金融 株の下げが目だった。

BOAは2.1%安。2007-11年にロンドン銀行間取引金利 (LIBOR)の不正操作に関与したとして、FDICは同行やシティ グループ、クレディ・スイス・グループなどを提訴した。クレディ・ス イスは2.5%、シティグループは1%それぞれ下落。

ヤフーは高い

エアロポステールは20%安の5.83ドルと、2003年以来の安値となっ た。同社は2-4月(第1四半期)について1株当たり損失が最大75セ ントになるとの見通しを示した。アナリスト予想は17セントの損失だっ た。投資会社シカモア・パートナーズと戦略的な提携関係を結んだと し、シカモアから1億5000万ドルの融資を受けることも明らかにした。

ヤフーは1%高。中国最大の電子商取引運営会社アリババ・グルー プ・ホールディングは、4月にも米国市場で新規株式公開(IPO)を 申請するため準備を進めていると、事情に詳しい関係者が明らかにし た。ヤフーはアリババの24%を保有している。

原題:U.S. Stocks Fall After Yesterday’s Drop Amid Ukraine Standoff(抜粋)

◎米国債:週間ベースで2カ月ぶり大幅高-クリミア懸念で

米国債は週間ベースで2カ月ぶりの大幅上昇。ウクライナ動乱を背 景に、投資家は米国債に安全を求めて資金を逃避させた。

10年債利回りは10日ぶり低水準をつけた。ケリー米国務長官とロシ アのラブロフ外相はロンドンで会談したがウクライナをめぐるこう着状 態の打開には至らなかった。エストニアの国防相はこの日、ロシアがウ クライナ東部に侵攻する準備を整えていると述べた。米連邦準備制度理 事会(FRB)が海外中央銀行などから預かっている債券残高(カスト ディ残高)は過去最大の落ち込みとなった。制裁の恐れがあることを背 景に、ロシアが保有資産を米国外に移管したとの観測が強まった。

ソシエテ・ジェネラルの米国債トレーディング責任者、ジェフリ ー・フェイゲンウィンター氏(ニューヨーク在勤)は「ウクライナ情勢 に対する不安感」を材料に米国債相場が動いていると述べ、「利回り水 準2.60%が強い抵抗線になっている。ロシアが実際に侵攻した場合、利 回りは下がる可能性があるが、この水準は守るだろう」と続けた。

ブルームバーグ・ボンド・トレーダーによると、ニューヨーク時間 午後5時現在、10年債利回りは前日比1ベーシスポイント(bp、1b p=0.01%)上昇の2.66%。一時は3月4日以来の低水準となる2.61% に下げた。週間ベースでは13bp低下と、1月10日終了週以来で最大の 落ち込みだった。同年債(表面利率2.75%、2024年4月償還)価格 は3/32下げて100 26/32。

ブルームバーグ米国債指数は月間ベースでほぼ変わらず。年初から 前日までに2.1%上昇した。

カストディ残高

FRBのデータによると、3月12日終了週にカストディ残高は1040 億ドル減少して2兆8600億ドル。12月時点でロシアの米国債保有残高 は1386億ドルと、世界で9番目に高い水準だった。

ケリー長官とラブロフ外相は6時間にわたり会談した。ケリー長官 が会談後の記者会見で述べたところによると、プーチン露大統領は「日 曜の住民投票が終了するまではウクライナについて何も決断を下さな い」。ラブロフ外相は危機解決について「共通のビジョンがない」と述 べた。

HSBCホールディングスの世界債券調査責任者、ショーン・メー ジャー氏は「誰もが分かり合えるシナリオは想像し難い。週明けに全て が解決しているという状況にはならないだろう。極めて最悪な状況か、 でなければ非常に悪い状況だろう」と続けた。

中国の動向

前日発表された中国の統計によると、1-2月の工業生産と小売売 上高の伸びは市場予想を下回った。

キャンター・フィッツジェラルドの金利トレーディング責任者、ブ ライアン・エドモンズ氏は「投資家はウクライナの情勢に若干神経質に なっており、中国の動向にも留意している」と述べた。「これらの要素 を組み合わせると、前日の30年債入札での旺盛な需要につながる。投資 家はデュレーション(平均残存期間)の長い債券を必要としている」と 続けた。

米労働省によると、生産者物価指数(PPI)最終需要は前月 比0.1%低下した。ブルームバーグ・ニュースがまとめたエコノミスト 予想の中央値は0.2%上昇だった。前年比では0.9%上昇だった。

原題:Treasuries Post Largest Weekly Gain in 2 Years on Crimea Turmoil(抜粋)

◎NY金:続伸、6カ月ぶり高値-クリミア投票前に情勢緊迫

ニューヨーク金先物相場は続伸し、6カ月ぶりの高値となった。ロ シアとウクライナの情勢が緊迫化していることを背景に、安全逃避の買 いが入った。米国と欧州連合(EU)は制裁をちらつかせ、ウクライナ 南部のクリミア併合を思いとどまるようロシアに迫っている。クリミア はロシアへの帰属替えの賛否を問う住民投票を16日に予定している。

RJオブライエン・アンド・アソシエーツ(シカゴ)のシニア商品 ブローカー、フィル・ストライブル氏は電話インタビューで、「株式相 場などのリスクが高い資産から金の安全性にシフトする動きが見られ る」と述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)COMEX部門の金先物4 月限は前日比0.5%高の1オンス=1379ドルで終了。一時は1388.40ドル と、中心限月としては昨年9月10日以来の高値をつけた。

原題:Gold Rises to Six-Month High on Ukraine Tensions Before Vote(抜粋)

◎NY原油:続伸、ブレントも高い-IEAの需要予想を好感

ニューヨーク原油先物相場は続伸。国際エネルギー機関(IEA) が今年の世界石油需要見通しを上方修正したほか、ウクライナでの緊張 の高まったことを背景に北海ブレント原油も上昇した。

ストラテジック・エナジー・アンド・エコノミック・リサーチ(マ サチューセッツ州ウィンチェスター)のマイケル・リンチ社長は、 「IEAの報告書が確実に相場を押し上げる一助となった」と述べ、 「投資家の間で需要に対する安心感が広がった。クリミア情勢について は懸念している」と続けた。

ロンドンのICEフューチャーズ・ヨーロッパで取引されるブレン ト先物4月限は1.18ドル(1.1%)上げて1バレル=108.57ドル。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物4月限は前日 比69セント(0.7%)高の1バレル=98.89ドルで終了。

原題:Brent Crude Rises as IEA Forecasts Growing Demand; WTI Climbs(抜粋)

◎欧州株:約5週ぶり安値-クリミア情勢と中国経済を懸念

14日の欧州株式相場は下落し、指標のストックス欧州600指数は約 5週ぶりの安値を付けた。ロシアへの帰属を問うクリミアの住民投票 を16日に控えて、同指数は週間ベースでは2週続落となった。

フランスの建設・通信会社ブイグは2.9%安。同社が買収を目指し ているビベンディの仏電話部門SFRについて、仏政府はビベンディが 他社の買収案を選好していると明らかにした。デンマークの宝飾メーカ ー、パンドラは2.9%下落。同社株主らが45億1000万クローネ相当の株 式売却で合意したことが嫌気された。一方、イタリアのモンテ・デイ・ パスキ・ディ・シエナ銀行は2%上昇。JCフラワーズが同行への出資 に関心を寄せていると伝えられたことが手掛かりとなった。

ストックス欧州600指数は3日続落し、前日比0.7%安の322.23で引 けた。前週末比では3.3%下げた。クリミアをめぐるウクライナとロシ アの対立に加え、中国が発表した経済データが予想を下回ったことが背 景にある。

クリーゲル・アンド・ハフナー(ベルリン)のシニア市場ストラテ ジスト、アンドレアス・リプコウ氏は電話インタビューで、「一触即発 事態につながりかねない2つの要因があるため、市場は神経質になって いる」と発言し、「1つ目はクリミアをめぐる危機で、住民投票が注視 されている。第2は中国景気の持ち直しが考えられていたよりも難しそ うな兆候が出てきたことだ。次に何が起こるか把握するのは困難なた め、投資家らはリスクオフで守りの姿勢を固めている」と続けた。

14日の西欧市場では18カ国中16カ国で主要株価指数が下落。独 DAX指数は0.4%、仏CAC40指数は0.8%それぞれ下げた。英 FTSE100指数は0.4%安となった。

原題:European Stocks Fall to Lowest in More Than Five Weeks on Crimea(抜粋)

◎欧州債:ドイツ国債が週ベースで上昇-クリミア情勢で質への逃避

今週の欧州債市場ではドイツ国債が上昇し、10年債利回りは7カ月 ぶり低水準を付けた。欧米がロシアにウクライナのクリミアを併合しな いよう圧力を強める中、比較的安全とされる資産を求める動きが強まっ た。

指標のドイツ10年債利回りは週間ベースで、昨年9月以来の大幅低 下となった。16日にはクリミアでロシアへの帰属替えを問う住民投票が 行われる。14日の欧州債市場でイタリアとスペインの10年債は値上がり したものの、両国債のドイツ10年債に対する利回り上乗せ幅(スプレッ ド)は週間ベースで1月以来初めて拡大した。欧州株式相場は下げた。

BNPパリバ(パリ)の債券ストラテジスト、パトリック・ジャッ ク氏は「中核国の国債相場が上昇、スプレッドは再び拡大、株式相場は 下落という状況で、これは地政学的リスクを恐れた純粋な質への逃避 だ」と語った。

ロンドン時間午後5時現在、ドイツ10年債利回りは前日比ほぼ変わ らずの1.55%。前週末比では11bp低下と、昨年9月27日終了週以来の 大きな下げ。一時は1.50%と、同年7月19日以来の低水準となった。同 国債(表面利率1.75%、2024年2月償還)価格は101.86。

ロシアがウクライナの新政権はもはや自国を統治できていないと警 告し、ロシアが軍事介入を拡大するとの懸念が広がった。これに対し、 ケリー米国務長官はロシアにクリミア併合を思いとどまるよう求めた。 米国と欧州連合(EU)はロシアが方針を変えない場合、制裁を辞さな いとしている。

イタリア10年債利回りはこの日、3bp低下の3.41%。同年限のス ペイン債利回りは4bp下げて3.34%となった。

原題:German Bunds Post Weekly Advance as Crimea Spurs Safety Demand(抜粋)

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE