3月13日の海外株式・債券・為替・商品市場

欧米市場の株式、債券、為替、商品相場は次 の通り。

◎NY外為:ユーロ下落、ECB総裁発言で-円は対ドル101円台

ニューヨーク外国為替市場ではユーロが対ドルで下落。欧州中央銀 行(ECB)がユーロ高をデフレリスクとみなし、注視していることを 示唆したため売りが優勢になった。ウクライナ情勢の混乱と中国経済に 対する悲観的な見方を背景に、逃避需要から円は上昇した。

ドラギECB総裁はユーロの水準が「物価安定をわれわれが考える 中でますます重要」になってきていると発言した。これを受けてユーロ は軟化した。朝方には約2年ぶりの高値となる1.40ドルを目指す勢いだ った。米小売売上高が3カ月ぶりに増加し、新規失業保険申請件数が減 少したものの、ドルは対円で下げた。

ソシエテ・ジェネラルのシニア為替ストラテジスト、セバスチャ ン・ゲーリー氏は「ECBはユーロ高トレンドに対してある程度、反応 している。1.40ドルはエコノミストにはほとんど意味がなくとも、企業 には大いにあり、各国中銀に不満をぶつけている」と述べた。

ニューヨーク時間午後5時現在、ユーロは対ドルで前日比0.3%安 の1ユーロ=1.3868ドル。一時は1.3967ドルと、2011年10月以来の高水 準を付ける場面もあった。円はドルに対し0.9%高の1ドル=101円84 銭。一時は4日以来の高値となる101円54銭まで上昇した。対ユーロで は1.1%高の1ユーロ=141円25銭。一時は140円72銭と、6日以来の円 高水準となった。

先進10カ国の通貨で構成されるブルームバーグ相関加重通貨指数に よると、ユーロは過去1年に6.9%上昇。一方、円は6.7%、ドル は0.8%それぞれ下げている。

米10年債利回りの低下

米10年債利回りが低下し、ドル建て資産の魅力が弱まると、円は対 ドルで上げ幅を拡大した。10年債利回りは一時9ベーシスポイント(b p、1bp=0.01%)低下の2.64%と、1月23日以来の大幅な低下とな った。

ゴールドマン・サックスのアナリスト、ロビン・ブルックス、フィ オナ・レイクの両氏は13日付のリポートで、インフレ率を2%に押し上 げるには日銀の「緩和策第一弾では不十分であることが夏にかけて明ら かになり、円は再び下げると見込んでいる」とした。

米国とドイツは、ウクライナの一部であるクリミアを併合する計画 を考え直すようロシアに圧力を強め、ロシアが再考しない場合は経済制 裁を実施すると警告した。クリミアは16日にロシアへの帰属替えの是非 を問う住民投票を計画している。

ファロス・トレーディング(コネティカット州スタンフォード)の マネジングディレクター、ブラッド・べクテル氏は小売売上高の発表直 後から「ドルは対円で一本調子で下げた。ウクライナ情勢が影響してい るのは明白で、緊張が高まっている」と述べた。

米小売売上高

米商務省が13日発表した2月の小売売上高(速報値)は、季節調整 済みで前月比0.3%増。前月は0.6%減少(速報は0.4%減)に下方修正 された。

ECBのドラギ総裁は同中銀のフォワードガイダンス(時間軸政 策)がユーロ値下がりと実質金利低下につながる可能性を指摘した。

原題:Euro Drops on Draghi’s Deflation Comments; Yen Climbs as Haven(抜粋)

◎米国株:S&P500種は年初来の上げを消す-中国とウクライナ嫌気

米国株式相場は下落。S&P500種株価指数は年初来の上げを消し た。米経済統計が予想より良かったものの、予想より弱い中国の統計や 緊迫化するウクライナ情勢が嫌気された。

ダウ工業株30種平均の採用銘柄はすべて下落。ユナイテッド・テク ノロジーズやファイザー、アメリカン・エキスプレスの下げが目立っ た。S&P500種の住宅建設株指数は7営業日連続で下げ、この日 は2.4%下落。ディスカウント小売りのダラー・ゼネラルはアナリスト 予想を下回る利益見通しを嫌気されて下げた。

S&P500種株価指数は前日比1.2%下げて1846.34。一時は3月7 日に記録した終値ベースでの過去最高値1878.04に接近する場面もあっ た。ダウ工業株30種平均は231.19ドル(1.4%)安の16108.89ドル。

ミラー・タバクのオプションストラテジスト、リリアン・シードマ ン氏(ニューヨーク在勤)は「米統計はかなり好調だったが、きょうの 市場はそれを認めたがらなかった」と指摘。「中国不安とウクライナ緊 迫という材料がある。今のところ全体的に見れば売りを迫る材料が多 い」と述べた。

S&P500種は今週に入って1.7%下落。年初からは0.1%安。中国 経済の成長減速とウクライナ危機の緊迫化が背景にある。

クリミア住民投票

米国とドイツは、ウクライナの一部であるクリミアを併合する計画 を考え直すようロシアに迫る圧力を強めた。クリミアは16日にロシアへ の帰属替えの是非を問う住民投票を計画している。

ケリー米国務長官は上院委員会で、住民投票の翌日に危機解決の 「兆候が皆無であれば」米国と欧州は「極めて深刻な」措置を講じると 述べた。

中国の工業生産、および都市部固定資産投資と小売売上高の伸びは 予想を下回った。中国は先週、2014年の成長率目標を7.5%に据え置い た。また太陽光発電関連メーカー、上海超日太陽能科技が中国本土企業 として初めて公募社債がデフォルト(債務不履行)状態に陥った。

RBCグローバル・アセット・マネジメントの米株トレーディング 責任者、ライアン・ラーソン氏(シカゴ在勤)は「中国の経済成長とウ クライナ動乱への不安が終わらないことが市場に影響し続けている」と 指摘。「ケリー長官は住民投票を中止させる最後のチャンスに賭けて明 日、ロシア外相と会談する。市場はやや神経質になるだろう。その動き はきょう既に始まった可能性がある」と述べた。

米経済統計

2月の米小売売上高は2カ月連続マイナスのあと増加した。先週の 米新規失業保険申請件数は前週比で減少、昨年11月末以来の低水準とな った。

今年初めに世界の株式市場から引き揚げられた投資資金が、一斉に 戻ってきている。ブルームバーグがまとめたデータによると、株式を保 有する米国の上場投資信託(ETF)には過去4週間に410億ドル(約 4兆2000億円)余りの資金が流入した。その前の月には資金流出が一 時402億ドルに膨らんだが、この流れが反転している。

S&P500種の業種別10指数のうち、9指数が下落。資本財とテク ノロジーの下げがきつい。

S&P500種の住宅建設株指数は2.4%下落。月初来の下げは8%と なった。トール・ブラザーズやパルトグループが大きく下げた。

ダラー・ゼネラルは2.8%下落。同社は2-4月(第1四半期)の 1株当たり利益を最大で74セントと予想。アナリスト予想の81セントを 下回った。

原題:S&P 500 Erases 2014 Gain as China, Ukraine Overshadow U.S. Data(抜粋)

◎米国債:続伸、昨年11月来の最長連続高-クリミア情勢で質の逃避

米国債は4日続伸。昨年11月以来の最長連続高となった。クリミア 情勢が悪化するとの恐れを背景に投資家は安全性を求めたため、午後に 実施された30年債入札(130億ドル)は好調だった。

30年債入札の結果によると、最高落札利回りは3.630%。昨年6月 以来の低水準。投資家の需要を測る指標の応札倍率は2.35倍。米国とド イツは、ウクライナの一部であるクリミアを併合する計画を考え直すよ うロシアに迫る圧力を強めた。

RWプレスプリッチの政府債取引担当マネジングディレクター、ラ リー・ミルスタイン氏(ニューヨーク在勤)は、「安全資産への逃避需 要は確実に存在する」と述べ、「クリミア情勢をめぐる不安や中国動向 に関する情報が飛び交う中で、入札結果はまずまずだった」と続けた。

ブルームバーグ・ボンド・トレーダーによれば、ニューヨーク時間 午後5時現在、30年債利回りは前日比8ベーシスポイント(bp、1b p=0.01%)下げて3.59%。1月23日以来の大幅下落となった。同年債 (表面利率3.625%、償還期限2044年2月)価格は1 1/2上げて、100 5/8だった。

10年債利回りは9bp下げて2.65%。1月23日以来で最大の落ち込 みだった。利回りは一時2.64%と、4日以来の低水準を付けた。その前 は2.75%まで上昇する場面があり、変動幅の大きさは1月29日以来で最 大だった。4日続伸は昨年11月21-26日以来最長の連続高。

ケリー長官の発言

ケリー米国務長官は13日、米上院公聴会に出席し、この問題で前進 や解決の「可能性が示されない場合」、クリミアでの住民投票翌日に欧 州と米国は「非常に重大な」措置を講じるだろうと発言した。同長官は この日、ロシアのラブロフ外相と電話会談。14日にはロンドンで直接協 議する。

中国の李克強首相は、経済成長を促進させる最後の手段として景気 刺激策に訴えるのは避けたい意向を示唆した。ただ中国の都市部固定資 産投資は1-2月に同期間としては01年以来の低い伸びとなり、工業生 産は市場予想を下回った。

三菱UFJ証券USAのシニア米国債トレーダー、トーマス・ロス 氏は、中国とクリミアの情勢は「投資家の思考経路に組み込まれてい る」と述べ、「ここまで上昇してきたのはこれらの要因で不安感が高ま っているからである」と続けた。

30年債のリターン

バンク・オブ・アメリカ(BOA)メリルリンチの指数による と、30年債の投資リターンは年初から5.9%。米国債全体では1.6%とな っている。

2月に実施された30年債入札での応札倍率は2.27倍。過去10回の平 均値は2.38倍だった。この日の30年債入札直前の最高落札利回りの市場 予想は3.602%だった。

海外の中央銀行を含む間接入札者の落札全体に占める割合 は38.8%、2月は45.3%だった。過去10回の平均値は41%となってい る。

プライマリーディーラー(政府証券公認ディーラー)以外の直接入 札者の比率は12.6%だった。2月は13.9%、過去10回の平均値 は16.3%。

原題:Treasuries Rise as Refuge Appeal Bolsters Bond Auction Demand(抜粋)

◎NY金:続伸、6カ月ぶり高値-ウクライナ危機で安全逃避の買い

ニューヨーク金先物相場は続伸し、6カ月ぶりの高値となった。ロ シアとウクライナの緊張がさらに高まるとの見方から、価値保存手段と しての買いが入った。ウクライナ政府のウェブサイトによると、同国の 国境警備隊が国境付近を哨戒飛行中、ロシアの装甲車から対空砲火を受 けた。

オンライン為替取引オアンダ・コープのシニア通貨アナリスト、ア ルフォンソ・エスパルザ氏(トロント在勤)は「ウクライナの情勢はま だ非常に流動的だ。そのため同国からのどんなニュースでも金を押し上 げる材料になり得る」と指摘。「不透明な環境下では金のようなリスク 回避先に資金が向かう」と述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)COMEX部門の金先物4 月限は前日比0.1%高の1オンス=1372.40ドルで終了。一時は1375.70 ドルと、中心限月としては昨年9月10日以来の高値をつけた。

原題:Gold Reaches Six-Month High as Ukraine Crisis Spurs Haven Demand(抜粋)

◎NY原油:1カ月ぶり安値から反発、予想上回る経済統計で

ニューヨーク原油先物相場は上昇。1カ月ぶり安値から反発した。 予想を上回った米経済統計を受けて、燃料需要が拡大するとの見方が広 がった。

エナジー・アナリティクス・グループのディレクター、トム・フィ ンロン氏は、「失業保険申請件数や小売売上高が良好な結果となり、原 油相場がバレル当たり100ドルを回復するチャンスが巡ってきた」と述 べ、「原油相場は一直線ではなく、ある程度の調整が入る頃合いだ」と 続けた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物4月限は前日 比21セント(0.2%)高の1バレル=98.20ドル。前日は97.99ドルと、 2月6日以来の安値だった。

原題:WTI Crude Rises From One-Month Low on U.S. Data; Brent Drops(抜粋)

◎欧州株:5週ぶり安値、モリソンなど小売株安い-クリミア情勢注視

13日の欧州株式相場は下落し、指標のストックス欧州600指数は5 週間ぶり安値を付けた。英ウィリアム・モリソン・スーパーマーケッツ を中心に小売株の下げが目立った。クリミアをめぐるウクライナとロシ アの対立への懸念も強まった。

モリソンはここ11年で最もきつい値下がり。減益見通しが嫌気され た。スイスの人材派遣会社アデコは6.6%安。筆頭株主が約16%の保有 株を手放したことが売り材料。一方、ドイツの航空会社、ルフトハンザ 航空は3.9%上昇。配当再開の方針を示したほか、営業利益を2年以内 に3倍とする目標をあらためて表明したことが手掛かり。

ストックス欧州600指数は前日比1.1%安の324.51で終了。一時 は0.2%上げた。2営業日の下落率は2.1%と、1月以降で最大となっ た。6年ぶり高値を付けた2月25日以来の下落率は4.1%。

Xトレード・ブローカーズ(リスボン)のエドュアルド・シルバ氏 は、「衝撃的となる可能性ある週末を控え、ロシアに関連する全ての銘 柄に売りが出るだろう」と指摘。「クリミアの住民投票が注視されてい る。主要国が外交または政治、軍事的に介入することを決めた場合、市 場を混乱させる材料となるだろう。ボラティリティは高い」と語った。

米国とドイツは、ウクライナの一部であるクリミアを併合する計画 を考え直すようロシアに迫る圧力を強めた。クリミアは16日にロシアへ の帰属替えの是非を問う住民投票を計画している。

13日の西欧市場では18カ国全てで主要株価指数が下落。仏CAC40 指数は1.3%、独DAX指数は1.9%それぞれ下げた。英FTSE100指 数は1%安となった。

原題:Europe Stocks Decline to Five-Week Low With Retailers on Ukraine(抜粋)

◎欧州債:アイルランド債が上昇、利回りは過去最低に-市場復帰で

13日の欧州債市場では、アイルランド10年債利回りが過去最低まで 低下。同国が2010年以来初めて国債入札を実施し、ユーロ圏債務危機が 和らいでいる最新の兆候と受け止められた。

バンク・オブ・アメリカ(BOA)メリルリンチの指数によれば、 ギリシャとアイルランド、イタリア、ポルトガル、スペイン各国国債の 最終利回りの平均は今週、ユーロ導入以後の最低を付けた。債務危機時 に機能不全となったソブリン債市場に投資家の信頼が戻ってきているこ とが背景にある。ドイツ国債も上昇。クリミア半島をめぐる緊張の高ま りで域内で最も安全とされる同国債の需要が高まった。

イタリア国債はほぼ変わらず。同国財務省は2016年と21年、28 年、37年に満期を迎える国債を計77億5000万ユーロ発行した。

ソシエテ・ジェネラルの欧州金利戦略責任者、キアラン・オヘガン 氏(パリ在勤)は「スペインやイタリア、ポルトガルの国債、ならびに 社債に目を向けた場合、いずれも好調だ」と発言。「債務を持続的にす るため政府に必要なのは、高い成長率とインフレ率だ。現在の低利回り は、将来的に高成長をもたらす土台を築くため改革に真剣に取り組む機 会を政府にもたらしてる」と語った。

ロンドン時間午後4時48分現在、既発のアイルランド10年債利回り は前日比2ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低下の3.02%。 一時は2.99%まで下げ、過去最低を記録した。11年7月には14.22% と、ユーロ導入以後の最高に達していた。同国債(表面利 率3.4%、2024年3月償還)価格はこの日、0.175上げ103.23。

アイルランド国債管理庁(NTMA)によれば、2024年3月償還の 新発債の落札利回りは2.967%で、10年債入札としては過去最低の水準 だった。応札倍率は2.9倍。

ドイツ10年債利回りは6bp低下の1.54%と、昨年7月24日以来の 低水準となった。

原題:Irish Bonds Climb as Yields Drop to Record Low in Market Return(抜粋)

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