NY外為:円が対ドルで5日続伸、ウクライナ情勢で逃避先に

ニューヨーク外国為替市場では円が 対ドルで5日続伸。過去10カ月で最長の上昇局面となった。クリミアの ウクライナからの分離につながり得る住民投票を16日を控え、円への逃 避需要が高まった。

ロシア・ルーブルは主要31通貨の大半に対して下落した。ケリー米 国務長官とロシアのラブロフ外相はロンドンで6時間にわたり会談した が、ウクライナ問題のこう着打開には至らなかった。ユーロは対ドルで 一時0.5%上昇した。テクニカル要因から損失覚悟のドル売り注文が発 動したとみられている。

BNPパリバのディレクター、マサフミ・タカダ氏は「明らかに市 場はロシア、ウクライナ情勢、今週末のクリミア住民投票に対して非常 に神経質になっており、それは全てリスク回避の動きのつながってい る」と指摘した。

ニューヨーク時間午後5時現在、円はドルに対し前日比0.5%高の 1ドル=101円36銭。週間では1.9%上昇し、1月24日以来の大幅高とな った。5日続伸は昨年5月1日以来。対ユーロでは0.2%高の1ユーロ =141円03銭。ユーロは対ドルで0.3%高の1ユーロ=1.3914ドル。一時 は1.3937ドルまで上昇した。スイス・フランは対ドルで0.3%高の1ド ル=87.24サンチーム。

ロンドン&キャピタル・グループの資金運用グローバル責任者、ス ティーブン・コリンズ氏は「ユーロ・ドルのストップオーダーがいくつ かの水準で発動したようだ」と述べた。

ルーブル

ルーブルは対ドルで0.2%安の1ドル=36.6326ルーブル。一時 は36.7037ルーブルと、3日以来の低水準を付けた。

ケリー長官はラブロフ外相とロンドンで会談し、クリミア半島を併 合しないよう圧力を掛けた。ウクライナ南部のクリミア半島はロシアへ の帰属替えの賛否を問う住民投票を16日に予定している。

ケリー長官が会談後の記者会見で述べたところによると、ロシアの プーチン大統領は「日曜の住民投票が終了するまではウクライナについ て何も決断を下さない」。ラブロフ外相は別の記者会見で、ロシアは住 民投票で示される「クリミア住民の意思を尊重する」と言明した。危機 解決について「共通のビジョンがない」とも述べた。

米国防当局者が匿名を条件に述べたところによると、ウクライナは 米国に軍事援助と武器を要請した。国防総省の当局者らは現在は外交と 経済支援に注力すべきだとの見解を示唆している。

「さらに深刻化も」

シティグループの欧州G10通貨戦略責任者、ワレンチン・マリノフ 氏は「16日のクリミア住民投票を控え、市場は引き続き保守的にポジシ ョンを組むだろう。投資家は地政学リスクがさらに深刻化することを警 戒している」と指摘。「円やフランなど流動性が高く安全な逃避先が上 昇するはずだ。市場は主要通貨に対してドルの売り持ちに変化しつつあ る」と語った。

商品先物取引委員会(CFTC)によると、ヘッジファンドなど大 口投機家による対ドルのフランの買越幅は11日現在、8957枚と前週 の2168枚から増加した。円の売越幅は9万9356枚と、前週の7万9709枚 から増加した。

原題:Yen in Longest Stretch of Wins Since May on Ukraine; Ruble Drops(抜粋)

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