債券は上昇、ウクライナ緊張で円高・株大幅安-5年債入札順調も支え

債券相場は上昇。ウクライナ情勢 の緊張などを背景に外国為替市場で円高が進行し、株式相場が大幅下落 したことが買い手掛かりとなった。きょう実施の5年債入札が順調な結 果となったことも相場を支えた。

債券先物市場で中心限月の6月物は反発。前日比16銭高の144円73 銭で始まった後、水準を切り下げ、いったんは4銭安の144円53銭まで 下落した。すぐに上昇に転じ、午後に入ると一段高となり、結局は18銭 高の144円75銭と、この日の高値で引けた。

JPモルガン・アセット・マネジメントの塚谷厳治債券運用部長 は、「前日に米国株が下落し、米国債利回りが低下、円高に振れてお り、円債市場には買いが入った」と指摘。「ウクライナ情勢や中国経済 指標の悪化で、米国経済も楽観できないとの見方が台頭している。国内 景気の見通しも輸出の伸び悩みなどから悪化している」とも述べた。

現物債市場で長期金利の指標となる新発10年物国債の333回債利回 りは同0.5ベーシスポイント(bp)低い0.635%で開始し、いったん0.64% を付けた。午後に入ると徐々に水準を切り下げ、一時は0.625%まで低 下した。午後3時半すぎから0.62%で推移した。

2年物の338回債利回りは1bp低い0.075%。5年物の116回債利回 りは1bp低い0.19%。20年物の147回債利回りは1bp低い1.48%。30年 物の42回債利回りは1bp低い1.70%。

財務省がこの日実施した表面利率0.2%の5年利付国債(117回債) の入札結果によると、最低落札価格は99円98銭と事前予想を1銭上回っ た。小さければ好調とされるテール(最低と平均落札価格との差)はゼ ロ銭と前回の1銭から縮小。投資家需要の強弱を示す応札倍率は3.81倍 と前回の4.07倍からやや低下した。

入札は良い結果

JPモルガン・アセットの塚谷氏は、5年債入札について、「結構 良い結果だった。無難に通過した」と述べた。

この日の東京株式相場は大幅安。TOPIXは前日比3.2%安 の1164.70で引けた。日経平均株価は一時500円を超す下げとなった。東 京外為市場で円は主要16通貨に対して上昇した。

13日の米国債相場は4日続伸。米10年債利回りは前日比9bp低下 の2.64%。ウクライナ南部のクリミア自治共和国の情勢が悪化するとの 観測から投資家は安全性を求めて買いを入れた。

三井住友銀行の宇野大介チーフストラテジストは、「16日のクリミ アでの選挙実施の有無を境として、来週の相場がさらに株式などのリス ク資産を売る方向に事態が進む可能性が強まってきた」と指摘した。

米国とドイツは、ウクライナ南部のクリミア自治共和国を併合する 計画を考え直すようロシアに対する圧力を強めている。ケリー米国務長 官は13日の米上院委員会で、「この問題で前進や解決の可能性が示され ない場合、17日にはわれわれが利用できる選択肢に関して欧州と米国で 非常に重大な一連の措置が取られるだろう」と発言。ドイツのメルケル 首相は13日、ベルリンの議会で、ロシアは政治的および経済的に「非常 に大きな」打撃を受けるリスクを冒していると表明した。

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE